「尊い」「素晴らしき百合」 マンガ『白ギャルと黒ギャルの誘惑』が描いた「他の人とかまぢ関係なくね?」精神

『ギャルだくみ!』『終末、ギャルと旅ってみた。』など、ギャルをテーマにした作品を世に
送り出している白石浩平さん(@shirox_em)が、Twitterで更新を続けていたマンガ『白ギャルと黒ギャルの誘惑』。オタクくんにちょっかいを出している白ギャルの玲と黒ギャルの菜露ですが、実は菜露が玲に恋心を抱いていて…というストーリーが展開されているのですが、ここではそんな二人の花見の話を紹介します。

春。「今年ちょ〜”花モり”らしいよ!」「…花盛りですかね…?」といつものようにオタクくんに絡む二人。「オタクく〜ん、ウチらと花見行くっしょ?」という玲。一方の菜露は「やっぱオタクはアタシの手助けしてる…! 否定してたけど、今までの行動は明らかに…」と思っています。それをよそに「いやまじ超花盛りの場所あってさ〜」と話している玲に、オタクくんは……。

「わかりました。行きます、花見」というオタクくんの言葉に「―ん?」となった菜露。「じゃあもう行きますか」と続けるオタクくんに「今なんて…、…え、まじで―」とぼう然。玲とオタクくんが並ぶ様子に、「あー…、そだよね。オタクとギャル? めっちゃいいじゃん! 最高だよ!」と自分に言い聞かせますが……。

玲の手首を掴んで「アタシ二人で行きたい…。アタシと玲の二人で…!」と本音を伝えた菜露。玲は手をつなぎ直して、「そんなの…、行くしかないっしょ。菜露の誘いだし」と笑顔を見せます。教室に残っているオタクくん、窓越しに桜とふたりを眺めて、「ほんとだ…。超花盛り」と穏やかに笑います。

ギャルの魅力について、「たくさんありますが、主に“楽観性“と”主観性”だと思います。簡単に言うと“まぁいけるっしょ”精神と”他の人とかまぢ関係なくね?”精神です」という白石さん。「私自身が、他人の気持ちを気にしすぎたり、今の状況を客観視しすぎたりする性格なので、その対極に位置するギャルをヒロイックな存在だと感じていました。他の人の意見に左右されず、言いたいことを言い、着たい服を着て、したいことをする。そういうのが嫌な人もいるし、当然他人に迷惑をかけてはいけないと思いますが、そういうマインドを持つだけで抑圧されてきたように感じてきた気持ちが一気に救われる瞬間があって、だからこそギャルが存在してくれることが非常に有難いのだと思います。いろいろ言いましたがとりま超最高ってことです」と語ります。

「尊い」「素晴らしき百合」といった反応のほかに、オタクくんに対して「君のおかげで咲き誇った」と労いの声も上がっていたこのマンガ。白石さんは「終わりを悲しく思って下さっていることも嬉しいですが、何年もかけた連載じゃないからこそ、最後までしっかり見届けて、菜露の成長やオタクくんのブレなさを感じて喜んでくれた方も多い印象で素直にありがたいです」と話してくれました。

書籍化が決定し、2022年8月12日に刊行となる『白ギャルと黒ギャルの誘惑』。白石さんは「とても嬉しいです!初めての連載作品なので、自分頑張ったなぁと誇りに思う気持ちもありますが、やっぱりそれを支えてくれたのは読者の方の反応だったので、そのお礼になるよう良き本にできればと思います」といい、「描き下ろしなどもいろいろ用意しています。また、ギャルらしく夏に発売するということで、皆様の夏をブチ上げるお供にして頂ければと思います」とのことなので、ギャルものが好きな人はチェックしておきたいところです。

※画像はTwitterより
https://twitter.com/shirox_em [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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