ジャズ・ピアニストのビージー・アデールが84歳で死去

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ジャズ・ピアニストのビージー・アデールが84歳で死去

 60年にわたり米ナッシュビルのジャズ・シーンで尊敬を集めたジャズ・ピアニスト、ビージー・アデールが、2022年1月23日に自宅で逝去したことが公式HP、SNSで発表された。享年84歳だった。

 米ケンタッキー州のケーブシティで育ったビージーは、5歳のときにピアノを弾き始めた。ウェスターン・ケンタッキー大学にてピアノを勉強するとともに音楽教育を専攻し、大学を卒業後、音楽教師として3年間働いた後、1961年に米ナッシュビルに移住し、セッション・ミュージシャンとして活動をスタートした。

 WSM-TV(米NBC系列)とラジオ、また米ABCの『ザ・ジョニー・キャッシュ・ショウ』(1969から71年)に出演。ジョン・スチュアート、J.J.ケイル、ドリー・パートンほか数々の人気ミュージシャンと共演した。ビージー・アデールとしてのアルバム・デビューは1991年の『エスケープ・トゥ・ニューヨーク』で、ソロはもちろん、自身が結成したトリオでも活躍し、ビートルズ、エルヴィス・プレスリー、フランク・シナトラ、ナット・キング・コール他、名曲のしなやかなピアノ演奏で人々を魅了し、これまで参加したアルバム作品は40作以上にのぼる。

 メロディの美しさをそのままにエレガントで洗練されたアレンジが、日本でもジャズ・ファンから、ポップス・ファンまで幅広い層を虜にし、2010年に「いい日旅立ち」をボーナス・トラックとして収録したアルバム『マイ・ピアノ・ロマンス』で日本デビューを73歳で果たした。今作は年間ジャズ・アルバム・チャート1位を記録する大ヒットとなった。同年続いてリリースされた『マイ・ピアノ・ジャーニー』、『マイ・ピアノ・クリスマス』、2011年の『マイ・ピアノ・メモリー』もジャズ・チャート1位を記録した。キャピトル東急ホテルのオープニング・セレモニーでの演奏を含む2回の来日公演を果たしている。

 昨年、日本デビュー10周年を記念した『マイ・ピアノーソロ・ベスト』、『マイ・ピアノートリオ・ベスト』のベスト・アルバム2枚を同時リリースしており、惜しくもこの2枚が日本では最後の作品となった。

 ビージー・アデールの公式HPでは以下のメッセージが公開されている。

本日、ビージーが愛する人たちに囲まれて亡くなったという悲しい知らせを、私たちは深く深く悲しみながらお伝えします。安らかに息を引き取るまで、彼女はその知性とユーモアを失わずに、善戦を続けていました。

世界は真のアメリカの宝を失いましたが、彼女の領域に入り、彼女が創り出す音楽の喜びを経験することができた私たちは、どれほどとてつもなく幸運だったことでしょう。

彼女の全人生は、その素晴らしい才能を使って、教え、楽しませ、鼓舞することに費やされました。彼女が創り出した作品群によって、そして世界中の学生、同僚、ファン、友人たちによって、ビージーの音楽は何世代にもわたって共有され、聴かれ続けることでしょう。

どうか安らかにお眠りください、そしてイエス様のお慰めがありますように、スイート・ビージー。

◎リリース情報
『マイ・ピアノーソロ・ベスト』
発売中
UCCQ-2005
https://BeegieAdair.lnk.to/MYPIANO_SoloPR

『マイ・ピアノートリオ・ベスト』
発売中
UCCQ-2006
https://BeegieAdair.lnk.to/MYPIANO_TrioPR

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