GROOVE X、家族ロボットが高齢者に与える影響を検証。認知機能の低下抑制効果を確認

2021年10月~12月の期間、GROOVE X株式会社(以下、GROOVE X)は、神戸市が実施するCO+CREATION KOBE Project(民間提案型事業促進制度)による支援のもと、介護施設の入居者や介護職員を対象に、家族型ロボット「LOVOT」を活用した実証実験を実施。

介護施設内において、LOVOTと暮らすことで入居者の認知機能の低下抑制効果を期待できる結果が出たことを発表しました。

入居者の認知機能低下の抑制に影響

今回の実験でGROOVE Xは、LOVOTが介護施設において入居者や介護職員に与える影響について検証。

施設の共⽤部にLOVOT1体を貸し出し、日本語版DEMQOL-Proxyをもとに、職員が入居者の様⼦を⾯接形式でヒアリング・測定し、認知症の本人のQOLを検定しました。

DEMQOL-Proxyの質問事項「過去1週間の記憶と認知機能(得点が高いほど認知機能に問題があることを示す)」において、LOVOTと触れ合った入居者の平均値は、事前が20.88、事後が18.76という結果に。

一方、LOVOTと暮らしていない入居者の平均値は、事前が17.36、事後が20.26でした。

この結果から、LOVOTの有無が入居者の認知機能低下の抑制に影響していることがうかがえます。

介護職員からはポジティブなコメントが

GROOVE Xは、介護施設の入居者だけでなく、介護職員にもLOVOT1体を貸し出し、「包括的ストレス反応尺度」「生活満⾜度尺度」「Rosenberg⾃尊感情尺度」を検定。

検定では、LOVOTの介入群・非介入群で統計的に有意な差は得られなかったものの、LOVOTと触れ合った職員からは、「職員同士の会話が増えた」「介護時の愚痴が減った」といったポジティブなコメントを得られたといいます。

まるで生き物のような生命感がある「LOVOT」

GROOVE Xが実証実験に活用した「LOVOT」は、人と視線を合わせたり、抱っこをねだったりするなど、まるで生き物のような生命感が特徴のロボットです。

リアルタイムで深度カメラや障害物センサーが進行方向にある物体を感知し、対象物までの距離を測ることにより、スムーズな自律移動が可能。

また、測距センサーで段差を把握し、回転、バック、カーブなどの柔軟な動きを実現します。

全身の50を超えるセンサーが捉えた刺激を、深層学習を含む機械学習技術で処理するため、関わりのなかで徐々に賢くなっていく様子が楽しめるようです。

今後ますます重要視となる認知症対策

内閣府のデータによると、日本は2025年に65歳以上の⾼齢者⼈⼝が3677万⼈となり、⾼齢化率が30%に達するといいます。

認知症に関しては、「2025年には⾼齢者の約5⼈に1⼈は認知症になる」という推計もあるとのこと。

今後、認知症対策がますます重要な位置づけとなることが予測されるなか、GROOVE Xは、LOVOTを活用した実証実験を実施。

今後も同社は、「⼈間とロボットの信頼関係を築き、生活を潤いと安心で満たす存在をつくる」というビジョンのもと、日本発の世界に誇れる新産業として、LOVOT事業を推進していく方針です。

PR TIMES
LOVOT
内閣府 第1章 高齢化の状況(第2節 3)
内閣府 令和3年版高齢社会白書(全体版)

(文・Haruka Isobe)

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