『HiGH&LOW THE WORST X』前田公輝インタビュー「前作の轟は怖くて、あまり見られなかった」「本作での変化」ファンの考察への感謝も

access_time create folder映画

シリーズ累計観客動員556万人・興行収入78億円突破、男たちの友情と熱き闘いを描いた人気バトルアクションシリーズ「HiGH&LOW」と、累計8000万部突破・不良漫画の金字塔「クローズ」「WORST」(原作・髙橋ヒロシ)の、2大最強コンテンツ・クロスオーバー映画『HIGH&LOW THE WORST』の続編『HiGH&LOW THE WORST X』が2022年9月9日(金)に全国の劇場となります。

本作でも、シリーズ屈指の人気を誇る、「鬼邪高校」の主要人物・轟洋介が大活躍!大暴れしながらも、これまでにない新たな魅力も見せてくれています。美しき孤高のインテリ不良・轟洋介を演じ続けている前田公輝さんに、本作への想いからファンへの感謝までお話を伺いました!

――『HiGH&LOW THE WORST X』大変楽しく、アツく拝見させていただきました!前田さんは完成した作品をご覧になっていかがでしたか?

まずは自分の役のことになっちゃうんですけど、「轟が笑えて良かった」と親心の様な気持ちになりました。客観的に観る事が出来て良かったと思いました。アクションシーンはもちろん、「生きるために必要なものは何なのか?」というメッセージが、言葉じゃなくて男のロマンとして拳で伝わる爽快な作品だと思いました。

――今までは、轟のことをあまり客観的に見られない部分があったのですか?

特に前作の轟が、僕にとって影響力がすごく強くて。怖くて、あまり見られなかったです。前作の轟って、セリフとセリフにすごく行間があって。その行間にこめられた気持ちの捉え方は人それぞれだと思うんですけど、僕は思いの外、考えすぎちゃっていて。

考えすぎちゃう部分は轟に近いとも思うし、その闇が上手いこと表現に繋がったのかなと思うんですけど。当時、轟を演じることに結構ビクビクしていたというか。それでいて、轟ですから、絶対的な力で君臨しないといけなかったので。

――まさに轟洋介の難しさというか…。

そうですね。今回はだいぶ変わって、仲間としての意識が芽生えた轟だったので。今回の映画までの轟の心境の変化は絶対あったと思うので、その時間のエピソードも観たいなと思っていました。

――それはいちファンとしてもすごく観たいです。

台本をいただいた時に、初めて聞く学校や新たな設定がたくさんあったので、時間的な問題もあるのだなと思います。なので、轟の「なぜ、こうなったのか」っていうところは、自分の中で想像しながら頭の中で作りました。

楓士雄に感化されて、無意識の中で轟自身も自分が変わっていることに気づいているんですけど、それに対して「別に楓士雄のおかげじゃねえし」みたいな(笑)。「たまたま俺が変わるタイミングの時に楓士雄がいただけだし…」っていう葛藤もあったんじゃないかなっていう。だんだん自分の鎧が外れていって、今回の轟になったのかな、とか。もちろん色々なきっかけもあったと思うんですけどね。轟と対峙するのが村山から楓士雄になったっていうところは、すごく大きな変化だと思います。

――そういった、前田さんの中で咀嚼した“轟像”がありつつ、前作から本作で、演技をする際に変化を感じた部分はありますか?

前作はほぼ、一人で芝居していたような感覚だったんですよ。相手がどう出ようが、轟は我が道を行く唯我独尊な感じがしていたので。とはいえ、本当に一匹狼でいたなら、1年足らずじゃここまで変わらないと思います。辻と芝マンがいて、2人に対する想いがあるからこそ多分、今回仲間になれたっていうのがあるのかなと。

本作では、轟が感情的にもなっているし、仲間に対する思いを発信しているので、だいぶ変わりましたよね。今までは飲み込んで、飲み込んで…。拳でしか発散していなかったので。

――また轟の新たな魅力を見ることが出来て、最高でした…!

