【インタビュー】Mrs. GREEN APPLE、約2年ぶり『Unity』完成「嘘がないように、今のありのままを届けたい」
Mrs. GREEN APPLEが7月8日、ミニアルバム『Unity』をリリースする。約2年ぶりとなる同作だが、この春の活動再開からわずか4ヵ月足らずのうちに、新曲「ニュー・マイ・ノーマル」MVは約700万再生、続く新曲「ダンスホール」はフジテレビ系『めざまし8』のテーマ曲として連日番組内で放送され、新曲「ブルーアンビエンス(feat. asmi)」がABEMAオリジナル恋愛番組『今日、好きになりました。初虹編』主題歌に起用、新曲「延々」がスマートフォン向け新作ゲーム『炎炎ノ消防隊 炎舞ノ章』テーマソングに決定するなど、その勢いはまさしく怒濤。これら4曲に「君を知らない」「 Part of me」を含む新曲全6曲が収録される作品が『Unity』だ。
◆Mrs. GREEN APPLE 動画 / 画像
タイトルに冠された“Unity”とは、“単一性、統一性、結束すること、不変性、結合体”などの意を持つ言葉だ。曰く、「このジャケットデザインのように、異なるものが1つのオブジェのようでオブジェになり切ってない様。それは結局バンドも一緒だなって。バンドが人と連なるってこういうことだなって思う。それをあえて”Unity”と呼ぶのがこの作品です」とのことだ。BARKSでは、先ごろ公開した「ダンスホール」コラム&コメントに続いて、大森元貴(Vo, G)、 若井滉斗(G)、 藤澤涼架(Key)の3人にじっくりと“フェーズ2”について、『Unity』について訊いた16,000字越えのロングインタビューをお届けしたい。
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■今までのミセスらしさとこれからの希望
■すべてを感謝の気持ちから作っていけたら
──今日は、7月8日に行われるライブ<Mrs. GREEN APPLE ARENA SHOW “Utopia”>のリハーサル前の時間にお邪魔していますが、こうやって音源作品が完成し、いろんなメディアの取材を受けて、ライブリハーサルがあるという日常も、きっと随分と久しぶりのことかと思います。今、そんな日々をどういう気持ちで過ごしていますか?
藤澤:本当に久々で、改めて「“フェーズ2”が始まったな」っていう感じがします。ありがたいことに、みなさんが“フェーズ2”を待ってくださっていて、一気にいろんなことが始まって、自分たちでもビックリしているんです。でも今は、それが本当に楽しいですし、嬉しくも思っています。
若井:“始まった感”はものすごくありますね。ミニアルバム『Unity』も完成して、こうやって取材もしていただいて、ライブのリハも始まって。しかも“フェーズ1”の頃とはまた違う新鮮さも感じています。
──そんな中で、怒涛のようにミセス関連のさまざまなニュースが届いてきて、僕らも驚かされっぱなしです。ちょっといきなり働き過ぎなんじゃないかとも思ったりもして(笑)。
大森:“そうそう、こんな感じだったな”って、いろんな意味で思い出すことはありますよね(笑)。しかも“フェーズ1”の頃より、さらにいろんな面で密度が濃くなっているというか。仕事の密度も濃くなっているけど、メンバー間でクリエイトしていく時に大事にすることの密度も濃くなっているし、中身がギュッと詰まっているという手応えは、最近、すごく強く感じてますね。
▲『Unity』完全生産限定盤
──では、改めて。今回のBARKSインタビューは、ミニアルバム『Unity』の音楽面を中心にお話しを伺いたいと思っています。とは言え、時系列を整理するうえでも、まずは3月18日の“フェーズ2”開幕と同時にデジタルリリースされた「ニュー・マイ・ノーマル」から話を聞かせてください。発表から2ヵ月以上が経って、この曲を少し客観的に見られるようになったかとも思いますが、今、「ニュー・マイ・ノーマル」はミセスにとってどのような曲になったと実感していますか?
大森:デビュー盤のリード曲みたいな感覚ですね。僕らは2015年にミニアルバム『Variety』でメジャーデビューして、そのリード曲が「StaRt」だったんですが、今回、まさしく「ニュー・マイ・ノーマル」で再デビューしたような気持ちですし、そんな立ち位置の曲になったと思っています。「2022年の春に“フェーズ2”を始めようか」という話は、去年の秋頃にはみんなに伝えたんですけど、でも実際に「ニュー・マイ・ノーマル」が完成したのは、今年の1月。わりとギリギリだったんです。それで、いざこの曲を発信してみて……タイトル通りですけど、今までのミセスらしさと、これからの希望といった部分を、何らかの武装をするわけではなく、きちんと地に足がついた状態で、しかもすべてを感謝の気持ちから派生する感情で作っていけたらいいなと思っていました。それがいろんな人の元に届いてよかったなという想いが、今は一番強いですね。
若井:3月にこの曲を発表した時は、何よりも「おかえり」という声がすごく多くて。自分たちが2年間で培ったものを「ニュー・マイ・ノーマル」に落とし込めたと感じていたので、それに対して「おかえり」と言ってくれたことが本当に嬉しかったし、よかったなと思いました。
藤澤:僕も、みんなから「おかえり」という声を届けてもらえて嬉しかったし、「ニュー・マイ・ノーマル」で“フェーズ2”がスタートして、この曲がこれからのミセスのテーマになっていくんだろうなと感じています。今年の年始に、(大森)元貴からデモが届いた時に、この曲で“フェーズ2”が始まるんだって気持ちが高まったし、元貴も言っていたように、「StaRt」でデビューした時のような気持ちにもなって。「ニュー・マイ・ノーマル」で“フェーズ2”を走っていくんだという気持ちと、この曲で歌っている感謝の気持ちの両方を、これからもずっと大切にしていきたいなと思っています。
──「ニュー・マイ・ノーマル」を初めて聴かせてもらった時、間違いなく素晴らしい曲なんだけど、活動を休止していた2年間だけでなく、ミセスを結成してから、もっと言えばみなさんが音楽を始めてから今までの想いのすべてがこの曲に詰まっているように感じて、簡単に「いい曲ですね」のひと言では済ませられない、きらびやかなんだけど、ものすごく心に沁みるような重みと深みを感じたんです。しかもその曲で、感謝の気持ちを歌ったという点が非常に印象的で。その感謝というテーマには、どのようにしてたどり着いたのですか?
