船じゃないと行けない居酒屋『魚山人』に行ってみた

普通、居酒屋ってフラッと会社帰りに立ち寄ったり、気軽に仲間と飲みに行ける場だと思うのですが、『魚山人』(佐賀県東松浦郡玄海町仮屋高)は船じゃないと行けない居酒屋。玄海町の港まではクルマで行けるのですが、それ以上、いけない。海を渡った先にお店があるから。

運良く『魚山人』に行く機会を得られた

『魚山人』は仮屋湾にあって、島ではないのですが、船じゃないと行けない海岸にあります。そのため、悪天候だったり、津波の危険があるときはお店に行くことはできません。以前、運良く行く機会を得られたので、そのときのようすをお伝えしたいと思います。

約5分で『魚山人』のある岸へ到着

博多空港からクルマで約1時間20分ほどかけて仮屋港へ。港の駐車場を無料で使うことができます。定時に港で待っていると、遠くからテント付きの船がやってきました。なるほど、テントがあれば雨風は防げる。でもこの日は晴天。ラッキー。

気持ち良くブーーーーンと船に乗ること約5分。船は『魚山人』のある岸へ到着しました。

ちなみに船長は『魚山人』の店主です。

ここにどうやってお店作ったの?

到着して、船でしか行けない場所だと納得。平坦な部分はわずかで、あとは険しい急斜面の山。きっと、この地を訪れた人の多くが「こんな場所にどうやってお店を作ったの?」と思うはず。

店主によると「自分で作った」とのこと。絶句!

そんな場所で食べられる料理の数々は、あまりにも新鮮で、豪華で、絶品でした。コース料理なのですが、今回はその一部をご紹介します。

魅惑の刺身盛り合わせ

最初に出てきた刺身からして最高でした。新鮮な鯛や平鰤、イカなどが盛られているのですが、特に衝撃を受けたのがイカ。

とてつもなくしっとりしてて柔らかく、「スッ!」とか「ゴリッ!」ではなく、「ズズッ」と静かにゆっくり埋没する食感がたまらなく心地良かったです。

刺身にもなってる平鰤を焼きで

刺身にもなっていた平鰤(ヒラマサ)が、焼き魚として登場。なるほど、そういうのもあるのか。けっこう大きめで、頭と尾、別々の皿に盛られて出てきました。

頭の身は少ないものの、骨に密着している身をほじくり出して食べると絶品。味付けいらず、そのままでじゅうぶん美味しく食べられます。

アワビからジュワッと溢れる旨味

アワビ酒蒸しは、まるごと1匹を一人で食べるという贅沢さ。世の中には硬いだけで旨味も何もないアワビがあったりしますが、これはそんなアワビと対極に位置する究極レベルのアワビ。

今まで食べてきたアワビは何だったのか。問いただしたい。自分を問いただしたい。小一時間問いただしたい。とにかく極厚。噛むたびにジュワッと溢れる旨味エキスが食欲をわかせます。

体験したことがないアジフライ

アジフライも絶品。いままで数々の素晴らしいアジフライを食べてきた筆者ですが、そもそも『魚山人』のアジフライは見ためからして別モノ。カニクリームコロッケのように丸々としていて、正直、最初はカニクリームコロッケだと思ってしまったほど。くどいけど、カニクリームコロッケよりカニクリームコロッケ。

でも食べたら違うとわかります。これはアジフライ! 良いアジフライの基準、満たしまくってます。ふわっふわ、旨味ブワーッ、それでいて臭みナシ。醤油もソースもアリだけど、そのまま食べて正解な「根本的おいしさ」がそこにあります。

終盤にやってくるご馳走! お寿司

そして終盤にやってきたのが握り寿司。その場で「ちょっと待って」と思ったのは私だけではないはず。ここまでじゅうぶん究極の魚介を堪能してきたところに、握り寿司というご馳走が到着ですよ。

ご馳走にご馳走を重ねてきましたよ。もうね、感無量。最初から最後まで多数の料理が出てきて、お腹いっぱい。大満足。

『魚山人』という名の焼酎

ちなみに、ドリンクはお茶もあればビールもありますし、ノンアルビールもあります。ですが、もしお酒を飲むのであれば、『魚山人』という店名と同じ名称の焼酎を飲んでみるのもアリかもしれません。店主が認めたここだけのお酒です。

おいしさだけではないグルメ体験

とことんおいしい魚介を楽しんだあと、「何時に帰る?」と店主。帰りたい時間を告げると、その時間に船で港まで送ってくれます。この日はだいたい19時台に帰りましたよ。

もし『魚山人』に行きたいのであれば、電話で予約ができます。けっこう人気があって、希望日に予約が取れないこともあるかと思いますが、頑張って挑んでみてください。きっと、おいしさだけではないグルメ体験ができるはずですよ。

店名: 魚山人
住所: 佐賀県東松浦郡玄海町仮屋高岩

(執筆者: クドウ@食べ歩き)

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