2021年下期はデジタルマーケティングを強化!カンロが8月5日、中間決算発表会を開催
今年2月、KanroVision2030のスローガンとして “Sweeten the Future”を掲げたカンロ。2021年上期はコロナ禍の影響を受けながらも、商品開発やブランド戦略に注力し、世のニーズを捉えた事業活動を展開している。2021年8月5日(木)には、中間決算発表会をオンラインにて開催。2021年度上半期の実績、下期の施策概要が発表された。
冒頭では代表取締役社長 三須和泰氏が登壇。2021年上期のキャンディ市場動向が説明された。2021年は年明け早々、一都三県に緊急事態宣言が発出されたことで、1月~3月は前年を下回ったが、4月~6月は僅かながらも上回る状況に転じた。組成別では飴と錠菓が前年を下回る一方で、グミは前年を上回る好調な結果となった。
パッケージリニューアルや、SNSでのプロモーションが功を奏し、同社主力品の「ピュレグミ」などのグミ製品は前年同期比+12.8%と増加した。また6月に全国発売した「マロッシュ」の好調により、その他グミ部門は前年同期比+186.1%と大きく上回った。「マロッシュ」は今後主力ブランドの一つとして展開していくという。
2021年度経営方針に「ブランド基軸経営の深耕」「サステナブル経営の深耕」「デジタルマーケティングの推進」を掲げた同社。「ブランド基軸経営の深耕」としては、奈良県立医科大学との共同開発による「柿渋入り機能キャンディ」の発売や、コロナ禍による健康意識へ高まりに合わせた「ノンシュガーキャンディーシリーズ」の強化などを実施した。
「サステナブル経営の深耕」としては「キャンディーエール活動」を展開。「ボイスケアのど飴」の売り上げの一部を全日本合唱連盟に寄付するなど、キャンディーで多くの人にエールを送るという取り組みだ。
後半では、2021年下期重点施策の説明として「デジタルマーケティングの推進」の進捗状況を中心に報告された。同社がデジタルマーケティングに取り組む契機となったのは昨年、コロナ禍により直営店「ヒトツブカンロ」の一時休業により、オンラインショップを立ち上げたことが深く関係している。人気商品「グミッツェル」がSNSやメディアで話題となり、開設から1週間で目標販売数量に到達するなど大きな反響があったことから、ECだけでなく、SNSなどのデジタル要素を併せる重要性を改めて認識したという。
「カンロファンの醸成がデジタルマーケティングの大きな目的。デジタルを起点とすることで顧客の声を生かし、カンロならではの顧客体験の創造・提供によってカンロファンを育んでいきたい」(三須社長)
デジタルマーケティング推進の第一歩となるのが、8月5日にオープンした新デジタルプラットフォーム「カンロポケット」だ。オンラインショップ機能を拡充し、商品に関する情報も集約した、インタラクティブな複合型オウンドメディアだ。カスタマージャーニーにおける検索・比較検討と購入のフェーズを担い、さらにECとコンタクトセンターを兼ね備える。
「カンロポケット」の名称は、美味しさや夢など、たくさんの“ワクワク”が出てくるようなポケットをイメージしている。カンロポケットを通して、可愛くてきれいなキャンディを食べるときのような、楽しく、ワクワクする体験をしていただければ」(三須社長)
現在カンロポケットで扱う商品は、ヒトツブカンロシリーズのみだが、今年9月下旬にはEC限定商品を発売する予定だ。「sweet 2030」のスローガンでもある、“Sweeten the Future”を体現する商品を展開していく。
コンタクトセンター機能では顧客の利便性向上を念頭に、顧客からの声を商品やサービスの改良に繋げていくことを目的とする。
「FAQの項目を従来の18項目から159項目に増やすなど強化を図った。またAiの搭載により表示内容の変更もスムーズに行える。さらにチャットボットの導入によって、24時間対応が可能となった。チャットボットは菓子業界では先進的な取り組みであると自負している」(三須社長)
顧客から届いた声はC S向上委員会を通じて、商品やサービスなどの改善につなげていく。サイト上ではその改善事例も掲載。自分の声がカンロに届いたことを確認できれば、つながりもより実感できることだろう。
コロナ禍で消費者の行動変容によって影響を受ける菓子業界。同社のデジタルマーケティング推進活動がどのような展開を見せるのか、今後の動向に注目が集まりそうだ。
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