大森:いろんなことを考えましたよ。最初は派手な曲でなきゃいけないだろうとも思ったし、しんみりしたことは歌いたくないなという漠然としたイメージもあったんですけど、正直に言って3人とも、この2年間、すっかりミセスではなくなっていたので……。
──ああ、活動休止期間中は、そういう感覚だったんですね。
大森:はい。だからこそ、ミセスというバンドを外から客観的に見られるようになっていたんです。その目線で、“自分なら、どういう曲でミセスが復帰したら嬉しいか?”とか、逆に“どうだったら嫌か?”ということを、良くも悪くも一歩引いた所から見ることができました。そうした中で、ただただ“これからやっていくぜ!”っていう意気込みだとか、何らかの武装をするといった無骨なものではなく、誰に聴かれても恥ずかしくない、僕らが歌わなきゃいけないこと、歌うべき言葉を綴ることが大切だと思ったんです。
──その時に、これは敢えて聞きますが、以前のミセスがそのまま帰ってきて欲しいというファンと、新しいミセスを期待するファンの両方がいたと思うんです。そのどこに向けて歌うべきなのかといった点で、悩んだり、葛藤のようなものはありましたか?
大森:そうですね……「ニュー・マイ・ノーマル」ってちょっと不思議な曲で、僕らのことのみを歌っているんです。何て言えばいいのかな……誰に届けるとかではなく、僕らの想い出のアルバム、その1ページになるような曲なので、この曲が持つエネルギーは、僕らのことをもうちょっと知ってもらえると嬉しいなっていうところから来ているんじゃないかと思っていて。この2年間って、コロナの影響もあって、普通の2年間とはまったく違うものだったと思うんですよ。バンドにとっても、編成が新しくなったり大きな出来事もあったけど、世の中にはもっと大きな事があったという人はたくさんいるわけで。だからこの曲で、“生きていればいろんなことがあるよね、それを乗り越えていこうよ”っていうことをきちんと書かなきゃいけない、そこをとても大事に考えていたので、ファンのみんながミセスの“フェーズ2”に対して抱いている不安感だとか、どのファン層に対してどうこうといったことは、僕自身はあまり意識しなかったですね。自分が歌うべき根幹がはっきりしていれば、それで大丈夫だと思っていたので。
──なるほど。それをどう表現するかはいろんな試行錯誤があったとは思いますが、“何を歌うか”という着地点は明確だったんですね。
大森:ただ、“無敵な自信”というものがない状態で書き始めたので、その道筋を探す作業にはとても時間がかかりました。まずもってバンドの編成が変わったことで、どういう風に曲を作ればいいかわからないところから始まったので、作家としての不安感と、(メンバーに対する)友達としての不安感がありました。ただ最終的に、「ニュー・マイ・ノーマル」のすべてのフレーズが、結局のところ“今の僕らはこういうことしか言えないよな”と納得できてからは早かったですね。
▲『Unity』初回限定盤
──若井さんと藤澤さんは、最初に大森さんからこの曲のデモが届いた時、どのように感じましたか?
