ショートケーキって日本で生まれた日本の食べ物って知ってた？

2021/03/22 12:00 Pacoma

ショートケーキって、日本生まれだってこと知ってましたか？ケーキというと、洋風というイメージしかありませんが、そこには日本人らしい思いつきや発想があったようです。日本でショートケーキが生まれたストーリーや、海外のショートケーキを紹介します。

ショートケーキって日本生まれって知ってた？ショートケーキ誕生の物語

ショートケーキと聞いて、どんな形を思い浮かべましたか？ふわふわのスポンジ生地を横に切って、生クリームやフルーツを挟み、それを重ねた上には、たっぷりの生クリームと果物。

特に、いちごのショートケーキを思い浮かべた人が、一番多いかもしれません。日本人が大好きなショートケーキ、実は日本で生まれたものだと、知っていましたか？ビックリしているあなたに、日本でショートケーキが誕生するまでの物語を紹介します。

日本人は、今も昔も、海外のトレンドを日本流にアレンジしてしまうことに長けていました。

事の起こりは、1912年、不二家の創業者が、アメリカでサクサクのビスケット生地に、生クリームといちごを挟んだものを目にしたのが最初です。これは可愛いといったかどうかは定かではありませんが、売れる！とピンと来たようです。

ただし、日本人の味覚に合わせる必要があると試行錯誤を10年も繰り返し、最初のショートケーキが販売されたのは1922年のことです。

同じ時期、コロンバンの創業者も、本場フランスで洋菓子の修行を終え、日本に帰国。さっそく日本人に合う洋菓子をということで、ショートケーキを独自に開発し、1924年に販売を開始しています。

この時の生地が、どちらもカステラをイメージしたふわふわの生地だったのです。南蛮菓子として有名で、高級なカステラは、誰もが憧れる洋菓子でした。食感も含めて、日本人の味覚に合致するということも、当然折り込まれていたのでしょう。

白い生クリームに赤いいちごという、定番のいちごのショートケーキは、紅白であるという理由に加え、くちどけの良さに幸せ感をアップさせる作用もあって、たちまちお祝い事の定番になっていきました。

ところで、ショートケーキの名前の由来を知ってましたか？これが色々あって、実は定かではありません。

賞味期間が短いケーキだから、ショートケーキ。

ケーキのスポンジを作る際、ショートニングという油脂を使うことからショートケーキ。

不二家の創業者が目にしたものの生地が、サクサク生地のショートブレッドだったから。

ショートケーキと名づけた人のみが知る理由があったのかも知れませんが、詳細は伝わっていません。ケーキ＝洋菓子と思い込んでしまいがちですが、こうした柔軟な発想を持っていた先人たちの目の付け所に、拍手を送りたい気がしませんか？

生クリームをふんだんに使うようになったのは、そんなに古いことではありません。昭和の中ごろまでは、バタークリームが主流でした。

冷蔵庫の出現で、冷蔵保存ができるようになったことや、新鮮な牛乳を大量に入手することができるようになったことで、ショートケーキは生クリームが当たり前になってきたのです。

ショートという言葉は、サクサクしたという食感を表すときにも使います。アメリカのショートケーキは、まさにこれです！不二家の創業者が目にしたのも、このショートケーキだったのかもしれません。

見た目は、イギリスのスコーンのような形ですが、生地はもっと軽くてサクサクしています。焼きあがったこの生地を横に切って、生クリームやフルーツをサンドしたのが、アメリカのショートケーキです。

スコットランドでも、これに似たショートケーキがあるようです。スコットランドのショートケーキのショートとは、スコットランドの別名、ショートランドから来ているという説があります。

サクサクしたビスケットに、生クリームやフルーツを挟んだもので、アメリカのショートケーキの原型ではないかといわれています。

どちらも、生地が日本とは違います。また、ホールで作った生地をデコレーションしてからカットする日本式に対し、1個1個をオーブンで焼き上げたあとに、それぞれにクリームを詰めるといった工程も違います。

こうしたケーキにも、これだけ違うお国柄が現れてくるのは、楽しいと思いませんか？

アメリカの高級ケーキ店では、日本タイプのショートケーキが売られているという情報もあり、少し鼻が高い気がしますね。

洋菓子だとばかり思っていたショートケーキが、実は日本生まれだったことにビックリです。あなたは知っていましたか？ショートケーキが、この形で日本で生まれてくれて、感謝しかないと思うのは、決して私だけではないと思います。