カルガモの親子はなぜ引っ越しをするの?そしてカルガモの「カル」ってどういう意味?

カルガモは引っ越しをする姿が度々ニュースに取り上げられますよね。
では、なぜカルガモは親子揃って引っ越しをするのでしょうか。
それは産卵する場所と育児をする場所が関係しているようです。
そこでここでは、そんなカルガモの親子が引っ越しをする理由を解説するとともに、カルガモの名前の語源や由来などもご紹介します。
カルガモはマガモの仲間
カルガモはマガモの仲間で、カモ科マガモ属に分類されています。
まずはカルガモがどのような鳥なのかを見ていきましょう!
カルガモの大きさや姿
カルガモは、成鳥になると全長が約50cm~65cmにまで大きくなります。
マガモをはじめと舌、他のマガモ属の鳥に比べると少し小さいとされることもあります。
体の表面は焦げ茶色をしており、頭と首から胸にかけては白色、胸にはまだら模様の焦げ茶色が入っています。
頭のてっぺんと過眼線が黒く、頬にも黒い線があります。
頭頂部と同じくクチバシも黒いのですが、その先端は黄色く、足はオレンジ色です。
カルガモの生息域
日本では、本州以南の河川や湖沼、湿地、干潟、水田などに生息しており、全国各地で見かけることが可能です。
日本の他に、中国や朝鮮半島などにも生息しています。
また、オホーツク海にも近い、ロシアのアムール地方などにも生息しています。
カルガモのカモの中で珍しい特徴

カルガモには、他のカモと比べると珍しい特徴があります。
ここからはそんなカルガモの特徴についてご紹介します。
カルガモはカモの中では珍しい留鳥
日本に生息するカモの多くは、夏鳥や冬鳥、もしくは旅鶏が多いです。
しかし、カルガモは国内の多くの土地に生息している留鳥とされ、年間を通して同じ場所で生活しています。
基本的には渡り鳥のように大陸間を行き来したりはしません。
とはいえ、北方にいるカルガモの場合、冬になると南の方に移動することもあるそうです。
カルガモはカモの中では珍しくオスとメスの姿が似ている
カモの多くは、オスとメスで姿形が全く違う事が多いです。
多くの場合、オスが目立つ模様や体を色をしており、メスは地味目な体をしています。
ところがカルガモの場合、オスもメスも似たような色をしているのが特徴です。
正面から見たらほぼ同じと言っても過言ではありません。
とはいえ、カルガモのオスとメスを見分ける方法もあります。
それは背中の羽の縁を観察する方法です。
カルガモのオスは、腹部が濃褐色で羽毛外縁の淡色部が小型になり胸部との区別がはっきりしています。
それに対して、メスは胸部と腹部の羽色の区別が曖昧です。
また、オスは尾羽基部を被う羽毛が光沢のある黒をしています。
しかしメスは、上尾筒部や下尾筒部の羽毛が黒褐色で羽縁が淡色で、そこに淡色の斑紋が入っています。
ところがこの見分け方、難点があります。
なぜなら、この見分け方、オスとメスがそろっている状態で無いと比較ができないので、オスかメスか正直分からないのです。
よくカルガモを観察している人なら話も違うのかもしれませんが・・・。
カルガモの親子が引っ越しする理由

ここから本題、カルガモはなぜ引っ越しをするのでしょうか?
それは、カルガモにとって産卵するのに適した場所と、育児をするのに適した場所が違うからとされています。
では、それぞれどのような環境が、カルガモにとって適しているのかまとめてみました。
カルガモの産卵場所
カルガモの繁殖期は春で、この時期に産卵を行います。
産卵をする際は、卵を隠すために水辺の草むらや竹やぶなどに巣を作ります。
そこに卵を産んで抱卵するのが一般的です。
カルガモの育児する場所
カルガモが育児をする場所はいくつかあります。
河川や湖沼で行うこともあれば、湿地や干潟や水田などで行うこともあります。
いずれも、カルガモにとって餌を採るのに適した環境とされます。
ちなみに、カルガモの餌となるのは、小魚や昆虫、水草などです。
つまり、卵を安全に孵すための場所から、餌を採る場所へと引っ越しを行うというわけです。
カルガモ親子の引っ越しは一度ではない
このカルガモの親子の引っ越し、一度きりとは限りません。
場合によっては、二度三度と繰り返すこともあります。
なぜなら、捕食者から逃げる必要が出るかもしれないからです。
たまたま引っ越した先に、カラスなどの天敵がいた場合、カルガモたちは次の新天地へと引っ越ししていきます。
また、思いのほか餌が獲れない場所だった場合も、もちろん引っ越しをしていきます。
カルガモの名前の由来

カルガモの「カル」とはどのような意味があるのでしょうか。
漢字では「軽鴨」と表記し、体重が軽いことが由来とする説もあります。
ここでは、カルガモの名前の由来とされる説を2つご紹介します。
軽いからカルガモとなったという説
カルガモが仲間であるマガモよりも軽いとされます。
そこから、マガモよりも軽いカモという意味で、「カルガモ」と名前が付いたとされています。
実際、1.5kgを超えることもあるマガモに対して、カルガモは大きくても1.3kg程度とされています。
土地名から来たとする説
カルガモの名前は、飛鳥時代に詠まれた和歌の地名に由来するともされています。
その和歌を詠んだのは、天武天皇の娘「紀皇女(きのひめみこ)」。
この人物は「軽池の 浦廻行き廻る 鴨すらに 玉藻の上に ひとり寝なくに」という和歌を詠みました。
この和歌に因んで、軽池という場所に一年を通しているカモの事を、「カルガモ」というようになったともされています。
ちなみに、この軽池というのは、奈良県橿原市にある、現在は「剣池」と呼ばれている池のことです。
まとめ
テレビでは親子の引っ越しする姿がニュースとして取り上げられることもあるカルガモ。
この引っ越しは、産卵と育児に適した環境が違うために行われているとされます。
餌を求めて新天地を開拓しているのです。
ちなみに、カモの仲間にしては珍しく、オスもメスも姿がそっくりなので見分けるのは難易度が高い鳥だったりします。
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