涼し気な水辺を我が家に!夏におすすめの水生植物3選

涼し気な水辺を我が家に!夏におすすめの水生植物3選

夏は、涼やかな水が恋しい季節です。ガーデニングにも、水辺に育つ植物を取り入れてみませんか?水生植物とともに、水の中では金魚やメダカを飼い、小さな水辺の風景をつくるのも素敵ですよ。

懐かしい日本の水辺の風景や、モダンなアクアリウムにも活用!

水生植物の一部は各地で自生する姿が見られ、日本の原風景のひとつです。またモダンなインテリアによく似合う、アクアリウム用の植物としても気が集まっています。美しい花や葉が水に映える3種をご紹介します。

 

水生植物とは?

水生植物は、いわゆる「水草」のこと。湖、沼、ため池、河川、田んぼなど、淡水に生育する植物群です。広い意味では、沼地や湿原で育つ「湿生植物」…ミズバショウやトクサなども含みます。

水生植物は、大きく4つに分類されています。

●抽水植物
水底の土中に根付き、茎か葉の一部が水上から出ているもの。ヨシ、ガマなど。株元まで、しっかり水に浸らせるのが栽培のポイントです。

●浮葉植物
水底の土中に根付き、葉は水面に浮かぶもの。ジュンサイ、ヒツジグサなど。葉がプカプカと水に浮かぶくらいの、高めの水位を保って育てます。

●浮遊植物
「浮水植物」ともいいます。水底に根付かず、葉や茎は水面上に出ている植物。必要な栄養分は、水中から吸収します。ホテイアオイ、ウキクサなど。水面を漂う姿が見どころなので、水をはった水鉢や、水槽などで育てるのがおすすめです。

●沈水植物
葉、根など、植物の全部が水中にあって育つもの。フサモ、マツモなど。たっぷりの水の中で、全体が水中に沈んだ状態で育てます。

このように、ひと口に水生植物と言っても生育条件が異なりますから、それぞれに見合った環境を整えることが肝要です。

日当たりを好む植物が多いものの、明るい日陰や室内の光量で育てられる品種もあります。それぞれの水生植物が好む日照条件に合わせて、栽培場所を選んでください。

また、水生植物用の土は、市販の水生植物専用土(肥料入り)を使うと手軽です。自分で用意する場合には、小玉の赤玉土に化成肥料を元肥として加えておくとよいでしょう。

 

●清々しい青い花「ホテイアオイ」

ホテイアオイ(ミズアオイ科)は浮遊植物。水に浮かんで育つため、用土は無用です。7~10月、英名の「ウォーター・ヒヤシンス」の名の通りのあでやかな花を咲かせ、水面をすべるように漂う姿は見ごたえ充分です。

草丈は30cm-50cmで、もともと熱帯アメリカ原産。19~20世紀の初めころ、鑑賞用の水生植物として世界中に広まりました。

ホテイアオイは日当たりを好むので、ベランダガーデンや庭の池で育てるのに向いています。室内でも生育はできますが、徒長しがちで花が咲かないこともあるので、要注意です。

なお、ホテイアオイは花の美しさを愛でられる反面、旺盛な繁殖力で水力発電や船の往来の妨げになるとして、「青い悪魔」の異名をもっています。家庭で育てる場合も、増えすぎたら適宜間引きしてください。

肥料を与えると巨大化したり、大繁殖の恐れがあるため避けましょう。

 

●ウォータークローバー

ウォータークローバー(デンジソウ科)は、シロツメクサ(マメ科)にそっくり!そして、シロツメクサはまれに四葉が現れますが、ウォータークローバーの葉は四葉のみ。朝晩、葉を開閉させる姿も楽しめます。

草丈は、5~15㎝とコンパクト。水中で愛らし四葉を広げる姿に、魅せられるガーデナーも多数です。ウォータークローバーは抽水植物なので、苗を鉢ごと水につけるか、水底に敷いた土に植え付け、常に株元が水につかっている状態をキープします。

ウォータークローバーは日当たりがよく、半日以上は日向になる場所で栽培しましょう。上手に育てれば、地下茎で増えていき、株分けすることができます。

ウォータークローバーの葉の鑑賞期は4~10月。冬場は枯れたように見えますが、水から出してしまわないでください。暖地ならば屋外で冬越しができ、水を切らさずに管理すれば、春にまた芽吹きます。

 

●シラタマホシクサ

湿生植物のシラタマホシクサ(ホシクサ科)は、別名「金平糖草」「水玉草」。8~10月に、その名のままの愛らしい小さな白い花を、10~20cmの花茎の先に付けます。

かつては各地で自生が見られたシラタマホシクサですが、湿地の埋め立て開発が進み、今や絶滅危惧種にリストアップされています。

シラタマホシクサの園芸種は、ホームセンターや山野草専門店などで出回っており、購入可能です。常に用土が湿っているように、鉢受け皿に水をためて腰水で育てましょう用土はミズゴケか、赤玉土とピートモスをミックスさせたものを用意します。

シラタマホシクサの栽培のポイントは、腰水や水やりに使う「水」です。もともと弱酸性で、鉄分の多いの水を含んだ湿地で育っていたシラタマホシクサは、水道水が苦手です。

水道水は弱アルカリ性の場合が多く、pH調整をせずにそのまま使うと枯れ込んでいくことがほとんど。酸性に傾いている雨水を溜めおき、鉄分を多く含む植物用活力剤を少し足した水を、腰水や水やりに用いてください。

シラタマホシクサは一年草のため、残念ながら翌年まで育ってはくれません。花後に種を付けさせ、10~11月に種まきにチャレンジしてみて。

 

おわりに

いかがでしたか? 水生植物と一口に言っても、姿も育て方も様々。お好みの品種を栽培して、涼やかなウォーターガーデンを演出してくださいね。

 

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