藤澤:元貴からこの曲が送られてきた時、他の曲たちとはちょっと違う気持ちになったんです。元貴の今のありのままの気持ちを聴かせてもらったような感じがして。
若井:“作品”に聴こえなかったよね。
藤澤:そうそう。ちょっとこれを言うのは恥ずかしいんですけど、元貴から送られてきた手紙のような気がして。だから、すごく温かい気持ちになったし、僕もまったく同じ気持ちだって思えたことがすごく嬉しくて。近くにいる人ほど、なかなか言葉にして伝えられないことってあるじゃないですか。でも、“ありがとう”の気持ちを伝えるって、本当に大切だなと思いました。だからさっきおっしゃっていただいたように、僕もデモを聴いて、この数年間のことだけじゃなくて、今まで自分の人生で関わってくれた人、出会ってきたいろんな物事があるからこそ今の自分があるんだなって、そう思えたんです。
若井:今までの曲とは違って、何よりも“僕たちの曲だ”って思いました。ミセスとして活動を始めてからもそうですし、活動休止期間もそうですし、全部をひっくるめた自分たちの想いが歌詞に詰まっていると感じて……泣いちゃいました(笑)。いや、でも本当に“いい曲だな”って。早くみんなに届けたいなと思いましたね。
藤澤:元貴は今回のミニアルバムを作る時に、「嘘がないように、今のありのままのミセスを届けたいね」って、その言葉をすごく大切にしていて。だから「ニュー・マイ・ノーマル」は、まさしく今のミセスというものが詰まった曲になっていると思うし、その気持ちを大切にしていくことで、自ずと“フェーズ2”でも、また新しいことと出会っていけるんじゃないかなと思えたんです。
大森:ただ実際問題として、バンドの編成が変わったことだったりって、僕らからも説明がしづらいし、周りからも気を遣われることだと思うんですよね。だからこそ、そういうのを見越して……というわけではないんですけど、すべてのことをこの曲を通して伝えようという気持ちが強かったんです。多くを語れないからこそ、これを聴いてもらえば全部わかってもらえる曲にしたかったし、わかってくれるといいなと思って作りました。アレンジしていく過程においても、今までは作詞、作曲、編曲と、僕がすべてをやっていて、全部出来上がった状態で曲を渡していたんです。だからメンバーからすると、ある程度まで曲が完成している中で、どういう風に自分のエッセンスを入れようか、表現しようかっていう、自分の居場所をサウンドの中で探していく作業がきっとあったと思うんですね。でも「ニュー・マイ・ノーマル」は、最早そういう次元の曲じゃなかったんですよ。さっき若井が「自分たちの曲だと思った」って言ってましたけど──別に今までも自分たちの曲だったんだぞ、とは思うんですけど(笑)──でもそういう感覚が、明らかに2人の中でナチュラルなマインドだったと思うし、ギタリストとしてこの曲をどうしよう、キーボーティストとしてという観点ではなく、自分たちの曲という観点で作っていけた作品だと思っています。
──だからこそ、雄弁に語らずとも、ファンの不安や外野の雑音までを払拭する力を持った1曲を生み出すことができたんですね。その時に、先ほど話をしてくれた「僕らのことのみを歌った」ことは、とても大きなポイントだったんですね。
大森:大きかったですし、僕らの決意、覚悟でもありました。ミセスって、ある程度はバンドのストーリーを見せてきたところがあるから、昔から僕らを応援してきてくれたファンの中には、一度そのストーリーが壊れたことに対しての戸惑いがあったんだろうなということは十分に理解しています。ただ、語弊のある言い方になっちゃうかもしれませんけど、ストーリーも大事だけど、やっぱり曲だよなって思っているんです。僕らが何を言おうが、あるいは何を言われようが、例えば「いつから再始動します」ってディザー動画を作ることがファンを安心させることではなくて、再始動した一発目の新曲が素晴らしいものであるということが、僕らがファンに対して出来る一番筋道の通った責任の取り方だし、この曲を書き始める段階から、そこへの覚悟を持って取り組んでいました。だからこそ、結構な難産でしたけど、やっぱりいい曲を書くしかないんだとすべてが腑に落ちてからは、迷いはなかったですね。
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■フェーズ1期はギターが影に徹していた
■『Unity』はギターが引っ張らないと成立しない曲も
──さらに音楽的な面で言うと、「ニュー・マイ・ノーマル」にはたくさんのシーン展開があって、まるで組曲のような構成ですよね。ただそれを歌詞だけで形にしようとするとあまりにも説明的になりすぎるし、アレンジだけで何とかしようとすると「ボヘミアン・ラプソディ」的なやや仰々しい大作になってしまう。そこを、歌詞とアレンジを入れ子のように交互に展開させていくことで、短編映画のようにさまざまなシーンをコンパクトかつポップに表現している点が見事だなと感じていて。そういったアレンジワークについても話を聞かせてください。
大森:この曲は、まずミセスらしさをきちんと出したいと思ったから、「青と夏」でもお手伝いしてくださったアレンジャーの山下(洋介)さんと一緒に編曲をしました。そして、ギターソロやキーボードソロを、2人自身の音で入れたいと思って、若井と涼ちゃんに、それぞれソロを考えてもらったんです。だからクレジット的にも、この曲のアレンジはバンド名で“Mrs. GREEN APPLE”となっているんですよ。これって久々というか、結構、今まではなかなか無かったことで。その中で、さっきおっしゃっていた歌詞とアレンジが交互に展開していく感じはすごく意図したものです。デビューしたての頃の僕らは、アレンジの中で濃淡を付けていくというか、アレンジがジェットコースターのように突き進んでいくのが面白いということでやってたんですよ。
──確かに、そこは初期ミセスの大きな魅力のひとつでしたね。
大森:それゆえに、「ミセスは爽やかなバンドだよね」と言われ続けてきた“フェーズ1”だったんです。でも自分たちの中では、“そうなのかな? そんなことないのにな”と思っていた部分もあって。だからこの曲では、より陰影が付くというか、陽と陰がはっきりするようなアレンジを考えました。ただ、そうは言っても……昨今、どのくらい歌詞がきちんと聴かれているのかわからないですけど、僕という人だったり、ミセスがなぜこういうバンドでなければいけないのかっていう部分は、アンサンブルも大事なんですけど、僕はやっぱり歌詞だと思っていて。誤解を恐れずに言うと、歌詞って、唯一替えの効かないものだと思うんです。極論を言えば、ギターやキーボードって、ずっと昔からある楽器じゃないですか。でも、僕や涼ちゃん、若井っていう人間は、今、この時代にしか生きていないわけで、そんな3人のコミュニケーションから派生して生まれてくる歌詞って、今、この3人でしか生み出せないものなんです。そういう意味でも、歌詞にはすごく重きをおいていますし、リスナーにも、そこを正しく汲み取って欲しいなという気持ちはあります。そうやって、歌詞をすごく大事にしているからこそ、その歌詞を際立たせるにはどういうアレンジがいいのかって、必然的にアレンジにもこだわっていくわけで。特に「ニュー・マイ・ノーマル」は、そういう流れでのアレンジでしたね。
──なるほど。そうすると藤澤さんと若井さんは、それぞれキーボードやギターのフレーズを考えていく際、以前とは何か意識やアプローチが変わった点はありますか?
