住宅ローン控除が延長、特例措置のポイントと2021年の住宅購入で気を付けたいこと

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住宅ローン控除が延長、特例措置のポイントと2021年の住宅購入で気を付けたいこと
新型コロナウイルスの感染拡大が暮らしに大きな影響を及ぼす中、2020年12月に2021年度の政府与党の税制改正大綱が公表され、住宅ローンなど減税措置の延長が閣議決定されました。

「在宅時間が長くなる」「テレワークが広がる」など、ライフスタイルの変化に伴い、住まい選びが変わってきており、郊外や戸建て志向が高まっているようです。コロナをきっかけに、マイホーム購入を考えているという人も少なくありません。

今回の住宅ローン控除改正で注目したいポイントは。また、コロナの先行きが見通せない中で住宅を購入する場合に、注意すべきことはあるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの佐藤陽さんに聞きました。

※改正案の施行は国会での成立が必要(情報は1月20日時点)
<参考>税制改正大綱

控除期間が13年となる入居期限が2022年12月末まで延長。住宅の床面積の緩和により、小ぶりな1LDKも対象になる可能性がある

Q:現行の「住宅ローン控除」はどのような制度ですか?
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正式名称は「住宅借入金等特別控除」で、10年以上の住宅ローンを組んで、新築の建設もしくは分譲住宅・中古住宅を購入した場合、または一定の条件を満たした増改築・リフォームをした場合に、年末にローン残高の1%を所得税から控除する制度です。控除額が所得税を上回る場合は、住民税からも控除されます。

控除が受けられる期間は10年間ですが、消費税率引き上げの特例措置として、消費税率10%が適用された住宅を購入し、2019年10月1日~2020年12月31日までに入居すると、13年間に延長されていました。

Q:住宅ローン控除の改正のポイントを教えてください。
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住宅ローン減税の控除期間13年が適用される入居期限が、現行の2020年12月末から2022年12月末までに延長されます。注文住宅は2021年9月末、分譲住宅は、2021年11月末までに契約する必要があります。

また、適用される物件の床面積要件がこれまでの50㎡以上から、40㎡以上に緩和されました。新たに対象となる40㎡以上~50㎡未満の物件は、世帯合計所得が1000万円以下と、所得制限を厳しくしています。

Q:改正で注目すべき点は?
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家を買いたい人にとって、大きなインパクトがあるのは、住宅ローン減税の控除期間13年が延長されたことです。控除期間が長くなればなるほど、節税の効果は大きくなります。ただ、住宅ローン減税の制度自体には目新しさがなく、「あるのが当たり前」という感覚の人も多くなっているため、購入意欲を押し上げるほどではないのでしょうか。

また、適用物件の床面積要件が40㎡以上になった点も注目されます。床面積40㎡~50㎡未満といえば、マンションのワンルームか小ぶりな1LDKです。最近は、「将来結婚する気がないので、単身でマンションを購入したい」という相談もあります。シングルだけでなく、共働き夫婦で子どもを持たないDINKSなど、多様な価値観や家族の形に対応する制度になるという見方もできます。

Q:今後、控除額が見直される可能性はあるのでしょうか?
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報道によると、政府・与党から、2022年度に住宅ローンの控除額を見直す方針が出ています。

現行では、控除額は住宅ローン残高の1%ですが、現在、最低水準の変動金利で0.4%代など、低金利が続いているため、支払った金利よりも控除額が多くなる点を、会計検査院が問題視しているようです。

そのため、2022年度の税制改正で、控除額が「年末時点のローン残高の1%」か「その年に支払った利息の総額」の、どちらか少ない額とされる可能性があるようです。

この改正が成立すると、住宅ローンの選び方にも影響を及ぼすでしょう。例えば、金利のみを考えて変動金利で1%未満に抑えるのか、控除額をふまえて固定金利1%以上を選ぶか、どちらが得になるのかをシミュレーションする必要があります。

Q: 2021年は、住宅の買い時といえますか?コロナ禍で住宅を購入する場合に気を付けたいことは?
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家の買い時を決めるには、2つの要素を考えなければなりません。

1つは、金利の動向や住宅購入に関わる税金の優遇といった社会的な情勢、もう1つは、家計やライフステージなど、購入する人自身の個人的な事情です。「お得な制度があるから」というだけでは、ベストなタイミングとは言えません。

2021年は低金利が続く上に、住宅ローン控除のみならず「グリーン住宅ポイント制度」が創設される予定もあります。過去に実施された「住宅エコポイント」と似た制度ですが、付与されるポイントがこれまでより引き上げられ、1戸につき最大100万円相当となる案が発表されています。

近年、中古住宅購入の支援が拡充されていた印象ですが、新築の購入にもメリットとなる制度が見込めるため、社会的には住宅を購入しやすい環境と言えるでしょう。

コロナを機に働き方が変化した人では、住まい選びも変わってきています。特にテレワークが定着している人では、通勤による住む場所の縛りがなくなり、選択肢が広がっています。例えば、コロナを機に、趣味のサーフィンが楽しめる海の近くに住みたいと、郊外の住宅を検討する夫婦がいました。

コロナ禍で家を買うことを不安に感じる人も多いと思いますが、コロナに限らず、住宅購入時には最悪の事態も想定し、家計をシミュレーションしておくことが大切です。万が一、夫の収入が減ったときに、「妻が働けるのか」「子どもの教育費をどれくらい確保したいのか」など、将来設計を具体的に考えた上で、無理のない資金計画を立てましょう。

家を買うときに、いま支払っている家賃と住宅ローンの返済を比べて、どちらが得かを考える人が多いですが、「家賃がもったいない」というだけで家を購入するのは危険です。

例えば、将来住み替えが必要で、「いずれ売るつもり」なら、賃貸の方がいいかもしれないですし、「実家が空き家になっている」なら、リノベーションで新築同様の住まいが手に入るかもしれません。

「なぜ家を買いたいのか」「何を叶えたいのか」に立ち返って、広い視点で考えることが大切です。

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