ありがとうございます。そうなんですよ。今回の轟はちょっと違いますよね。自由に生きながらも、みんなの兄貴分じゃないですけど、鬼邪高校の今後を見据えていて、鬼邪高校の看板を感じている轟を見せられたらいいなと思ったので。

――撮影現場は、楽しかったですか?

めちゃめちゃ楽しかったです! 初日に“ハイローの現場”に戻った感じがすごかったです。「やっぱり楽しいな」というか。31歳で学ランに袖を通すというのも貴重な体験ではあるんですけど(笑)。学園ものならではの、みんなで同じ目標に向かっていくのが楽しいですよね。「HiGH&LOW」シリーズの、すごくシンプルで何も考えずに突き進んでいく感じは、魅力的ですよね。

――武器やドラッグなど卑劣な行動、ズルはダメということがシリーズを通して描かれていますが、本作もその要素が大きかったと思います。

そうですね。権力、武器…。いわゆる人間として正面切って、フェアな状態で戦わないとダメだと。楓士雄の素晴らしいところって、そこですよね。キャリアとか関係なくて。噂も聞くは聞くけど、結局自分が感じたものしか信じないっていうか。楓士雄のそういうところは観ていても胸を打つし、轟としても変わるきっかけになったんじゃないかな。

――楓士雄ってまぶしいくらい真っ直ぐですよね。

とにかく真っ直ぐ。そして奇跡を起こす男なので。影響力が大きいですよね。

――前作のときに応援上映の取材に行ったのですが、本作も叫びたいシーンの連続で…。

本当ですか!あれ、楽しかったですよね! 「顔が良い気配がする!」っていう掛け声は最高に楽しかったです(笑)。僕も一緒に応援したい気持ちになって。応援上映っていうスタイルは、とっても楽しい企画だなと思いますね。今はご時世的に難しいと思いますが、またやって欲しいです。

――轟の登場シーンは特に沸いていましたよね!

本当にありがたいです。『HiGH&LOW THE WORST 』が公開された時もTwitterで“轟の女”急浮上みたいな、記事でも取り上げていただいて。まさか自分が演じたキャラクターがそんなに注目されることになるとは…。僕は喋ることが大好きなので、自分と180度違う役が、こんなに皆さんに楽しんでいただけるとはという嬉しい気持ちです。

――女性人気はもちろんですが、男性人気もすごくありますよね。

セリフを全部覚えてくださっている、役者さんもいらっしゃいますし。友達も僕のセリフを真似してくれたり。あと、街中で僕の名前じゃなくて「轟!」って呼んでくれたりすることも増えました(笑)。

――素敵です…!ちなみに、前田さんの推しというか、轟のキャラ以外で好きなキャラはいらっしゃいますか?

どのキャラクターも本当に魅力的なのですが、特に辻と芝マンは可愛くて仕方ないですね。可愛くて、可愛くて(笑)。僕が初めて轟を演じた時は20代前半で、2人(龍、鈴木昂秀)は本当に高校生だったので。その時から今を見ると、もうなんか…兄弟みたいな気持ちになりますね。「もう、メンチ切っちゃって!」みたいな(笑)。「すごく凄みが出てきたね!」ってそんな気持ちになってしまいます。

今は本当に演技にどんどん磨きがかかって。「THE RAMPAGE」としてもパワーアップしていますしね。

――お兄ちゃん目線で見てしまうわけですね。辻と芝マン、カッコ良かったです。

あと、泰・清の2人(佐藤流司、うえきやサトシ)もプライベートで仲が良いので、推しです。本作の泰・清のやりとり、めちゃめちゃ良いですよね。2人で考えて、セリフも変わっていったらしいのですが、すごく好きなシーンです。

あと、坂田基晃役の(森崎)ウィンとは、17歳の時に3ヶ月間、連ドラを一緒にやっていたので、久々に会えて嬉しかったですね。推しは、すごく多いです。本当に全員、推しです!

――激しいアクションの撮影の後、体はバキバキになりませんか?

