コロナ影響がお湯にまで!この冬、絶対に給湯器を故障させてはいけない理由と対策

在庫不足による給湯機危機勃発!この冬に故障させないようにするには?

この冬、「給湯器が故障すると交換できない」という大問題が起きている!優良住宅部品(BL部品)の認定・普及を担う、一般財団法人ベターリビングでは、故障の予防をするよう勧めている。詳しく見ていこう。

【今週の住活トピック】
「冬期における給湯機器の故障予防等について」注意喚起/ベターリビング

なぜ給湯器の故障を予防する必要があるのか

ベターリビングがなぜ、給湯器の故障予防を訴えているのだろう。それには、次のような背景がある。
1.冬は気温が下がるので、給湯器の配管の凍結が発生するなど、故障が起こりやすい
2.現在、給湯機器については、海外からの部品供給の遅延により市場在庫が不足している

給湯器の交換ができないといったことは、ニュースなどでも話題になっていたが、「住んでいる賃貸住宅の給湯器が故障したので、大家に修理交換を求めたら3カ月先になるという回答だったので、それならその間は家賃を減額してほしいと要望した」といったツイートが、Twitterでも話題になったりしている。

そこで同財団は、給湯器の故障を防ぐなどの情報を取りまとめて、ホームページに公開したというわけだ。

冬の給湯器の故障を防ぐにはどうしたらいいのか

同財団の「冬期における給湯機器の故障予防対策等について」に記載された、寒波到来時の予防対策を紹介しよう。

(1)長期不在でもコンセントを抜かず、電源プラグがコンセントに差し込まれている状態にする
給湯機器には、外気温の低下を感知すると自動的に作動する機器本体の「凍結予防ヒーター」と、機器本体と浴槽間の配管を水で満たし凍結を予防する「自動ポンプ運転装置(追焚き機能付きのみ)」が備え付けられているので、電源プラグがコンセントに差し込まれていることを確認する。

(2)追焚き機能付き給湯機の場合は、浴槽には一定量の水はりをする
「自動ポンプ運転装置」は、配管内を水で満たし、浴槽と給湯機器を循環させることにより配管の凍結を予防するもので、特に一戸建てで屋外に配管が露出し、保温が不十分な箇所がある場合に有効。
リモコンの電源を切っても作動するが、事前準備として、浴槽内の循環金具の上 5cm以上の高さまで水(残り湯も可)で満たすことが望ましい。

(3)給水元栓を保温する
給水元栓とは、給湯機器への給水の元栓(バルブ)のこと。通常、給水元栓には保温措置がなされているが、屋外設置で保温措置がなされていない場合には、設備工事業者に当該作業を依頼するか、緊急的な措置として、タオルを巻きつけ、上から防水のためのビニールでカバーをするとよい。

さらに、配管などが凍結した場合には「自然解凍を待ち、熱湯をかけたりしない」、積雪時には「給湯機器の給気・排気口の除雪を行う」といった予防対策も紹介している。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

また、「リモコンに故障表示(数字)が点滅したとき」「配管部の水漏れや換気部に煤が付着するなどの異常を見つけたとき」「使用中に異音(異常な高温など)がしたとき」には、給湯機メーカーやガス会社の窓口に問い合わせをするように、注意を呼び掛けている。

なお、住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、「住まいるダイヤル」において、家庭用給湯器の供給遅延に関する相談対応をしている。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

教えて!そもそも家庭用の給湯器がなぜ不足しているの

ネット上では、『給湯器が壊れたものの交換できないので、銭湯通いになっている』『お風呂に入れなくなったので実家に戻っている』といった、お風呂難民の声も多く挙がっている。

SUUMO編集長の池本洋一さんによると、新型コロナウイルス感染拡大による海外(特にベトナムなど東南アジア)のロックダウン(社会隔離措置)の余波が、住宅建材・設備の納品遅延につながっているという。現地工場がフル稼働できないので、生産量が減少しているわけだ。特に、「温水洗浄便座」と「ガス給湯器・コンロ・乾燥機」の納品遅延が目立つのだとか。

「これに対して、政府も動いています」と池本さん。経済産業省と国土交通省の連名で、給湯機器の関係団体に対して、家庭用給湯器の安定供給に向けた対応を行うよう要請したほか、経済産業省でも、部素材調達におけるボトルネックの把握とその解消に向けた取り組みや代替調達先の紹介など、必要な対応を図っていくとしている。

給湯器不足はいつ頃解消される見通しなのだろうか?池本さんによると、少しずつ納期遅延は短くなっているものの、在庫回復にはまだ数カ月はかかる見込みだという。少なくとも寒さの続く間は在庫不足なので、給湯器の故障を防ぐために個人でできることはしておくのがよいだろう。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

さて、オミクロン株が猛威を振るうなど新型コロナウイルスの流行収束はまだ不透明だ。家庭用の給湯器の納期も見通しが立ちにくいので、自衛策に努めて寒さの厳しい時期に風呂に入れないといったことのないようにしたいものだ。

●関連サイト
ベターリビング「冬期における給湯機器の故障予防等について」
住宅リフォーム・紛争処理支援センター「家庭用給湯器の供給遅延に関する相談対応について」

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. コロナ影響がお湯にまで!この冬、絶対に給湯器を故障させてはいけない理由と対策

SUUMOジャーナル

~まだ見ぬ暮らしをみつけよう~。 SUUMOジャーナルは、住まい・暮らしに関する記事&ニュースサイトです。家を買う・借りる・リフォームに関する最新トレンドや、生活を快適にするコツ、調査・ランキング情報、住まい実例、これからの暮らしのヒントなどをお届けします。

ウェブサイト: http://suumo.jp/journal/

TwitterID: suumo_journal

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事ランキング