藤澤:これまでもずっと、ミセスで大切にしてきたのは歌詞であって、以前から、この曲はどういうことを伝えたくて、このフレーズはどういうことを言ってるんだろうねっていうことを考えながらプレイしていたので、そこは変わっていない部分なのかなとも思います。ただ今回、そこを今まで以上に、例えば若井と2人で話したり、サポートメンバーの方々も含めて、スタジオでみんなと話し合うということを、また1から行いました。それで、「歌をより活かすために、ここは抑えて弾いたほうがいいよね」っていう話をして、でも実際にやってみたら、実は歌と同じくらい演奏のエネルギーを出したほうがよかったっていうこともありましたし。そういうやり取りをひとつひとつ、より丁寧にやっていったという感覚があります。
若井:その中で変わった点と言うと、ギターに関して言えば、“フェーズ1”期の曲は、ギターが影に徹することで成立していた曲がたくさんあったんです。それが『Unity』では、逆にギターが引っ張っていかないと成立しない曲やフレーズがいくつもあったので、そこは僕にとっては大きな変化だったかもしれないですね。それもやっぱり、歌詞によって“ここはギターが引っ張らないと”っていう部分であって。
──例えば、「ブルーアンビエンス (feat. Asmi)」のメロディ裏で弾いているギターは、非常にメカニカルな動きをしていて、曲が崩壊するギリギリを攻めていくような、いい意味での“変態フレーズ”が炸裂していますね(笑)。
若井:目まぐるしい感じですよね(笑)。実はギターソロよりも2番サビの中で鳴ってるフレーズのほうが断然難しいっていう(笑)。でもそこも歌詞と連動させて、目まぐるしさを表現したかったんです。
──asmiさんをフィーチャリングした「ブルーアンビエンス (feat. Asmi)」はABEMA『今日、好きになりました。』主題歌のために書き下ろしたそうですが、この曲はどのように作っていったのですか?
大森:恋愛リアリティショーの主題歌ということで、当初、制作サイドからは「ちょっとメロウで、緩やかで、ラブリーな感じ」というオーダーを受けたんです。でも僕は、ティーンの本当にリアルな恋愛を歌うのであれば、もうちょっと焦燥感があるはずだから、テンポも速くして、それをロック調で高らかに歌いたいという話をしたんです。そこから、この曲はBPM=213なんですけど、フレーズ毎にこのテンポ感の中で、asmiちゃんと餅つきのように(笑)、ずっと交互に歌っていこうと考えて。どっちかが崩れたらもう終わりっていうくらいのヒリヒリした緊張感でフレーズを作っていって、最後に若井がそれを彩るというか。しかも、グチャグチャにはならないギリギリの線で。ミックスダウンでも、「もっとアンバランスにギターを出しちゃってください」とリクエストしたりして、あえてアンバランスさを意識しました。思春期って、そういうアンバランスさで成り立っていると思うんですよ。だからこの曲は、すべてにおいてアンバランスなバランス感を目指して作りました。
藤澤:しかも楽器をやってる学生さんだったら、みんなコピーしたくなるようなフレーズで。だけど実際にやってみたら、めちゃくちゃ難しかったっていうタイプの曲です(笑)。
若井:ぜひコピーして欲しいですね(笑)。
──シンセやピアノの音色も、これまでのミセスではあまり耳にしなかったようなサウンドが使われていて。
藤澤:そうですね。(響きを短く切った)リリースカットピアノは今までやったことがなくて。これまで弾いてきたようなピアノのコード弾きとは全然違うアプローチだったので、すごく新鮮で、レコーディングも楽しかったです。
大森:最初は普通にキーボードで弾こうとしたんだよね?
藤澤:そうそう。
大森:でも、「いやいや、もうリリースなんていりませんから」と言って(笑)。
藤澤:逆に今まで弾いてきたペダルを使うような響きのあるピアノだったら、絶対にこの曲には合わなかったと思っていて。ある意味で、ピアノ的には御法度的な弾き方のほうが、この曲にはすごくマッチするんです。そこが面白かったですね。ちょっとピアノを弾いている感覚ではなかったし。
大森:打楽器に近かったね。
藤澤:そう、よりパーカッション的なピアノでした。
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■ミセスらしいコードチェンジがいっぱい
■サビなんか毎回コード進行が違うんですよ
──収録曲順としては前後しますが、先日ミュージックビデオが公開されたばかりの「ダンスホール」も、フジテレビ系『めざまし8』のテーマソングとして書き下ろされた曲ですよね。現代的なダンスミュージックとはひと味もふた味も違う、’70年代ソウルやファンクを感じさせるテイストが興味深かったです。
大森:番組側からのオーダーとしては、「朝だから爽やかに」といった話があった記憶はあるんですけど、そんなに細かなリクエストはなくて。
スタッフ:“毎日の朝を、元気に、前向きに”という歌詞のテーマがひとつあって、あとは番組のプロデューサーさんからのリファレンスとして、Mrs. GREEN APPLEの「Love me, Love you」が好きだというお話がありました。
大森:最初のミーティングでそういう話があったんですけど、ただ、今って戦争も起きているし、コロナもまだ収まっていないし、世界情勢的には圧倒的に“大丈夫じゃない”毎日じゃないですか。悲しいことだらけなんだけども、そんな中で毎日、朝に流れる音楽をポップに彩らなければならないとなった時に、無責任なポップではダメだと思ったんです。無責任な“大丈夫、そのままやっちゃえ!”ではなくて、“大丈夫って言ってみようよ”ということを歌おう、と。歌詞の中身は、前向きなことを言っている部分とそうでない部分とがあって、実はシニカルな側面もあるんですけど、“世界はダンスホールだから踊っていようよ”という内容にして。音楽的には、リファレンスに挙げていただいた「Love me, Love you」はビッグバンド的なショービズっぽい音楽ですけど、「ダンスホール」は、もう思い切りファンクにして。マイケル・ジャクソンではないけど、ああいう軽快な曲って、意外とこれまでミセスではやったことのなかったジャンル。それを、従来通りのオールドな感じにはならないように、ベースをちょっと打ち込みっぽくしてみたり、ドラムをすごく響きの少ないデッドな空間で録ったりして、なるべく今のデスクトップミュージックと融合したようなサウンド感にできるといいなと思って作っていきました。
──ちなみにみなさんは、以前からファンクやソウルは聴いていたのですか?