なりましたね。でも、1年前にミュージカルをやってから、体との向き合い方が上手になったと思います。アクションシーンがある日は1、2時間前に起きて湯船に浸かって体をほぐしてから現場に向かっていました。体が硬いとお芝居にも影響が出ちゃいますし、怪我をしやすくなってしまうので。

しっかりと時間をかけてストレッチをしないと、ハイローで一緒に撮影をする体力のプロたちとは一緒に戦っていけないので。パフォーマーって仕事が体を動かすことなので、レベルが違うんですよ。役者は座っていてもお芝居は出来ます。でもパフォーマーの皆さんは足先まで動かすので。今回も、陣くん(THE RAMPAGE)など新しいパフォーマーの方がたくさん入ってきて、本当にすごいなと思います。陣くんとはプライベートでも連絡を取るようになって、仲良くさせてもらっています。

――今後もさらにアクションを極めていきたいというお気持ちは?

あります! 今はシンプルにストレート、フック、ボディ、側頭、飛び蹴り、回し蹴り、前蹴り、二段蹴りとか…出来るのですが、僕はアクション作品に縁があると思うので、どんどん技を身につけて役に磨きをかけたいなと思います。

――今後も最高のアクション期待しています!

あとは、世代的に周りに子供が産まれたりとかしていて、僕も甥っ子の溺愛が止まらないので(笑)。新米パパ役であったり、家庭を持つ役を演じてみたいです。今、朝ドラ(『ちむどんどん』)で大恋愛をさせてもらっていて、恋愛作品に対する欲求が高まっているので。最近、塩野瑛久くんが出ていた「私たち結婚しました」を観て、ものすごいキュンキュンしてたので。このキュンキュンを現場に持って行きたいです。

――前田さん出演のラブストーリー、楽しみにしています!最後に『HiGH&LOW THE WORST X』をこれからご覧になる方へ、メッセージをお願いします。

まずはハイローファンの皆さんへ、思い描いていた鬼邪高の未来が描かれていると思うので楽しみにしていてください! まだまだコロナ禍で羽を伸ばせなかったりすると思うんですけど、スカッとした爽快な気持ちになってもらいたいです。アクションが苦手な方もいらっしゃるかもしれないんですけど、まばたき多めでも良いので、画面いっぱいで見ていただき楽しんでいただければと思います。

――早く公開してファンの方の考察も見たいですね。

そうですね! 皆さんの考察ありきの『HiGH&LOW THE WORST』だったと感じています。轟を好いていただいている方あってこその、僕の今の役者人生とも思っているので、そこの感謝は大きいです。いつもありがとうございます!

◆最後には僭越ながら、轟のファンの一人として、前田さんに特製クッキーをプレゼントさせていただきました!皆様、はやめに劇場へ!

撮影:オサダコウジ
クッキー制作:Kumi Ota

『HiGH&LOW THE WORST X (クロス)』
■企画プロデュース:EXILE HIRO
■総監督:二宮”NINO”大輔 ■監督:平沼紀久 ■アクション監督:鈴村正樹  
■原案・キャラクター設定:髙橋ヒロシ ■脚本:増本庄一郎 渡辺啓 平沼紀久 ■音楽:中野雄太

■出演 【鬼邪高校】川村壱馬、吉野北人、佐藤流司、神尾楓珠、福山康平、龍、鈴木昂秀、うえきやサトシ、中島健/森崎ウィン/前田公輝
【瀬ノ門工業高校】中本悠太(NCT)、三山凌輝(RYOKI)、永沼伊久也、比嘉涼樹
【鎌坂高校】藤原樹、岡宏明
【江罵羅商業高校】長谷川慎、陣、今村謙斗
【鳳仙学園】志尊淳(特別出演)、塩野瑛久、葵揚、小柳心、荒井敦史、堀夏喜、坂口涼太郎
【鈴蘭男子高校】三上ヘンリー大智 板垣瑞生 時任勇気 八木勇征 木村慧人 高橋祐理
■企画制作:HI-AX 
■製作著作:『HiGH&LOW』製作委員会 
■配給:松竹 
■公開日:2022年9月9日(金)
■クレジット:(C)2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 (C)髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX

  1. HOME
  2. 映画
  3. 『HiGH&LOW THE WORST X』前田公輝インタビュー「前作の轟は怖くて、あまり見られなかった」「本作での変化」ファンの考察への感謝も
access_time create folder映画

藤本エリ

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。