おフランスのおパリでエセ日本食を食う

おフランスのおパリでエセ日本食を食う
※店員の殺気立った目が怖かったので、写真はサムネイルの一枚しか撮れませんでした。ご了承ください

入店

旅行者にありがちな「日本食食いたい病」が発症した自分は、雪散り乱る猛吹雪の中日本食を探していました。

寒いし、見つからないし、ジプシーに襲われるしで諦めかけていたその時、赤い提灯が掲げられた「japonais Restaurant」(日本食レストラン)の文字が!

提灯に書かれている「日餐」という見慣れない文字に一瞬不安感を感じながらも、日本食が食える喜びが勝り即効で入店。

店内は浮世絵や日本刀が飾られていて、随分と和風テイストな感じ。

店員さんは若い男女で、夫婦でやっているお店っぽい感じでした。

注文

店員さんは大陸系な感じで、そこそこの美人。ただ、顔がめちゃくちゃ引きつっていました。

さっそく渡されたメニューを開いて、店員さんに「UDON」(ミソスープ&ライス付き)と「SUSHI」(よくわからない魚)を注文。

困ったのは、日本語はもちろん英語でもなかなか通じず、片言のフランス語でやっと通じたという事。

周りのフランス人にアジアン同士が日本語以外で話しているのを聞かれたくないのか、店員さんは終始無口でした。

料理

UDON(写真左)

二種類あって、そのどちらかを選べるのですが「関東風」と「関西風」なんて生易しいものではありません。

ビーフン」と「普通の麺」の二種類から選ばされるのです。麺がビーフンのうどんは果たしてうどんなのか…

味はうどんとは決して言えない、化学調味料と何かが混ざったような味で、少しでもUDONからうどんに近づけようと、テーブル常備の醤油をドボドボ入れてみましたが、化調の味が増すばかりで何の効果もありませんでした。

具の方も、揚げた小エビやワンタンがミスマッチ感マシマシ。

値段はミソスープとライス合わせて1500円なり。日本的感覚だと高いと感じますが、ここはEU。とにかく物価が高いのです。

MISO Soupe(写真右上)

Soupeとは、スープを意味するフランス語です。発音は英語と同じでスープ。

レンゲが入ってるのが不満でしたが、一応普通の味噌汁…とはいきませんでした。

味噌だけ溶かして、ダシを入れてないのです。いっその事ウェイパー溶かした中華スープ出して貰ったほうがまだマシです…

Riz(写真右下)

Rizとは、「米」を表すフランス語。発音はリズです。

察しの良い人はお気づきでしょうが、タイ米です。タイカレーや炒飯にすると美味しいタイ米ですが、こういう日本食(もどき)と合わせて食うのはあまりオススメ出来ません。

1993年当時を思い起こしながら、ダシの入ってないミソスープと一緒にむしゃこらむしゃこら。

SUSHI

サムネの写真を撮った所で、店員に故市川團十郎氏並の睨みを効かせられたので、携帯をそさくさと懐に隠しました。

UDON等の後に出てきたSUSHIは、少し赤みの入った白身魚で、味はそれなり。ただとにかく、米がベチョベチョしてて微妙。

なんだか酢飯の味がするおはぎを食ってる気分です。

ちなみに、一貫で500円程。かっぱ寿司で105円の寿司を食った方が遥かにましです。

食後

L'addition, s'il vous plait(お会計お願いします)と片言で言って、店員になけなしのユーロ札を押し付けて店の外へ。

周りのフランス人はアジア系同士がフランス語で喋っているのに興味も持たず使い慣れない箸でタイ米をボトボト落としながら口に運んでいました。

最後まで睨みをきかせる女性店員と後ろのほうで不安そうな顔をしている男性店員の顔が印象的でした。大丈夫、日本政府の回し者じゃないよ。

今フランスで日本人以外の人々が経営するエセ日本食が問題になっていますが、彼らにとっても母国の料理屋はあまり人気が無いか、それとも溢れすぎているかで、日本食料理屋で無ければ生活が成り立たないのでしょう。

何せここは家賃の高さでは世界有数のフランス、パリなのですから。
※この記事はGAGAZINEさんよりご寄稿いただいたものです

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