「レジ待ち」はもうすぐ死語になる? スタンダード社のレジ無し精算システムとは

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一度使ってしまうと、その便利さゆえ、元に戻れなくなるテクノロジーは多く存在する。米国スタートアップ企業であるスタンダード・コグニションの小売店舗向け「レジ無し精算システム」も、その内のひとつかもしれない。

商品を手に取り、退店するだけ

AIとコンピュータビジョンを使った同社の「レジ無し精算システム」は、買い物客が「店に入り、欲しい商品を手に取って、そのまま退店」すると支払いが完了するというもの。従来のようにレジ前で並んだり、スキャンや支払いのために立ち止まる時間を削減することで、小売業界の効率化に貢献している。

同システムは、天井に設置された無数のカメラにより、買い物客がどの商品を手に取ったのかを検出するのが特徴だ。顔認証などの生体認証を一切使わないため、買い物客の匿名性が担保されることもメリットといえる。さらに小売業者は、店舗レイアウトや棚・照明・在庫管理システムなどを変更することなく、簡単に既存の店舗に導入できる。

ソフトバンクから資金調達を実施

スタンダード社はシリーズC投資ラウンドで、1億5000万米ドルの資金調達を完了したことを発表した。企業評価額は10億米ドルに達しており、「レジ無し精算システム」を推進する企業として、投資額と企業評価額ともに過去最高になったという。

資金調達をリードしたのは、ソフトバンク・グループの投資事業ソフトバンク・ビジョン・ファンド2だ。このほか新規投資家として、世界最大の機関投資家ネットワークであるトラステッド・インサイトや、韓国の総合商社SKネットワークスなどが参加したという。

スタンダード社のCEOであるジョーダン・フィッシャー氏は、「当社のソリューションを必要とする人々はたくさんいると考えております。今回の資金調達により、より多くの世界中の買い物客に当社のシステムを提供できるようになることを大変嬉しく思っています」と述べた。

同社は現在、「サークルK」など世界中で約1万4500店舗を展開するアリマンタシオン・クシュタールや、給食事業を展開するコンパスグループなどと提携しており、既に数店舗に同社システムが導入されているという。2021年以降には、数百店舗へのレジ無し精算システムの展開を目標としているほか、今後5年間で5万店舗以上への導入を目指している。

「レジ待ち」という言葉が死語になる……そんな未来はそう遠くないかもしれない。

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