大森:いや、それが聴いてなかったんです。
──みなさんの今の年齢で、’70年代のファンクやソウルを聴くと、率直にどういう風に聴こえましたか?
大森:シンプルだよね。
藤澤:うん、シンプル。
大森:すごくシンプルで、もうグルーヴでしかない、というか。ジャクソン5もそうですけど、曲の構成うんぬんというよりも、とてもシンプルな中で、それぞれのフレーズのユーモアさが曲を彩っているという印象でした。でも、ものすごくテクニカルだよね?
若井:そうそう。そこが難しい。
大森:プレイ自体はとても技術的ですよね。
──特にファンクはギターカッティングのノリが肝になりますよね。
大森:カッティングに関しては、割と昔から若井が“イケますよ”みたいな顔をしているので(笑)、今回、“じゃあやってみようよ”という感じで(笑)。
若井:あはは(笑)。この曲は、リードパートもバッキングパートも、ほとんど僕が弾いているんです。元貴はベースとなるラインを弾いていて。
大森:すげぇ歪んでるギターが僕です。後ろのほうで幕のように鳴っていて、ちょっと音圧感を出しているギター。僕はそれしか弾いてなくて、チャカチャカ系のカッティングは、すべて若井がやってるんですよ。
若井:バッキングまで僕が弾いた曲は、ほぼ初めてなんじゃないかな。そうなった時に、この曲が持っている小気味の良さというか、身体が勝手にノッちゃうようなリズム感をカッティングで生み出すのはとても大変でしたけど、でもそれが楽しくもあって。あのカッティングの感じは、ジャクソン5とかいろいろと聴いて参考にしました。
──ミュージックビデオで披露したキレッキレのダンスは、まさしく活動休止期間中のダンスレッスンの賜物だと思いますが、そのダンスレッスンで身につけたリズム感も、特にこういうファンクな曲ではものすごく演奏面にフィードバックさせることができたのでは?
若井:めちゃくちゃ活かせたと思います!
大森:そう、究極の“楽器を持たない楽器練習法”みたいなものでしたからね。活動休止中にやったダンスレッスンは。
藤澤:本当にそうだよね。
──ピアノに関しても、もちろんクラシックとはまったく違うプレイスタイルですよね。
藤澤:そうなんですよ。こういう曲こそ一番難しいなと感じました。まさしくクラシックとはまったく違うので、とにかくもうみんなと呼吸を合わせて、ポップなんだけど、実はすごくタイトにリズムを取り続けることが肝でしたね。なおかつ、その中にミセスらしいコードチェンジがいっぱいあるという。サビなんか、毎回コード進行が違うんですよ。
若井:ミセスあるある(笑)。
藤澤:そこも頭にインプットしながら、でもリズミカルなプレイを心がけて。サウンド的にも、すごくありのままにギターとピアノの音が前面に出てくるので、そういった部分でも、今までのレコーディングとはちょっと違う感覚がありましたね。
大森:難しいことを考えずに聴いてもらえる曲って、今までのミセスの中にはあんまりなくて。そういう意味でも、すごく間口の広い楽曲になったと思います。実際に、“ミセスはよく知らないけど、この曲は好き”っていう声も耳にしていますし。そこはやっぱり、朝の情報番組とタイアップできたということも含めて、この曲を作ってよかったと思っています。さっき話はバンドのストーリーうんぬんとは全然違う流れで、純粋に“楽曲としていいものを作ろう”という明確な意図があっての制作でしたから、それが実現できたのでよかったなって思っています。
──もうひとつのタイアップ曲が、ゲームアプリ 『炎炎ノ消防隊 炎舞ノ章』テーマソングに起用された「延々」。これはドラムがすごく歪んでいたりして、ハードなバンドサウンドですよね。
大森:これ、パワー感があってカッコいいですよね(笑)。元々、2019年に僕らはTVアニメ『炎炎ノ消防隊』の第一期オープニング主題歌として「インフェルノ」を書き下ろしたんです。このTVアニメが、コロナの影響もあったのかもしれないですけど、世界中のすごく幅広い人たちにミセスのことを知ってもらえるきっかけになったんですね。そのゲームアプリが出るということで、またタッグを組ませていただくことになった時に、「インフェルノ」っていう僕らにとってもすごく大きな曲の次の一手として、「インフェルノ」のスピンオフ的な曲を書いてみたらどうなるのかなって考えたんです。そこで、例えば「インフェルノ」が赤い炎だったら、「延々」は緑の炎のイメージというように差別化をしていきながら、「インフェルノ」の制作時には、僕らがまだ表現できなかった、もっとガンガン突っ込んでいくビート感だったり、ギターがずっと16分で刻んでるようなクレージーなフレーズを入れていったらどうだろうか?という感じで作っていきました。だからこの曲は、“こういうものを作りたい”という明確なヴィジョンがあった感じではなく、その場で浮かんだアイデアをどんどん採り入れながら作っていった感じでした。
──ロックなバンド感もあれば、コンピューター上で波形を切り刻むことで生み出すエディット感も活かされていて、しかもリズムがトリッキーだったりして。
