【車窓を満喫!】観光列車「べるもんた」で行く、富山・氷見の旅
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こんにちは! 漫画家&文筆家の「やすこーん」と申します。駅弁や駅そば、お酒に温泉、そして列車旅が大好きです。どうぞよろしくお願いいたします。
今回私は、富山県の城端線と氷見線を走る観光列車「べるもんた」に乗車してきました。海岸線をゆったり走る深緑の列車に乗って、海の幸と温泉が楽しめる氷見のお宿へ向かいます。楽しみです!
東京駅
北陸新幹線で新高岡駅へ
まずはJR東京駅から、北陸新幹線「はくたか」でJR新高岡駅まで約2時間50分の乗車。
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新高岡駅に到着しました。新幹線の新高岡駅と「べるもんた」が発着する城端線の新高岡駅は少し離れていますので、ご注意を。
新幹線の新高岡駅コンコースには有名な駅弁「ますのすし」の販売店「ますのすし本舗 源」があります。お腹が空いたので駅弁を買いましょう。
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選んだ駅弁は「雷鳥のうた」。「ますのすし」にも惹かれましたが、やはり東京では買えない駅弁がいいなあ、とこちらを選びました。ます昆布巻や赤巻かまぼこなど、富山らしい食材が入っていて、彩りも華やかです。
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雷鳥は「立山神の使い」といわれ富山県の県鳥
新高岡駅
いよいよ「べるもんた」に乗車
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べるもんた(城端線・新高岡駅にて撮影)
「べるもんた」がやってきました! 停車した車両の写真を撮ろうとしたら、すぐ出発するとのこと。次のJR高岡駅で約20分停車するので、記念写真はそちらでゆっくり撮りましょう。
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「べるもんた」は土日運行。1日に2往復しています。新高岡駅〜高岡駅までは城端線、高岡駅〜JR氷見駅までは氷見線を走ります。乗車時間は約1時間。車両の特徴である大きな窓は、窓枠が最大幅2.52メートルもあり、たっぷりと車窓を楽しむことができます。
ちなみに「べるもんた」は愛称で、正式名称は「ベル・モンターニュ・エ・メール」といいます。フランス語で「美しい山と海」という意味だそうです。
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木と深緑色のファブリックで統一された車内
私の席は海に向かい合うカウンター席。座席横には、世界遺産にも登録された合掌造りをモチーフとした、富山県南砺(なんと)市の伝統工芸品「井波彫刻」が飾られていました。ちなみに、車内には井波彫刻が8作品展示されています。
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つり革の持ち手は「高岡銅器」をイメージした銅箔と沿線4市を代表する図柄で装飾されていました。窓枠は額縁風に、照明器具は和風にアレンジされていて、全体的に「和」を感じます。
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「べるもんた」と言えば、乗車しないと食べられないお食事も魅力のひとつ。車内ですし職人が握ってくれるお寿司「ぷち富山湾鮨セット」(要事前予約)を食べるのを楽しみにしていたのですが、コロナ禍の影響で休止中(※)でした。残念です。
※編集部注:現在は再開しています(2021年11月時点)。詳しくはこちら
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ぷち富山湾鮨セット(写真提供:JR西日本)
JR伏木駅を過ぎたら、目の前はすぐ海! 残念ながら雲が晴れず……。晴れた日に車窓から望む立山連峰は、きっと素晴らしいでしょうね。それでも、大きな窓から広がる海の迫力はなかなか見られるものではありません。
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雨晴海岸付近の車窓
終点の氷見駅に到着しました。
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べるもんた(高岡駅にて撮影)
永芳閣
本日のお宿「氷見温泉郷 魚巡りの宿 永芳閣」
列車の到着時間に合わせて、今日のお宿「氷見温泉郷 魚巡りの宿 永芳閣」の送迎バス(要事前予約)が来てくれます。海沿いを10分ほど走ると、丘の上に建物が見えてきました。
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お部屋でしばしくつろいでから、夕食の会場へ。
夕食は豪華すぎるお魚づくし! 舟盛りも煮付けも、鯛の尾頭付き塩焼きも、これで一人前なんです。氷見ではお刺身に甘口の網元醤油を使うとか。
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名物の氷見うどんは手打ちではなく、手延べうどん。ひとつひとつが丁寧に、こだわって仕上げられていて、見た目も味も満足のいくものばかり。さすが「魚巡りの宿」です。ああ、本当においしい……!
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お酒コーナー。ここでしか飲めないものも
日本酒は地元の蔵元をメインに、冷酒だけでも30種類ほど。飲み放題(※)にすると、小さいおちょこに入れて少しずつ味わえるようにしてくださっているのがありがたいです。熱燗用のお酒も数多く取り揃えられていました……。お料理とお酒のマリアージュが好きに楽しめるなんて、ここは天国なんでしょうか!?
※編集部注:飲み放題は要事前予約(1,650円/1名)
デザートに出てきた「醤油アイス」も大変印象に残りました。先程のお刺身用の醤油をほんのり香らせ、醤油の甘みも感じます。あまりにおいしくて、通販できないか聞いてしまったほどです。
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もなかの「も」に醤油アイスをのせて食べます
醤油アイスに添えられているのは、最中の皮のスティック。富山市内にある、最中の皮製造一筋「髙野屋」の「もなかの「も」」という商品とのこと。
お腹いっぱいになりすぎて、少し横になってから温泉へ向かいました。
実は私、温泉ソムリエマスターの資格を持っており、温泉もとても楽しみにしていました。
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露天風呂は海と立山連峰に向けて開けている
こちらの温泉は「氷見阿尾の浦温泉」の源泉とパイプラインで結ばれた天然温泉。泉質はナトリウムー塩化物泉で、皮膚病・神経痛・婦人病などに効くそう。温度は私の好みのぬる目だったので、ゆっくり長く浸かって旅の疲れを癒やしました。
翌日。ぐっすり寝て起きると、窓の外は晴れ! 気持ちのいい空です。ちなみに全てのお部屋から絶景の富山湾が望めます。
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海の向こうの左側にかすかに見えるのが立山連峰
氷見駅
氷見駅にて忍者ハットリくん列車に会う
朝食をいただいてから、再び送迎バスで氷見駅まで。氷見駅での目的、それがこちら!
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2021年4月にラッピングを変えたばかり
「忍者ハットリくん列車」です。作者の藤子不二雄Ⓐ先生が氷見出身であることから、氷見の街にはいたるところに藤子不二雄Ⓐ先生のキャラクターがいます。
この「忍者ハットリくん列車」は運行時間が決まっていません。私も前日に「JR西日本お客様センター」に電話をして(※)、この日の運行が朝イチしかないことを知りました。時間の都合で乗れないのは残念でしたが、列車を見ることができて良かったです。
※編集部注:JR西日本お客様センター(電話番号)0570-00-2486/6時から23時まで。年中無休
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氷見駅
藤子不二雄Ⓐワールドを堪能
ここからは徒歩で「氷見漁港場外市場 ひみ番屋街」に向かいましょう。ちなみに、氷見駅構内にはレンタサイクルがあり、海岸線のサイクリングも楽しめるのですが、コロナ禍の影響で休止中(※)でした。
※編集部注:現在は再開しています(2021年11月時点)。詳しくはこちら
氷見駅からひみ番屋街に向かう途中にある「まんがロード」には、藤子不二雄Ⓐ先生おなじみのキャラクターや、氷見のためにつくった「氷見のサカナ紳士録」のモニュメントがたくさん並んでいます。
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さっそく怪物くんがいますよ。
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ハットリくんとケムマキの戦い。
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9時〜19時(夏季は21時)の毎正時(土日祝は30分ごと)に動く
こちらは「忍者ハットリくんカラクリ時計」。ここでもハットリくんとケムマキが戦っていました。5分ほどのショーが終わり、どうやらハットリくん勢が勝ったようです。

