春を告げる星形の花！チオノドクサの育て方

チオノドクサは、まだまだ寒さの厳しい2月中旬から咲きはじめ、4月中旬まで楽しめる春の花です。草丈の低い草花ですが、群生させると見ごたえ充分！チオノドクサの魅力と、育て方のコツをご紹介します。

チオノドクサをうまく育てるためのノウハウを伝授！

チオノドクサは、ビギナーでも十分育てられる丈夫な性質であると同時に、数年間は植えっぱなしもOKと、ずぼらガーデナーさんにもおすすめの球根植物。ちょっとした栽培のコツを覚えて、たくさん美しい花を咲かせましょう！

 

チオノドクサってどんな植物？

「チオノドクサ」という植物名に初めて接する方の多くは、「チオノドクサの『クサ』は草でしょ？」と思われることでしょう。実は、チオノドクサは学名の「Chionodoxa」そのもので、日本語ではないのです。

ちなみに「Chionodoxa」はギリシャ語で、「雪の輝き（栄光）」を意味し、和名は「ユキゲユリ(雪解百合)」。さらに英名は「グローリー・オブ・ザ・スノー(Glory of the snow)」と、学名、和名、英名のいずれも「雪」にちなむことから想像がつくように、まだ雪の残る早春から咲きはじめ、春を告げてくれる花です。

チオノドクサは、草高10～20cmと小ぶりです。冷涼な気候と水はけのよい土壌を好むのが特徴で、高山植物として扱われることもあります。一つひとつの株は華奢で小さいのですが、群生させるとまるで高原の花畑のような風情を醸し出します。

逆に、一株だけ小さな鉢で育てるのも、愛らしくておすすめ。植える球根の数、育てる場所によって、さまざまな演出ができるチオノドクサ。比較的強健で、ガーデニングビギナーの方にも十分育てられるのも魅力です。

 

チオノドクサの栽培場所

チオノドクサは、活発に生育する秋から春にかけては、日当たりが確保できる場所で育てましょう。ただしチオノドクサは耐寒性に富む反面、夏の暑さは苦手です。夏には、葉や茎が枯れて球根のみになり、休眠期に入ります。

この夏場に高温状態だと弱ってしまうため、夏場は日陰になるところに植えたいもの。夏場は葉を茂らせて日陰となる、落葉樹の株元などが最適です。

また、過湿も乾燥も苦手なチオノドクサは、水はけのよい土壌で育てるのがポイント。ロックガーデンでの栽培もおすすめです。

 

チオノドクサを鉢植えにするときのポイント

チオノドクサを鉢やプランターで栽培するときには、水はけのよい山野草用の培養土を使うとよいでしょう。地植えよりも乾きやすい分、11～5月の生育期には水切れに注意。表土が乾いたら、鉢底穴から水が滴るまで、しっかり水を与えます。夏場は休眠期なので、水やりはしなくても大丈夫です。

また鉢植えやプランターは、季節に合わせて移動できるのが利点。秋から春は日差しをたっぷり浴びられるところに置き、夏場は風の吹き抜ける木陰や、涼しい軒下へと、季節ごとにチオノドクサの生育に適した場所に移動させてください。

なお鉢植えにするときは、少々密に植えたほうが見栄えがします。5号鉢（直径約15㎝）ならば6～8球ほど植えるのがおすすめです。またチオノドクサは、球根の上部が少し隠れる程度の浅植えにするのがコツです。

 

チオノドクサの増やし方

チオノドクサは、分球で増やすのが一般的です。地植えの場合、植え付けて数年は植えっぱなしでOK。毎年、球根を掘り起こすより、よく育つくらいです。

植え付けから数年を経て、株が密生してきたら、地上部が枯れる夏に掘り起こします。もともと植えた親球の周囲に、小さな子球ができているはず。その子球を手で外して、ひとつずつ植え付けます。

植え付けの適期は10～11月。それまでは乾燥させないよう、バーミキュライトやおがくずの中で保存しましょう。チオノドクサは種をまいて育てる方法もありますが、発芽までに時間がかかるうえ、開花に至るまでには４年ほどかかるといわれます。分球して育てるほうが、手軽で確実です。

鉢やプランターで育てている場合には、1～2年に一度を目安に植え替えます。放置してしまうと、限られた土の中で根詰まりする危険性が。親球から子球を取り外したら、新しい培養土に植え付けましょう。

地植え・鉢植えに関わらず、充実した子球を得るためには、花が枯れたらすぐに取り除き、種をつくらせないこと。そして花が終わった後、残った葉にしっかり日を浴びせ、球根を太らせることが大切です。

 

チオノドクサ栽培のコツ

チオノドクサは、春の花の後は葉だけになり、やがて地上部はすべて枯れ、夏には休眠期に入ります。
この時期、水やりは控えましょう。水やりのし過ぎは、球根を腐らせることもあるので要注意です。また涼しい環境で管理するのもポイント。

なお、チオノドクサはやせ地でも十分育つため、肥料は原則必要ありません。
鉢植えの場合、培養土にあらかじめ含まれている肥料以外は、追肥もしなくて大丈夫です。

 

おわりに

ちょっとした栽培のコツを覚えれば、庭いっぱいのチオノドクサの花畑も夢ではありません！　ぜひ育ててみてくださいね。