放棄された道の魅力を力説!テンションの高さがじわじわくるDVD『廃墟賛歌 廃道クエスト』

廃道クエスト

“工場萌え”や“ダム萌え”といった産業構造物好きの中でも、過酷さでは一番だと思われるのが廃道、酷道(こくどう)ファン。大雨が降ると通行止め、一車線どころかすれ違いさえ困難な幅の山道を踏破することに夢中になるのは一体なぜなのか…。その魅力の一端が知れるかもしれないDVDが2013年3月2日に発売されています。

その名も『廃墟賛歌 廃道クエスト』(オープロプロジェクト)は、廃道や廃線のレポートを集めたサイト『山さ行がねが』の管理人でもあるヨッキれんこと平沼義之氏が、役割を終えて国道指定から外れた道路を紹介。その魅力を存分に語り尽くすという内容です。

平沼義之氏

このDVDの見どころは、とにかく平沼氏のキャラクター。自転車で颯爽と登場し、「道路が視界の8割を占めていて幸せになれる」といきなりパンチのあるコメントを発し、視聴者をぶっちぎる姿勢が素晴らしいです。

栃木県足利市の旧国道299号越床峠では、「普通にある道だけれど、車が通っている気配がない」と魅力を力説。ここで「なるほど、わからん」となるか、「ステキ!」となるかで運命が分かれそう。
それでも、草なのか道なのかか判別がつかないところでも躊躇することなく歩き、古くて今にも落ちそうなトンネルもずんずん進む姿を見ているとだんだん凛々しく感じられるようになるから不思議なものです。

また、廃道界では貴重な女性愛好家の石井あつこさんが登場するのもポイント。こちらも登場するなり「人生迷走してますが」と反応に困る発言をしつつ、大正時代に作られたコンクリート製トンネルの歴史について嬉々と語るので、「お前がいいならそれでいいや」という気にさせられます。

廃道ファンがどこに萌えるのかをとりあえず知ることができる『廃道クエスト』。発売を記念するイベント『廃道ナイト番外!!現道も廃道もDVDも本もね!』が2013年3月23日に東京カルチャーカルチャーで開催されるなど、どうも盛り上がっているっぽい廃道界。この魅力の虜になる人は今後増えるのでしょうか。

廃道・廃線・未成道・隧道・林鉄・酷道・古き良き交通~山さ行がねが~
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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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