『夏だけじゃない?そうめん研究家 ソーメン二郎さんが語る 奈良そうめんの世界』
私はとにかく暑いのが苦手で、夏は食欲もあまりなくなってしまうのですが、そんな時でも、唯一美味しく食べられるそうめんはまさに救世主。今年の夏は、リモートワークでほとんど自宅に居たため、大げさではなく昼食はほぼ毎日そうめんでした。
とはいえ、夏が終わり肌寒い季節になってくると、今度は鍋が恋しくなってきて、残ったそうめんの束は、毎年そのまましまいこんで次の夏までお別れになってしまう運命です。
温かくして食べるにゅうめんももちろん美味しいのですが、鍋にうどんやラーメンを入れて食べることも多いので、同じ麺類のそうめんは、必然的に出番がなくなってしまうのです。
10月も半ばとなり、今年も、残ってしまったそうめんの束を戸棚にしまおうとしたところ、興味深いイベントを見つけました。
「グルメの秋だからこそ、そうめん!ソーメン二郎が案内する”あなたの知らない”奈良のそうめんの世界」
新橋に移転リニューアルオープンした「奈良まほろば館」。奈良県の名産品が販売されているのはもちろんですが、アンテナショップとしてイベントも行っていて、今回は、そうめん研究家のソーメン二郎さんが、そうめんの魅力、歴史、進化系そうめん、そして、マル秘レシピまで紹介するトークイベントを、YouTubeで配信していました。
「グルメの秋だからこそ、そうめん!」というタイトルの冒頭を見て、そうめん=夏 という考えを覆してくれるかもと早速視聴。
奈良県はそうめん発祥の地!そうめん、ひやむぎ、うどんの違いは太さだけ?
そうめんの歴史など色々興味深いお話からはじまったのですが、そうめん発祥の地はなんと奈良県!
ソーメン二郎さんは、その発祥の地、奈良県桜井市出身で、ご実家も製麺所の家系だそうです。子供のころから食べていた手延べそうめん業界の衰退を危惧して、そうめんの魅力を伝えたいと、色々な活動をされているとのこと。
確かに最近、リーズナブルなそうめんはスーパーに並んでいますが、お中元、お歳暮などの習慣もなくなってきて、お中元の定番だった美味しい手延べそうめんを食べる機会も減ってしまいました。
手延べそうめんと機械そうめんの違いは、缶コーヒーとドリップコーヒーの違いというお話もありました。便利や安価というのももちろん魅力ではありますが、やはり手間をかけたものは美味しいし心も豊かにもしてくれますよね。
お話によると、手延べそうめんの職人さんは、3年間実務を経験し、難しい国家試験を受けているのだそうです。
以前、生地を細く細く伸ばして手延べそうめんを作る様子をTVで観たことがありますが、魔法かと思うレベルの神業だったので、熟練した職人さんの技術あっての美味しさなのだと改めて頷けました。
そして、以前から気になっていた、そうめん、ひやむぎ、うどんの分類。なんとなく雰囲気で見分けていましたが、原料は、水、小麦、油、塩と、どれも同じで、そうめん 1.3㎜未満、ひやむぎ 1.3~1.7㎜、1.7㎜以上はうどんと、違いは太さだけだそうです。パスタのように色々な形があるわけではなく、細さの違いだけに細かく拘るというのは、なんだか日本人らしい気もします。
そうめんをおいしく茹でるコツや進化系そうめんレシピも紹介♪
その手間隙かけて作られたそうめんを、美味しくいただくコツはやはりゆで方とのこと。大きな鍋でたっぷりのお湯で茹でるというのは、今までも実践していましたが、梅干しを一つ入れることで、クエン酸の効果で麺が引き締まりコシが出るという裏技は初めて知りました。そして、表面の油のぬめりをごしごしと洗い落とし、氷水でさらしてしめて、水をきって食べる、というのがおすすめの食べ方だそうです。
茹で方のコツがわかったところで、お待ちかねの進化系そうめんレシピです。
私はそうめんが好きすぎて、めんつゆにつけて食べるそうめんで満足していましたが、オリーブオイルとハーブソルトだけでそうめん本来の小麦の甘さやコシや喉越しの良さを味あう食べ方、胡麻ドレッシングとお酢で冷やし中華風、また、秋、冬はひき肉と玉ねぎを炒め、麺つゆとカレーパウダーを入れたつけ汁で食べるのもおすすめだそうです。
簡単なレシピでは、ご飯に合うものはそうめんにも合うという理論で、お茶漬けをかけたそうめんも美味しいとのこと。これは確かに夏だけではないそうめんレシピですね。
最近は、都内にもそうめんの専門店が増えてきたそうで、おしゃれなお店もいくつか紹介されていました。なかでも、『そうめん そそそ』の明太クリームそうめんがとても美味しそうでお店のHPを覗いてみたら、心惹かれるメニューが沢山ありました。これは是非一度行ってみたいです。
そうめん専門店 そそそ https://so-mensososo.com/
茹ですぎて残ってしまったそうめんを美味しくいただく『リメイクそうめん』レシピの紹介もありました。
フライパンに、しめじ、サバ缶、オイスターソース、カレーパウダーを入れて炒め、火を止め、茹でたそうめんとオリーブオイルを入れて和えるだけの、『しめじとサバのそうめんチャンプルー』
これは簡単!材料もアレンジがききそうですね。
お話を聞いているうち、美味しい手延べそうめんをゲットして食べたくなってきました。
奈良まほろば館では、創業300年以上の老舗 三輪山本の極細そうめん『白龍』、天然のものだけで作られたカラフルな色の『みわの虹』、手延べそうめんをカットしたあと残ったそうめんのふし『三輪乃ほしたち』など、東京では珍しいそうめんも販売されているそうです。
秋も深まるこの季節ですが、そうめんを求めて足を運んでみようかなと思います。秋のそうめんも、定番になる日が近いかも!?
イベントの様子はアーカイブで観ることもできるので、気になった方はぜひチェックしてみてください!
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