奇才フランソワ・オゾン監督の映画『Summer of 85』、音楽は仏エレクトロデュオ“AIR”のジャン=ブノワ・ダンケルが担当

奇才フランソワ・オゾン監督の映画『Summer of 85』、音楽は仏エレクトロデュオ“AIR”のジャン=ブノワ・ダンケルが担当

 奇才フランソワ・オゾン監督による映画『Summer of 85』(8月20日全国公開)では、フランスの人気エレクトロデュオ、エール(AIR)のジャン=ブノワ・ダンケルが音楽を担当。1985年を舞台にした劇中にて、ザ・キュアーやロッド・スチュワートの楽曲が印象的に使用されていることがわかった。

 本作は、英作家エイダン・チェンバーズの青春小説『Dance on my Grave』(おれの墓で踊れ/徳間書店)を原作にした、少年2人の美しくも儚い初恋物語。オゾン監督は17歳で本小説と出会って以来映画化を熱望し、約35年の時を経て映像化した。舞台は1985年の夏、北フランスの海辺の町。運命的な出会いを果たした16歳のアレックス(フェリックス・ルフェーブル)と18歳のダヴィド(バンジャマン・ヴォワザン)が、愛に溺れ、永遠の別れを知るまでの生涯忘れられない“6週間の青春”を描いている。

 撮影は全編フィルムで行なわれ、まるで85年当時に撮影されたかの質感が印象的な本作。そのノスタルジックな映像に、ザ・キュアーの「In Between Days」やロッド・スチュワートの「Sailing」といった名曲が花を添える。

 特に主人公アレックスの気持ちとも共鳴する「In Between Days」の使用にあたっては、ザ・キュアーのフロントマン、ロバート・スミスより条件として「本曲リリースの1985年に映画タイトルを合わせること」を提示されたため、当初予定していた『Summer of 84』から『Summer of 85』へ変更したそうだ。ここからもオゾン監督の音楽へのこだわりの強さが窺える。

 そんなフランソワ・オゾンが本作の音楽に望んだのは、「80年代とその後の電子音楽を想起させるような、セクシーでロマンティックで哀愁のある音楽」。“そのすべてを兼ね備えている”と監督に言わしめたジャン=ブノワ・ダンケルは、ソフィア・コッポラの『ヴァージン・スーサイズ』の楽曲を手掛けたことでも知られる人物だ。

 もともとエールのファンだったオゾン監督だが、ブノワ・ダンケルを器用した理由を「あるインタビューで、若い頃に好きだった歌のタイトルを訊かれたジャン=ブノワ・ダンケルが、(80年代のポップソングの)『Stars de la pub』と答えているのを知った。その曲は私が10代の頃に大好きだった曲の1つだから、これは「彼こそ適任」という啓示だと思ったよ」と語る。「Stars de la pub」は、本作で互いに惹かれ合うアレックスとダヴィドがクラブで踊り明かし、2人だけのかけがえのない時間を堪能するワンシーンでも使用されている。
https://youtu.be/rXCQjLNbmGE

 ブノワ・ダンケルにその「Stars de la pub」を作品で使用したい旨を伝えつつ脚本を渡したというオゾン監督は、「脚本だけ読んで、映像は一切見ないでテーマ曲を作り上げた。彼が書き起こしたままのメロディは、何も加工せず編集に活かせた。それはすごいことだよ」と絶賛。本作の楽曲は色鮮やかな80年代を思い起こさせると同時に、どこかメランコリックな輝きを与えている。

 鬼才フランソワ・オゾンが辿り着いた“愛の原点”。少年同士の瑞々しい刹那の恋に魂が震える、最高純度のラブストーリー。初恋の痛みを知るすべての人へ贈る映画『Summer of 85』は8月20日より全国公開。

◎公開情報
映画『Summer of 85』
8月20日(金) 全国公開
新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国順次公開
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:フェリックス・ルフェーヴル、バンジャマン・ヴォワザン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、メルヴィル・プポー
配給:フラッグ、クロックワークス

(c) 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINEMA-PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES

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