B級フード研究家・野島慎一郎の美味しかったカップ麺 月間ベスト5(2022年2月)
カップ麺やスナック菓子、ファストフードなどのアレンジレシピを研究する“B級フード研究家”としても活動している、ノジーマこと野島慎一郎です。
いつもガジェット通信ではアレンジレシピを紹介する記事を中心に執筆していますが、普段から研究としてカップ麺をよく食べているので、1か月で食べたカップ麺のなかから個人的に美味しいと感じたカップ麺ベスト5をご紹介しています。
今回は2022年2月のランキングです。新旧問わずに美味しいと感じたものを選んだ個人的なランキングではありますが、皆さまのカップ麺選びの参考にしていただければ幸いです。
第5位:サンヨー食品 中華蕎麦うゑず監修 濃厚豚骨魚介中華そば
5位には山梨・甲府の名店「中華蕎麦うゑず」が監修したカップラーメン「濃厚豚骨魚介中華そば」(サンヨー食品)を選びました。
たびたびリニューアルをしているこちらの商品ですが、今回でかなり完成形に近づいたといえるのではないでしょうか。濃厚なスープも素晴らしかったですが、それ以上に麺のインパクトが強烈な一杯に仕上がっていました。
極太のフライ麺は熱湯を注いで規定の時間を待ってもほぐれにくいほどにゴワゴワ感があり、食べてみると食感はムチムチ。だけど芯が残っているわけではなく、麺密度がすさまじく高い。これはノンフライ麺では表現できない食感でしょうし、いまだかつてカップ麺で味わったことのない弾力でした。
これだけ強烈な麺を前にするとさすがの濃厚スープもちょっと負けているような感があったのは惜しいですが、スープだけですすれば粉末スープだけで作られているとは思えないほど魚介豚骨を感じられますし、ほのかに柚子の香りが広がってくるのもオシャレ。
次のリニューアルでいよいよ完全体に進化するのでは……と期待せざるを得ない一杯でした。
第4位:日清食品 どん兵衛 豚汁うどん
4位に選出したのはどん兵衛の季節限定商品「どん兵衛 豚汁うどん」を選出。最近は次から次へとカップ麺の新作が発売されていますが、定番商品はやっぱり安定感があるなと再確認させてくれた一杯でした。
味はそのまんま“豚汁にどん兵衛の麺を入れた味”なのですが、この豚汁がなかなかいい味。さすがにカップ麺なので野菜や豚肉はあまり入っていないわけですが、そんななかでもゴボウやニンジンは存在感を発揮していて、豚肉の旨味はスープにちゃんと浸透。豚のぬくもりを感じられます。
そして素敵なのが具材のひとつとして油揚げが入っていること。どん兵衛の麺と合わせて食べると「どん兵衛きつねうどん」を思い出せるんですよね。麺以外にもどん兵衛らしさを感じられるのがすごくいい。
ふわふわとした麺も豚汁の味とマッチ。香り高い七味も効いて体がポカポカと温まる、完成度の高い一杯ですね。冬以外にも食べたい!
第3位:日清食品 神田まつや 鶏南ばんそば
こちらも季節限定で発売されるカップ麺「神田まつや 鶏南ばんそば」を3位に選びました。
神田まつやは創業明治17年という超老舗オブ老舗の蕎麦屋らしいのですが、このカップ蕎麦も発売10年目とのこと。入れ替えが激しいカップ麺業界において、季節限定で10年も売り続けられるのはかなりすごいことだと思いますよ。
残念ながら実店舗には行ったことがないので味の再現度という点では評価しようがないんですが、純粋にカップ蕎麦としてハイレベルな一杯でした。
関東の蕎麦というとつゆの醤油の主張が強めなことが多いんですが、こちらは鰹だしの存在感が強め。なのでネギや鶏肉の味も醤油に殺されることがなく、鰹だしと見事に中和。具材の味がここまでちゃんと溶け込んだ堪能できるカップ麺はなかなか珍しい。
そして麺はストレートで喉越しがよく、フライ麺なのに油っぽさもほとんど気になりませんでした。日清のカップ蕎麦といえばやっぱり「どん兵衛 天ぷらそば」ですが、こちらのほうが好きだという人も結構いるんじゃないでしょうか。
第2位:日清食品 龍の家 濃厚とんこつ
2位には九州・久留米の名店「龍の家」の濃厚とんこつラーメンを選びました。これも麺もスープもレベルが高かったですね。
麺はかなりの細麺だったのに待ち時間は4分。細麺の豚骨カップラーメンは待ち時間1分で食べられるものも多いので、これはさすがに麺がブヨブヨになってしまうのでは……と心配してしまいましたが、いい感じにふわっと仕上がって感動。スープがよくなじんでいるし、カップ麺っぽさが薄いように思えました。
そして豚骨スープは濃厚でコク深く、豚骨ラーメンならではの口から鼻に抜けるようなクサみも表現。これは万人受けしない要素かもしれないけど、本気度の高さが感じられますね。
スープには辛味噌が配合されているのでほのかな辛味があったり、仕上げに焦がしにんにくの調味油なども加えたりするのですが、それらはあくまでも豚骨の引き立て役。
具材がちょっと小さめだったのは惜しかったですが、それなら自分で好きなものをトッピングすればよし。スープと麺のコンビネーションで十分満足できる一杯でした。
第1位:明星 The淡麗 麺や金時 塩わんたん麺
2022年2月の1位は「The淡麗 麺や金時 塩わんたん麺」(明星)でございます。
ランキングを作るのは毎月頭を悩ませているんですが、今月に限っては1位だけあっさり決まりました。僕の中ではぶっちぎりの1位。販売価格は300円くらいという高級なカップラーメンではあるんですけど、その強気な価格設定にも納得できるクオリティに仕上がっていると思います。
透明度の高い塩スープはどことなく「サッポロ一番塩らーめん」が浮かぶ味。そういうとちょっぴりチープな気がしてしまいますが、それをベースにブラッシュアップした贅沢テイスト。
芳醇な鶏油の香りが広がり、焦がしネギや鶏の旨味もプラスされ、そこに繊細で喉ごしのいい細麺が絡んできます。今までに食べた塩ラーメンのカップラーメンのなかでもトップクラスに好みの味かもしれません……。
そしてもちろんこちらは「塩わんたん麺」。主役はわんたんなわけです。わんたんそのものが美味しくなければ話になりませんが、これまた最高でした。
わんたんはサイズが大ぶりで、皮はつるんとしてふわふわ。餡も肉感がちゃんと感じられるうえ、味付けもいい感じ。贅沢な塩スープをたっぷりと吸収した状態で口に運ばれてくると、その瞬間に高揚感でいっぱいに。めちゃくちゃ幸せな味!
ほかの具材は細かいネギくらいしか入っていないのですが、その分このわんたんが6個も入っているという贅沢仕様。冷えた瓶ビールをスタンバイさせて、このわんたんと塩スープを迎え撃ちたい。最高の一杯でした!
総評
以上、2022年2月の美味しかったカップ麺ベスト5でした。
次回は4月上旬頃に2022年3月のランキングを発表予定です。どうぞお楽しみに!
動画でも解説しています。こちらもよろしくおねがいします!
https://youtu.be/FUi44K7jxHM [リンク]
(執筆者: ノジーマ)
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