トークショー&サイン会で新作アニメPV公開も!?原画展の前に観直したい『少女革命ウテナ』と幾原邦彦監督の世界
1997年にテレビ東京などで放映されたアニメ『少女革命ウテナ』。王子様にあこがれる男装の少女・天上ウテナが、「薔薇の花嫁」姫宮アンシーと出会い、鳳学園生徒会役員たちとの決闘ゲームと巻き込まれていくストーリーは、放映から16年を経た現在でも高い支持を得ています。
そんな『ウテナ』の流麗な世界を蘇らせる原画展が、東京と福岡で開催されることが決定。2013年3月23日には幾原邦彦監督のトークショーや原案を共同で手がけた漫画家のさいとうちほさんとのサイン会も行われます。
また、公式ブログによると「新作アニメPV初公開!!」という注目の記載があり、『輪るピングドラム』の後に発表されていたプロジェクトと関係があるのか、それともまったく別の物語になるのか、誰しも気になるところでしょう。
アニメファンだけでなく、多感な少年少女に多大な影響を与えた『ウテナ』は、美しくも刹那的なキャラクターたちの描写に人気が集まりましたが、演劇で用いられるような演出や、奇想天外な建築物も大きな魅力になっています。
大きく斜めに傾いた螺旋階段を登った先にあり、空中庭園のように城が浮かぶ決闘広場で繰り広げられるデュエリストたちの死闘には、ストーリーで重要な役割を果たす机や車などが登場し、不思議な世界観に夢中にさせられた人は多いはず。プラネタリウムがある理事長室や永遠についての研究の舞台となった根室記念館など、古めかしいながらも「どこにもない」建物の数々が物語を彩っています。
このような世界を作り上げた幾原監督は、学生時代に作家・寺山修司が主宰する劇団『天井座敷』に傾倒。『ウテナ』や『ピングドラム』でも、舞台から着想を得た小道具が登場するシーンが数多くあります。
また、生徒会役員たちの会話での一瞬にしてリンゴがウサギに替わるシーンは、「革命」を観るものに印象づけるため。決闘の前に挟まれる影絵少女の芝居も幕間劇を強く意識した演出といえるでしょう。
一見するだけでは理解することが難しいけれど、観る者に切り傷のような印象が残り続ける幾原作品。原画展開催までまだ時間があるので、『ウテナ』『ピングドラム』を観直してみると、それまで気づいていなかった新しい発見があるかもしれません。
『少女革命ウテナ原画展』
東京会場
■会期:2013年3月20日~25日
■開場時間:10時~20時
※入場は閉場30分前まで。
■会場:西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー
■入場料:一般 500円 大学生・高校生 300円 (中学生以下無料)福岡会場
■会期:2013年4月3日 ~ 9日
■開場時間:午前10時 - 午後8時
※最終日は午後6時終了
※入場は閉場の30分前まで。
■会場:博多阪急 7階 イベント ホール 『ミューズ』
■入場料:無料
StarChild 『少女革命ウテナ原画展~輪るピングドラムと幾原邦彦の世界~』
http://www.starchild.co.jp/special/utena/gengaten.html
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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