「Fire TV Stick 4K Max」とモバイルディスプレイの組み合わせで“お手軽パーソナルテレビ”を夢想する

Amazon Prime VideoやNetflix、Huluなど映像ストリーミングサービスの充実に伴い、これらサービスをテレビで視聴するデバイスとして定着したメディアストリーミング端末の「Fire TV」シリーズ。最近では、TVerやParaviといった、テレビの見逃し配信や番組のオンデマンド視聴を提供するサービスの登場により、“Fire TVでテレビ番組を観る”という視聴習慣も一般的になってきました。さらに、10月からは日本テレビの地上波プライムタイムの番組がテレビとネットで同時配信され、TVerでリアルタイム視聴可能になるなど、“テレビの視聴”と“デバイスによる映像ストリーミングサービスの視聴”の間の境目がなくなりつつあります。

そんなわけで、これからはFire TVさえあればテレビがなくてもテレビ番組が見られるのではないかと考え、最新のFire TVデバイスとモバイルディスプレイをつないで、1人で楽しむパーソナルテレビを作ってみることにしました。チューナーをアンテナにつながなくてよいので家のどの場所でも番組が観られるし、そもそもテレビ本体も要らないのは便利なのでは……?

2021年9月に発売された最新のFire TVデバイスが「Fire TV Stick 4K Max」。6980円(税込)と手ごろな価格ながら、CPUやRAMの強化により動作が速く滑らかになり、4K Ultra HDR、Dolby Vision、HDR10、HDR10+の映像再生に対応し、サウンドではDolby Atmosに対応するスグレモノです。

自宅にある15.6インチ フルHDのモバイルディスプレイに接続して使ってみます。4K映像が再生できないのは残念ですが、地上波のテレビ番組視聴なら特に問題ないでしょう。最近では4K対応のモバイルディスプレイも2~3万円台で手に入るので、より美しい映像を楽しむならそちらと組み合わせてみるのもよさそうです。

自宅のモバイルディスプレイが搭載するHDMI端子はminiHDMIなので、フルサイズのHDMIをminiHDMIに変換するケーブルを使ってFire TV Stick 4K Maxと接続してみました。

Fire TV Stick 4K Maxもモバイルディスプレイも、USBによる給電が必要です。Fire TV Stick 4K MaxはmicroUSB、モバイルディスプレイはUSB Type-Cを使用するので、今回はどちらも同時に給電できるモバイルバッテリーを使うことに。もちろんUSB充電器を使ってもよいのですが、モバイルバッテリーを使えば、家の中を移動して好きな部屋でテレビを観ることができます。Fire TV Stick 4K Maxは5Wの電源、自宅のモバイルディスプレイが18Wの電源が必要なので、合計23W以上の出力ができる大きなモバイルバッテリー「Anker PowerCore III Elite 25600 87W」を使用しています。

これでFire TV Stick 4K Maxを使う準備ができました。Wi-Fiにつないでセットアップしたら、必要なアプリをインストールして使用できます。CPUとRAMを強化した最新版だけあって、メニュー画面の操作は滑らかで使用感は快適そのもの。Wi-Fi 6に対応するので、対応する環境では4Kコンテンツをより快適に視聴できるのでは。Alexaによる音声操作や、Prime Video、Netflix、DAZN、Amazon Musicのアプリボタンを搭載するリモコンも便利です。

TVerをインストール。いざリアルタイム視聴を体験してみようと思ったのですが……対象番組がない! 調べてみたところ、リアルタイム視聴はPC、スマートフォン、タブレットアプリのみの対応で、テレビアプリやFire TVでの視聴には対応していなかったようです。残念……。

個人的にはふだんFire TVを使ってテレビで視聴することが多い、ABEMAもインストールしてみました。スマートフォンやタブレットで視聴する場合と比べて、モバイルディスプレイの大画面では、よりテレビの視聴に近い体験ができます。Fire TV Stick 4K Maxなら、チャンネルの切り替え動作もスムーズです。

今回の検証、結論としてはパーソナルテレビが実現するレベルまでは到達しませんでしたが、日本テレビに続いてテレビ東京が年内に、さらにTBS、テレビ朝日、フジテレビも今後TVerでネット同時配信を開始する方針を発表しています。その際には、Fire TVにも対応が広がるとよいのですが……。

テレビなしで地上波の番組をリアルタイム視聴するなら、アイリスオーヤマ「LUCAステーション」やピクセラ「Xit AirBox」といったワイヤレステレビチューナーを自宅のアンテナにつないで、スマホやタブレットで番組を観るのが現時点では最適解かもしれません。

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

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