夏至とは!?なんとなく知っていると思っている夏至を徹底解説!
夏至は、太陽が一番高く上がり、昼間が一番長い日というだけの日だと思っていませんか?実は、夏至には、もっと深い意味があることを紹介しましょう。また、冬至に食べるかぼちゃのように、夏至に食べる食べ物はあるのでしょうか?夏至にまつわるあれこれを、一気に解説します。
夏至はいつごろから使われていたか知っていますか?
そもそも夏至というのは、中国の暦である二十四節季の一つです。夏に至ると書く夏至ですが、中国では最も暑い時期をさします。
日本では、これからが夏の盛りに向かって暑さも湿度も増す時期が夏至なので、季節的な感覚が少しずれていると感じる人も多いでしょう。
それもそのはずで、中国で二十四節季が作られたのは、紀元前の黄河流域にあった中原(ちゅうげん)という、当時の首都でした。梅雨もなく、位置的にも東京よりはかなり南になります。
この二十四節季が日本に入ってきたのは、平安時代頃とされています。平安時代の日本の暦は、太陰太陽暦といい、年の長さは太陽で計り、月は月の満ち欠けで決めるというものでした。
そこに中国から渡来した二十四節季をあてはめたものが、現在まで続いているようです。
夏至はいつ?
夏至は地球と太陽の位置関係で決まるものなので、毎年あまり大きくずれることはありません。おおむね、6月21日か22日ごろが夏至となります。
北半球が夏至を迎える日は、南半球は冬至と同じように、夜が一番長い日となります。北半球の極地付近の国々は、白夜を迎えることになります。
夏至を、今では当日だけの記念日的な扱いで話すことが多くなりましたが、実は期間があることを知っていますか?
夏至の当日から5日を初候、次の5日を次候、最後の6日を末候といいます。末候の最終日を、日本では半夏生といい、夏至から半夏生までの間に田植えを終わらせるというのが、慣例でした。
中国では夏至の期間の始まりのころ、鹿の角が自然に落ちるため、初候を鹿角解(しかつのおつ)といいますが、日本では乃草枯(うつぼぐさかれる)といいます。
次候を、中国では蝉始鳴で、日本では菖蒲華咲くと表します。末候はどちらも半夏生という点だけが同じようです。
半夏生とは、半夏という薬草が生えるころという意味です。夏至と違い、半夏生は日本独自の季節の表し方ですが、末候がともに半夏生というところが興味深いと感じます。
夏至に食べると良い食べ物は何?
冬至にかぼちゃを食べるように、夏至に食べると良いとされる食べ物を知っている人は、あまりいないかもしれません。なぜなら、全国的に知られた夏至の食べ物自体が無いからです。
田植えで忙しい時期でもあったことから、食べるものなどに気が回らなかったためではないかといわれています。
調べてみると、地方によっては、夏至に好んで食べられるものがあるようですので紹介しましょう。
関西の夏至はタコを食べる
京都の夏至は半夏生の時期に水無月餅を食べる
尾張地方の夏至は無花果田楽を食べる
奈良の夏至は半夏生の時に半夏生餅を食べる
関西の夏至にタコを食べる理由は、稲の根が、タコの足のようにしっかり根をはって、豊作になりますようにという願いを込めて食べられていたようです。
京都は、夏至当日ではなく、夏至の末候にあたる半夏生の時期、それも6月30日に水無月餅を食べる習慣があったようです。1年の残り半分の、無病息災を願ってのことだといわれています。
愛知県でも尾張地方にだけある夏至の風習が、無花果田楽(いちじくでんがく)を食べるというものです。不老長寿の薬ともいわれた無花果に、田楽味噌をかけて食べるものです。無病息災を祈るとともに、豊作を祈願したものとされています。
奈良では、田植えが終わった後、半夏生餅を食べる習慣がありました。田植えが無事終わったことを、田の神様に感謝する行事の一つとして定着していたようです。
おわりに
「今日は二十四節季の一つ、夏至です」とニュースで聞いても、特に感慨もなく聞き流していたように思います。しかし、夏至の意味や歴史を知ると、より奥深いものを感じます。今年の夏至は、きっといつもの夏至と違うはず…なんてことは無いと思いますが、ウンチクの足しにして頂けたら幸いです。
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