保守的な社会の中に生きる若いトランスジェンダーたちにとってポジティブで希望のある物語を。ブラジルの17歳のトランスジェンダー女性の物語を描いた『私はヴァレンティナ』




ブラジルの17歳のトランスジェンダー女性の物語を描いた『私はヴァレンティナ』が4月1日より公開される。
LGBTQ の権利保障に前向きに動き、同性婚も認められているブラジル。その一方、トランスジェンダーの中途退学率は82%、そして平均寿命は35歳と言われている。トランスジェンダーの少女が、あるがままでいることの難しさと、力強さを描いた本作。ヴァレンティナ役は自身もトランスジェンダーであり、著名なYouTuber/インスタグラマーとしても活躍中のティエッサ・ウィンバックが演じる。監督はショートショートフィルムフェスティバル&アジア2009でオーディエンス・アワードを受賞した『秘密の学校』(08) のカッシオ・ペレイラ・ドス・サントス。
監督のカッシオとプロデューサーのエリカがこのプロジェクトを始めたのは、まだトランスジェンダーに関する映画が出始めだした 2013年のことだった。1本目の長編監督作でありプロ デュース作でもあるこの作品の出資を募るまで数年が掛かった。2019年5月に撮影を開始。カッシオとエリカ自身もLGBTQであり彼らがトランスジェンダーを映画のテーマとしたのは、 このような人物たちが社会においてもっと認識されるべきだという望みからであった。保守的な社会の中で、特に極右政権が国を司る地球の裏側のブラジルで、カッシオはこの映画によって観客たちが繋がり、インクルージョンとリスペクトという今まさに必要な議論に貢献してほしいと思ったのだ。『私はヴァレンティナ』は十代、そして若い世代のために作った映画である。また「もしこの映画の物語が軽い内容になってしまうとブラジルでの過酷な現実に対してフェアでない」と感じ、全過程でトランスジェンダーの方に参加してもらうことが重要との考えから多くのインタビューを行い、若いトランスジェンダーたちにとってポジティブで希望のある物語を贈りたいとの願いも込めて制作されている。






















『私はヴァレンティナ』
4月1日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
https://www.hark3.com/valentina/#modal

ブラジルの小さな街に引っ越してきた17歳のヴァレンティナ。彼女は出生届の名であるラウルではなく、通称名で学校に通う手続きのため蒸発した父を探して いる。新しい友人や新生活にも慣れてきたが、自身がトランスジェンダーであることを伏せて暮らしていた。そんな中、参加した年越しパーティーで見知らぬ男性に 襲われる事件が起きる。それをきっかけにSNSでのネットいじめや、匿名の脅迫、暴力沙汰など様々な危険が襲い掛かるのだった…


監督・脚本:カッシオ・ペレイラ・ドス・サントス
出演:ティエッサ・ウィンバック、グタ・ストレッサー、ロムロ・ブラガ、ロナルド・ボナフロ、
マリア・デ・マリア、ペドロ・ディニス
配給:ハーク 配給協力:イーチタイム 後援:ブラジル大使館
2020年/ブラジル映画/ポルトガル語/95分/スコープサイズ/カラー
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