警察でこんなにも違う!「キャリア組」対「ノンキャリア組」出世の仕方!

どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。

ドラマや映画などでよく「キャリア組」と「ノンキャリア組」という言葉を耳にすることがあると思います。

25万人いる警察官のうち、キャリア組は全国でわずか。ノンキャリア(以降、ノンキャリ)は警察学校からスタートするものになります。いわゆるお巡りさんである交番勤務の《巡査》からはじまるわけですね。一方、キャリア組は23歳で警部補入庁するというその差について、今回は元警察官のN氏(51歳)に解説していただきます。

国家公務員総合職試験に合格できるのはたった500名!

丸野(以下、丸)「キャリアとノンキャリ、その違いは何なんですか?

N氏「簡単にいってしまうと、一流大学出でなるのがキャリア組、高卒で警官になったのがノンキャリですね。キャリア組は、国家公務員総合職試験に合格して、将来警察庁の長官になることも夢ではないという本社勤務者。合格者は全国で500人程度しかいません。それとは対照的に、ノンキャリアはまさに叩き上げ。これは高卒者だけではなく、大卒者もノンキャリになる場合もあります。キャリアイコール有資格者、ノンキャリに関しては地方支社で靴をすり減らして働く従事者のような存在です」

丸「Nさんはどこに位置していたんですか?」

N氏「私もご多分に漏れず、三流大学卒業のノンキャリアです。昇進試験を必死になって受け続け、巡査部長にまではなれましたが、そのあとはしがない刑事。夢もないので、今では退職して、妻と街のパン屋を営んでいます。こっちの方が、私には充実した毎日なんです」

丸「危険なところにも配属されるわけですものね」

N氏「ええ。命の危険とも隣り合わせな商売なので、退職したときは妻も喜んでいましたよ」

霞が関の中央官庁でも《超エリート》といわれるキャリア組

丸「毎年キャリア組は何名ほど採用されるのでしょうか」

N氏「ほとんどが東大法学部出身。国家公務員試験では上位合格者約10数名が採用されます。さらに先輩と後輩というつながりがあることも関係があるんですね。キャリアの多くは叩き上げのノンキャリとは違う“育ちの良さ”があります。お嬢さんやお坊ちゃんが多いということで、ノンキャリの中には、将来警視総監、警察庁長官になる彼らに取り入るものまでいますよ」

丸「なるほど」

N氏「意外なことですが、機動隊員で出世する人材もいます。ノンキャリなんですが……

丸「え、なぜですか?」

機動隊員が認められて出世コースにのる場合もある

N氏「ノンキャリの中で出世コースにのる場合がある者の中は大卒採用者ですが、早期昇進する者はサイバー課、公安に所属する者も多いです。しかし、昇進が早すぎるとその仕事内容を理解しないまま昇進してしまうので、その下の部下はパニックになります。しかし、専門性がない機動隊員であれば、毎日の訓練で予備知識を掴むことができます、だからこそ、優秀な機動隊員は昇進が早いんですよ。出世なんて考えずにやりたい専門性の高い仕事を選べば、出世はあきらめた方がいいですね」

丸「叩き上げが認められることがあるということですね?

N氏「まぁそういうことですね」

20代後半で警部補になれるノンキャリもいる

丸「巡査から出世するということもあるということなんですね」

N氏「高卒などを問わずに出世をするのであれば、昇進試験にすべてパスすることです。よくドラマにありますよね。警察官の仕事をバリバリやらずに、受験勉強ばかりしている若手刑事の姿が……。あれは本当なんですよ。“あの野郎、昇進試験ばかりしやがって”とベテランは言い捨てますが、勉強していい点数を揚げる方が出世に近いということです。しかし、やはり出世がしたいのであれば、やはり大卒。ノンキャリは警察学校を卒業して4年の実務経験が必要にはなりますが、大卒者は違う。たった2年の実務ですみます。早ければ、巡査部長に最短でなることができます」

丸「ということは、18歳で警察学校に入り、19歳で卒業後配属(卒配)。21歳で巡査部長の昇任試験をうけることができるるということですね?

N氏「それに、高卒者でも、大卒者も最短27歳で警部補への道が拓けるなど、努力次第でその門戸は拓かれています。さらに、どちらも31歳で警部補に昇進できるという道もあり、すべては自分の頭と腕次第というわけですね」

N氏の話では交通系の警官でも警視総監になった例もあるとのこと。

逆に、捜査4課※マル暴(現在はソタイ=組織対策犯罪課)であれば、反社会勢力との癒着に近い立場となります。そうなった場合は出世コースから除外されることもあるそうです。警察官と言えども、それなりに誘惑が多い業種。ハニートラップや汚職などで足元を掬われることも多いとのこと。

市民の治安を守る警察官も様々な邪魔が数多く入るということで、途中放棄する元警察官も多いようですね。

(C)写真AC

(執筆者: 丸野裕行)

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