水中調査ロボット「Orpheus」は火星探査向けナビ技術を深海の自律航行で活用!

access_time create folderデジタル・IT

火星探査で活用される技術が、深海の調査にも役立てられているようです。

米国海洋大気庁(NOAA)の自律水中車両研究部門が主催し、アメリカ東海岸沖で水中調査ロボット「Orpheus(オルフェウス)」のデモンストレーションが実施されています。

Orpheusには、NASAジェット推進研究所(JPL)が開発したビジョンベースのナビゲーションシステムが搭載されています。

火星探査機「Perseverance」の着陸を支援した技術

一般的な深海潜水艇、はソナーのようなおおがかりな位置検出装置に頼って、海底付近の暗く濁った領域を航行します。Orpheusに関しては、カメラとライト、高度なソフトウェアで構成されていて低電力で軽量。人間の助けを借りず、最深の海域でも自由に航行できるようです。

こうした離れ業を可能にしている技術がビジョンベースのナビゲーションで、NASAの火星探査機「Perseverance(パーサヴィアランス)」の正確な着陸を支援した「地形相対ナビゲーション」の別バージョンになります。

探査機が火星地表に着陸するにあたっては、いわゆる“恐怖の7分間”を乗り切る必要があります。この間、通信のタイムラグから、地球上の管制センターによる制御は無効で、さまざまなセンサーを駆使した自律的な調整が行われます。このときカメラにより火星の風景をマッピングし、安全な場所を選択するのが地形相対ナビゲーションです。

将来的にはチームで“超深海帯”を航行

なおビジョンベースのナビゲーションシステムは、火星ヘリコプター「Ingenuity(インジェニュイティ)」でも活用されていて、飛行中これにより地表の特徴を追跡しているようです。

今回の技術デモは、地形相対ナビゲーションの海での実行可能性を検証するとの目的があります。

最終的に水中調査ロボットは、チームを編成して6000mより深い“超深海帯”を航行できるように。海底の広大な未踏領域の3Dマップを作成する計画です。

参照元:Robotic Navigation Tech Will Explore the Deep Ocean/ NASA JPL

(文・山田洋路)

  1. HOME
  2. デジタル・IT
  3. 水中調査ロボット「Orpheus」は火星探査向けナビ技術を深海の自律航行で活用!
access_time create folderデジタル・IT
local_offer
Techable

Techable

ウェブサイト: https://techable.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。