若井:2サビ後の間奏とか、そうですよね。
──そういうギミック色が満載の曲ですね。
藤澤:僕のピアノも、最初は普通に弾いて録ろうと思っていたんですけど、レコーディングの当日、若井がギターを録音している最中に、元貴と「このピアノ、打ち込みのほうが面白いんじゃない?」みたいな話をして。それで、若井がギター弾いている隣で、僕はパソコンに向かって自分のピアノフレーズを打ち込みで作ったんです。音のエフェクト処理まで自分でやって。クラシカルなフレーズをあえて打ち込みで鳴らすっていう、というまさしくギミカルなピアノになっています。
大森:メロディ的にはすごくヒューマニティが溢れているんですけど、プレイとしてはヒューマンな要素を完全に抜いたっていうところが面白いし、それをレコーディング当日に話したっていうのが、何よりヤバいよね(笑)。
──ラスサビで突然アコギが出てくる感じも斬新で。ああいうアイデアって、どうやって思い付くのですか?
大森:あれもスタジオで、その場で浮かんだアイデアですよ。「ここでアコギが入ってきたら、これ、頭おかしいでしょ」って(笑)。しかも、その後のアウトロを「インフェルノ」とまったく同じにするとか。キーは違うんですけど、アクセントの取り方が全部「インフェルノ」だったりするんですよ。
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■変わってしまったところ、変わらないところ
■変われなかったところ、いろんな今が観られる
──そして残り2曲は、『Unity』がリリースされてリスナーは初めて耳にすることになると思いますが、まず「君を知らない」を聴いた率直な印象は、ボーカルの大森さんだけでなく、若井さんはギター、藤澤さんはキーボードと、それぞれの楽器で3人ともが歌っているように聴こえたんです。
若井:わぁ、そうですか。
藤澤:それは嬉しいですね。
大森:この曲は、「ニュー・マイ・ノーマル」より前に、何となくの形では作っていたんです。歪んだ愛情だったり、そういう題材がすごく面白いと思ったので、どうしても『Unity』に入れたくて、そこから本腰を入れてアレンジしました。1番サビ後の間奏に若井のギターがあって、元々は2番のサビの後も、実は普通にそのままギターリフが続いていたんです。でもこれはやっぱり1番と2番でモチーフとなる楽器を変えようと思って。それが3人編成になった今のミセスならではのアレンジだと感じたんです。フレーズ自体は、ギターのリフと同じリフレインなんですけど、まずギターが担って、次にキーボードが担うっていう曲は聴いたことないなと思って、そこからアレンジをしていきました。曲の題材が、一人のこじんまりとしたものでしたから、その分、バンドのアンサンブルに求めるものは大きくて。それで、サポートメンバーさんも含めて、僕以外のメンバーでスタジオに入ってもらってアンサンブルを練ってもらったりして、曲の温度感をとても大事に作っていきました。
藤澤:その元貴抜きのスタジオで、実は先ほど話したように、「この曲は歌を大切に考えて、歌にバンドが寄り添うような、熱量を一歩引いた演奏がいいんじゃないか」って、スタジオでアンサンブルを固めていたんですけど……。
大森:丸一日かけて固めた次の日に(笑)。
藤澤:大森先生に来ていただいて(笑)。そこで演奏を聴いてもらったら、「いやいや、そうじゃない。何をやってるんだ」と(笑)。
大森:みんなは頭で考えて、左脳的な部分でこの曲と向き合っていたんですよ。でも、歌詞を読んでもらえるとわかると思うんですけど、題材的にはもっと右脳じゃないといけないという話をみんなにしたんです。アレンジ自体はきれいにまとまっているんだから、マインドの部分で“ここは元貴に譲ろう”とか、そんなことをしなくてよくて。バンドがものすごく強いパワーでいてくれたほうが、僕もボーカルとしてみんなと勝負出来るから、そういうヒリヒリ感の中でこの曲を録りたかったんです。だからスタジオで、「頭で考えるな」という話をして。
若井:じゃあ、各々が持っている「君を知らない」の歌詞にリンクする感情を思いっきり演奏にぶつけてみようということになって。
藤澤:そうだったね。それで、まずは話し合いをして。
若井:うん。「この歌詞のところは、オレはこう思うんだよね」みたいなことを全員で話して。そこから演奏がどんどん良くなったし、そこでアンサンブルが一気に固まった気がしました。
──そういったやり取りがあったからこそなんでしょうが、やろうと思えば、いくらでも普通のバラードにもできる曲を、あえてありきたりな方向性に行かないあたりが、とてもミセスらしくもあると同時に、これが新しいミセスなのかとも思える、何か不思議なテイストでした。
大森:そうなんですよ。しかも、例えばガーッと歪んだギターで、みんなで“せーの!”で演奏すれば、全然エモロックにもなるし。だから、自分でもジャンルがわからない曲なんです。でも音源に収めたこのアレンジが、今のミセスなのかなって思います。
▲『Unity』通常盤
──そしてラストを飾る「Part of me」についてはどうですか?
