ドラマ『ムーンナイト』過去名作と共通する、人々が多重人格の主人公に惹かれる理由って?

マーベル・スタジオが新たに贈る最新ドラマシリーズ『ムーンナイト』が毎週 水曜日16時よりディズニー公式動画配信サービス Disney+(ディズニープラ ス)独占で日米同時配信中。

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)史上最もミステリアスな、“複数の人格”をもつ闇のヒーロー〈ム ーンナイト〉を描く本作。配信されるや否や、SNSでは「オスカー・アイザックの演技やばすぎ・・・!」、「先が読めなさ過ぎて面白い!」など話題となっていますが、この度監督らの証言により、観る者が多重人格の主人公に惹かれてしまう理由は〈主演俳 優の圧巻の演じ分け〉と〈予測できないストーリー展開〉であることが判明。さらに、それらは多重人格を題材とした、過去の名作との共通点でもあります。

本作の主人公は、国立博物館のギフトショップで働く、穏やかな男スティーヴン・グラント。夜通し、身に覚えのない“狂気 にみちた残酷”な記憶に怯えていたが、それは自身の内に存在する凶暴な人格マーク・スペクターが原因であることを知ります。

マークに“ある力”が宿るとき、純白のスーツに身を包んだ闇のヒーロー〈ムーンナイト〉が誕生。劇中では、「スター・ウォ ーズ」シリーズ、『X-MEN:アポカリプス』などで知られるオスカー・アイザックの、“複数の人格”の見事な演じ分けが垣間見えますが、監督を務めたモハメド・ディアブは、過去の多重人格を題材とした名作たちから大きな影響を受けていたようで、「この作品を作るにあたって、多重人格の映画はほとんど観たよ。中でも『ファイト・クラブ』、『スプリット』は素晴らしかったね。これらの作品が、このストーリーにさらなる深みを足してくれた。間違いなく、過去の名作たちから大きな影響を受けているよ」と、熱心な研究を経て誕生していたことを明かしています。

エドワード・ノートン、ブラッド・ピット主演の映画『ファイト・クラブ』は、不眠症に悩む“僕”と、もう一つの人格“タイラー”との、友情と葛藤を描く作品。全く予測できない多重人格ならではの結末に 全世界が驚愕した。そんな不朽の名作の影響を受けた監督は「観る人は主人公と同じく、頭が混乱しているように感じると 思う。主人公の意識がなくなり、突然真っ暗になって違う場所に移動したりする。その合間合間に、アクションや、少しのホラー 要素を入れ込んでいるんだ」と、本作のストーリー展開を解説。

第一話では、突然意識を失ったかと思えば、銃を握ってトラックを運転していたりなど、身の周りで起こっていることが理解できず困惑するスティーヴンが描かれており、そんな多重人格だからこそ作り出せるストーリー展開がこのドラマの魅力でした。

『シックス・センス』のナイト・シャマラン監督が手掛けた映画『スプリット』は、「X-MEN」シリーズで知られるジェームズ・マカヴォイが23もの人格を見事に演じ分け、その怪演が作り出す世界観に観る者は惹きこまれました。

マークの妻:レイラを演じたメイ・キャラマウィは「オスカーはいくつかの役を上手にこなしていたわ。全ての役を自然かつ、リアルに表現していた の。マークの周りにいるときは少し警戒するし、スティーヴンの周りにいるときは、優しく、陽気な雰囲気で居られる。彼は〈ムー ンナイト〉を見事に体現していたわ」と、オスカーの圧巻の演技を説明した。本編では、主人公が鏡に反射する別人格と会話 をするシーンが多々あり、オスカー1人で演じているとは思えない見事な演じ分けが描かれているのです。

「多重人格で、そこからいくつかのヒーローになれるというアイディアは、MCUの新しいドアを開けてくれたんだ」と、監督は過去名作たちより着想を得て誕生した新ヒーローの新鮮さを語っているが、“複数の人格”を備え、純白のスーツに身を包 んだ闇のヒーロー〈ムーンナイト〉を、是非お楽しみあれ。

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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