『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造がいるベンチでは、隣に座って一緒にパチリ。
そして、藤子不二雄Ⓐ先生の生家でもある、約700年の歴史を持つ「光禅寺」を訪ねます。
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山門から、キャラクター像が真正面に見える
藤子不二雄Ⓐ先生のお父様がこのお寺の第49代住職で、先生が小学5年生の時に高岡市に引っ越すまで住まわれていたそうです。私がここに来るのは3回目。
実は私が漫画家になったのは、藤子不二雄先生に憧れていたからです。それで同じように児童漫画家を目指してデビューし、児童向け漫画を描いていました。

藤子不二雄Ⓐ先生の代表的なキャラクターたち。手前から、ハットリくん、怪物くん、プロゴルファー猿、喪黒福造。もちろん他にもたくさんいるのですが、国民的に知られているキャラクターがこれだけいるのは、本当にすごいことです。
ひみ番屋街
ひみ番屋街のフードコートで舌鼓
あちこち寄り道していたので、ひみ番屋街まで駅から2時間もかかってしまいました。こちらは鮮魚店が並び、日帰り温泉やフードコートがある施設です。
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昨夜がお魚三昧だったので、お肉が食べたくなりました。
「洋食屋 HALO(ハロー)」は1971年創業。こちらで提供しているカレーは「氷見カレー」といって、上質な氷見産にぼしをダシに使っているそうです。食べる際に「にぼし粉」を入れると、さらに風味が増します。コロッケは揚げたてでサクサク。氷見牛もしっかり入っていました。

食後はジェラート屋「Vivace(ヴィヴァーチェ)」へ。こちらは、氷見にある創業100年のアイスクリーム、ジェラート製造会社・川田食品の店舗。昨夜いただいた永芳閣の醤油アイスも川田食品さんでつくっているそうなのですが、醤油アイスは通常メニューにはないようでした。
今回は「氷見産はとむぎ」を使ったソフトクリームをいただきました。香ばしくておいしかったです。
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よく見ると、はとむぎの黒い粒が
満足したあとは、散策です。ひみ番屋街にある展望広場に行ってみます。立山連峰は霞んで見えませんでしたが、青い海と空が本当に気持ちいいです。
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再び氷見駅に戻って帰途の旅へ。
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たらこ列車
氷見駅からは、たらこ色のキハ47で帰ります。氷見は冬に来ると、山に雪が積もって立山連峰が見えやすくなります。イメージとしてはこんな感じです。
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ご想像できましたでしょうか?
さて、新高岡駅に着きました。新幹線で東京に帰ります。氷見はきっとまた来ることでしょう。今度は寒ブリも食べたいですしね。
東京駅
掲載情報は2021年11月25日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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