藤澤:この曲は、元貴が珍しく……というか、今までにないくらいデモ作りにものすごく時間をかけていて。これまでって、まずデモを作って、そこから“どう曲を広げていこうか?”と考えていく流れだったんですけど、そもそもの歌詞と曲のベースとなる楽器のラインを並べる作業段階で、元貴がとてもこだわって作っていて。その様子を見ていたからこそ、レコーディングでは演奏者として、ものすごく責任やプレッシャーを感じました。ピアノのフレーズそのものは、いわゆる演奏テクニック的にめちゃくちゃ難しいとかってわけではないんですよ。でも、この曲で元貴が歌おうとしていること、それこそ1つのコードに対して、そこで歌っていることは一体どういうことなんだろうと考えた時に、ほんのわずかでも自分の気持ちにブレがあるとこの曲をきちんと表現できないと思ったんです。ですから、本当にレコーディングの最後の最後まで、表現するってどういうことなんだろうと考えながらピアノと向き合った曲でした。2番からはギターも入ってくるんですけど、レコーディングも実際に2人で、息を合わせながら演奏をして。
若井:そうそう。2人だけで一緒にスタジオに入って同時に録るのって、初めてだったよね。
藤澤:そうだね。それも今の自分たちだからこそできたスタイルなのかなって、レコーディングしながら、そう感じました。
若井:僕は2番から入っていって、最初は指弾きの優しいタッチでギターを弾いていて、途中からファズっぽい歪んだ音で重ねていくんですけど、僕は僕で、各セクションでの感情の揺れをギターでどう表現したらいいんだろうという点にものすごく向き合いました。涼ちゃんも言っていましたけど、元貴が本当に時間をかけて、頭を抱えながら作っていたので、その分、自分たちがどういう演奏でこの曲を表現するのが正解なのか、そこをものすごく考えて挑んだレコーディングでした。
──大森さん自身は、これまでも歌詞やメロディを書く際、幾度となく生みの苦しみを味わってきたと思いますが、「Part of me」での苦悩は、“フェーズ1”でのものとはまた違うものでしたか?
大森:フェーズの違いと関係があるのかどうかはわかりませんが、「Part of me」に関しては、他の曲とは圧倒的に違う感覚でしたね。この曲で書かなければいけないと思った題材はかなり大きなもので、そこに向き合ってみたら……レコーディングスケジュールを初めて飛ばしたんですよ。ミセス史上、それは初めてのことで。
──それは、納得いく歌詞が書けなかったということ?
大森:書けないわけじゃないんだけど、題材の中に僕がスーッと入っていっちゃうと、僕のメンタルがやられるのが先か、曲ができるのが先かというようなサバイバルゲームが始まってしまうように思えて、これはヤバいと思ったんです。
──心の奥底を突き詰めていく中で、そこに自分自身が飲み込まれてしまいそうだった、と。
大森:それで、レーベルの人に付き添ってもらって曲を制作するという、初めてのことをやったんです。それくらいのところまで、気持ちがグーッと落ちていって。本当にその時は、水も飲まないで、修行僧みたいな状態でこの曲を書いていたんですよ。だからそれを横目で見ていた2人は、ものすごいプレッシャーに感じただろうなと思います。でも、この曲も嘘偽りは一切ないし、外側へアプローチする他の曲がすごく派手になっていく分、振り子の反動のように自分の内側にあるコアな部分をより強く示していかなきゃいけないというか、自分たちに対してもそれを叩き込んでいかなきゃいけないという意味で、今、このタイミングで「Part of me」を歌うべきだと思っていたので、そこまでしながら歌詞を書き上げたんです。
──そういう苦悩の中で、歌詞が書けない、あるいは“いや、これじゃない”という時と、“これで完成した”と思える時との境界線、もっと平たく言えば、“よし!”と満足できる歌詞と、“ダメだ”と思う歌詞の判断基準って、大森さんの中ではどういうものなのですか?
大森:そうですね……逆の基準で説明するなら、“これは別に僕が書かなくていいな”と思うものは歌わない、ということです。“この歌詞は、僕じゃなくても、きっとどこかの誰かが歌っているだろうな”っていうものではない、自分が書くべき言葉を探すことが今の自分の中での基準ですね。前までは、鮮度が基準だったんですよ。できた曲、フレーズ、歌詞、その時に思い浮かんだものすべてが美しいという美学で鮮度を大事にしたから、例えば「青と夏」は2時間で作ったし、「点描の唄」は30分で作り上げました。そんなタイム感でずっと進んできたんですけど、今回は鮮度ではなく、純度を大事にしたいと思って、初めてその基準を掲げたんです。もちろん、どちらがどうという話ではないんですけど、純度を大事にするからには、ベターな言葉ではなく、自分の中で圧倒的にベストと言えるような言い回し、フレーズ、メロディを探していく作業をして。
▲<Mrs. GREEN APPLE ARENA SHOW “Utopia” supported by PIA 50th Anniversary>
──なるほど。そのサウンドが、ミニ・アルバム『Unity』のエピローグであるのと同時に、次なるフル・アルバムのプロローグでもあるかのような、そんな期待感にもつながりました。そしてこれら『Unity』の収録曲もきっと披露されるであろう“フェーズ2”初ライブが、いよいよデビュー記念日の7月8日に迫っています。最後に、このライブを心待ちにしているファンのみなさんに3人からメッセージをお願いします。
若井:直接ファンのみなさんと会うのは、本当に2年半ぶりくらいなので、まず何よりも「ただいま」と「ありがとう」を伝えたいなと思っています。今回のライブは、ものすごくビックリする……あ、これは言っちゃいけないのか(笑)。えっと、楽しみにしていてください(笑)。
藤澤:あはは(笑)。当日、会場に来てくれる方々はもちろん、ライブビューイングだったり、配信だったり、いろんなスタイルで見てくれるみなさん全員に楽しんで欲しいですし、ずっと昔から応援してくれている人たちも、活動休止期間中にミセスを知ったよっていう人たちにも、みんなに喜んでもらえて、心から楽しんでもらえる、そんなライブにしたいと思っています。
大森:“フェーズ2”になって、変わってしまったところと、変わらないところ、そして変われなかったところ、そういった“今”のミセスのいろんな部分がみられるライブになると思うんですよ。もちろん、“どんなライブになるんだろう”って不安な気持ちで会場に来られる方や、画面に向かう方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、僕ら自身、まったくもって同じ不安な気持ちを抱えている中で(笑)、だけど希望を持ってステージに挑もうとしているので、ものすごいエネルギーが渦巻くライブになるんじゃないかなって思っています。セットリストに関しては、もう絶対に誰も想像できないようなものになっていて。昨日も「こんなセトリ、誰も予想できないよね」って3人で話してたんですよ。だから本当に、7月8日をみんな楽しみにしていて欲しいなって思っています。
取材・文◎布施雄一郎
■デジタルリリース
▼ミニアルバム『Unity』
2022年7月7日(木)0:00配信開始
https://lnk.to/unity_mga
▼デジタルシングル「ブルーアンビエンス(feat. asmi)」
2022年6月14日(火)0:00配信開始
https://lnk.to/mga_ba
▼デジタルシングル「ダンスホール」2022年5月24日(火)0:00配信開始
https://lnk.to/mga_dh
▼デジタルシングル「ニュー・マイ・ノーマル」
2022年3月18日(金)21:00配信開始
https://lnk.to/mga_nmn
■ミニアルバム『Unity』
2022年7月8日(金)リリース【完全生産限定盤(CD+DVD+GOODS)】UPCH-29432 ¥6,600(税込)
※BOX仕様:縦241mm 横193mm 高さ64mm
【初回限定盤(CD+DVD)】UPCH-29433 ¥2,530(税込)
※2折デジパック仕様:トールサイズ
【通常盤(CD)】UPCH-20620 ¥1,980(税込)
▼CD収録内容
1. ニュー・マイ・ノーマル
2. ダンスホール ※フジテレビ系全国28局ネット『めざまし8』テーマ曲
3. ブルーアンビエンス(feat. asmi) ※ABEMA『今日、好きになりました。』主題歌
4. 君を知らない
5. 延々 ※ゲームアプリ『炎炎ノ消防隊 炎舞ノ章』テーマソング
6. Part of me
▼完全生産限定盤GOODS
(1) ビッグシルエットTシャツ (ワンサイズ)
(2) スマホloopリボンストラップ&ステッカーセット(ステッカー7種)
▼完全生産限定盤 / 初回限定盤特典DVD
「ニュー・マイ・ノーマル」Music Video(Album Edition)、フェーズ2開幕への歩みを追ったドキュメント映像ほか収録予定

▼チェーン別オリジナル特典
・ユニバーサルミュージックストア:告知ポスター(B2)& クリアファイル(B5)
・タワーレコード:ポスター タワーレコードver.(B2)
・HMV:ポスター HMV ver.(B2)
・TSUTAYA:ポスター TSUTAYA ver.(B2)
・セブンネット:モバイルスタンドキーホルダー
・楽天:アクリルキーホルダー
・amazon:メガジャケ
・応援店特典:ポストカード
※応援店特典は、オリジナル特典が付く店舗、オンラインショップは対象外となります。
※特典は先着となり数に限りがございます。
※特典は一部取り扱いのない店舗がございます。ご予約の際ご確認ください。
■<Mrs. GREEN APPLE ARENA SHOW “Utopia” supported by PIA 50th Anniversary>
2022年7月8日(金) 神奈川・ぴあアリーナMM
open17:30 / start19:00
▼チケット
全席指定¥9,200 (前売・税込)
※記念すべきデビュー日にフェーズ2初となる一夜限りのアリーナ公演開催
※全国映画館でのLIVE VIEWING、PIA LIVE STREAMでの生配信、WOWOWでの生中継が決定
https://mrsgreenapple.com/contents/530414
■<Mrs. GREEN APPLE プライム会員限定 特別ライブ>
Amazon「プライムデー」:7月12日(火)〜13日(水) 48時間
プライム会員限定 特別ライブ:7月19日(火)実施 ※抽選で250組500名をご招待
※詳しくはキャンペーン詳細ページにて
Amazon Music Japanチャンネル:https://www.twitch.tv/amazonmusicjp
キャンペーン詳細ページ:https://www.amazon.co.jp/b/?node=10523766051
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