【草津温泉の冬旅】湯もみに足湯にぶらぶら散策。草津ホテルで温泉とグルメを満喫
日本三名泉の一つ、草津温泉。群馬県の北西部に位置し、多くの温泉客が絶えず訪れる名湯だ。草津温泉は自然湧出量日本一で、毎分32,300ℓが湧き出るというからすごい。pH2.0前後の強い酸性泉で、古くから湯治場として人気がある。
まずは草津温泉といえば多くの人が思い浮かべる名所、湯畑(ゆばたけ)を訪れた。もうもうと湯気があがっていて、硫黄の香りがする。湯畑は約52℃の熱い源泉を外気に触れさせて冷ます目的で作られており、写真奥に見える四角い枠の部分が並ぶ部分では湯樋を通して沈殿する湯の花を採取している。
日暮れにはライトアップされる湯畑。夜が更け、気温が下がるとさらに湯気の量が増えるのだそう。
歴史を感じさせる町並みと幻想的なライトアップが、日常を忘れさせてくれる。まさに草津温泉の象徴である湯畑。ここから散策をスタート。
湯畑のそばには足湯「湯けむり亭」があり、無料で自由に入ることができる。お湯はもちろん源泉掛け流しだ。手や足を数分浸すだけでも温浴効果があるのだそう。
日帰り入浴施設の「御座之湯」は、湯畑と万代の二つの源泉を使用している。浴衣、竹かご、下駄がセットになった外出用浴衣レンタルサービスも人気だ。
さらに、湯畑のそばには、近くの白旗源泉を引いている「白旗乃湯」という共同浴場もある。草津温泉には地元の人が利用する共同浴場が多数あるが、そのうち白旗の湯、千代の湯、地蔵の湯は観光客も利用できる。
足湯「湯けむり亭」近くの漬物店「頼朝」では、温泉たまごが購入できる。小さなスプーンとタレが付属していて、1つ130円。お店の外にあるカウンターで卵を割り、その場で食べられる。黄身が濃厚な味わいだ。
湯畑を見下ろす高台にあるのが光泉寺。日本三大温泉薬師の一つとして数えられ、草津町指定文化財が数多くある。300年の時を経て世に出た釈迦如来、「遅咲き如来」にお参りする人や、遅咲きのお守りを手にする人も多い。
草津温泉の名物、湯もみショーは「熱乃湯」で見ることができる。湯もみとは、熱い源泉を冷ますために六尺板を入れて湯をもみ、温度を下げること。加えて、湯もみをすることで湯が柔らかくなるほか、入浴前の準備運動にもなるといわれている。
湯もみショーは1日に6回行われており、1階と2階のどちらからも鑑賞できる。座席は十分に間隔が空けられて配置されており、換気もばっちり。草津温泉の紹介が行われた後、まずは踊りのショーが始まる。
続いて湯もみショー。「草津節」と「草津湯もみ唄」の2曲でショーが行われる。「草津湯もみ唄」の最後に行われる湯もみは六尺板を激しく動かすダイナミックなもの。ぜひ実際にご覧いただきたい。
草津温泉には、ほかにも散策スポットがたくさん。今回は西の河原通りを西へと進んでみた。通りの入り口は、湯畑に面したホテル一井と山本館の間にある。
昼食は、西の河原通りから湯滝通りに入ってすぐの「いいやま亭」へ。釜飯の専門店で、鮭、あさり、山菜、しらす、まいたけ、花いんげん、上州牛など20種類以上の釜飯が食べられる人気店だ。
この日のおすすめNo.1メニュー、六合産の舞茸と赤城鶏を炊き込んだ、鳥舞茸山菜釜飯(1760円)をいただいた。しっかりした味付けで、鶏肉、舞茸、山菜がぎっしりと炊き込まれている。釜飯が炊けるまで20分ほど待つが、その価値あり!
食後はぶらぶらと西の河原通りを歩いて、草津名物の温泉饅頭店「松むら」へ。行列ができる店で売り切れ次第閉店なので、できれば午前中に買っておくことをおすすめしたい。この日も午後のうちに早々と売り切れになっていた。
温泉饅頭は箱に入っている数で値段が異なるが、1つ100円から購入できる。黒糖を使った薄皮はしっとりふわふわで、中に入っているなめらかな粒餡との相性がいい。蒸したてをその場で食べるだけでなく、お土産にもおすすめだ。
温泉らしいお土産がほしいなら、西の河原通りにある土産店「するがや」を見てみよう。オリジナルデザインのタオル、トートバッグ、手ぬぐいなどが手に入る。フェイスタオル480円、手ぬぐい3枚1000円とリーズナブルな値段も魅力だ。
お土産にタオルを購入したところ、温泉デザインの袋に入れてくれた。
西の河原通りの突き当たりにあるのが、西の河原公園。この一帯は上信越高原国立公園の特別地域に指定されていて、辺り一面至るところから温泉が湧き出している。その地形から、昔は鬼が住む場所といわれており、今でも鬼の茶釜、鬼の相撲場などの名称が残っている。
足を温泉につけながら座ることができるスポットが用意されているので、足を拭くタオルを持参すると便利だ。
公園内には草津穴守稲荷神社がある。東京都の羽田にある穴守稲荷神社の分社で、毎年執り行われる例大祭には羽田の穴守稲荷神社から神職が出向し、多くの参詣者で賑わうのだそう。
公園を奥に進むと、西の河原露天風呂に到着する。草津最大の露天風呂で、その面積は男女合わせると500平方メートルの広大さ。開放的な雰囲気のなかで温泉につかりながら、新緑、紅葉、雪景色と四季折々の風景を楽しむことができる。
ちなみに、湯畑と同様、夜にはライトアップが行われる。溶岩石が転がり、温泉の湯だまりが点在する不思議な風景が光に照らされて、異世界に迷いこんだような雰囲気が味わえる。
さて、今回の旅で選んだ宿は大正2年創業の草津ホテル。大正時代の趣を残した貴重な木造建築で、どっしりとした風格を感じさせる。
体温を測定し、アルコール消毒をしてチェックインすると、暖炉のある温かな空間が迎えてくれる。雪景色を眺めながら日がな一日のんびりしていたいような、くつろげるラウンジだ。
通していただいた部屋は、室内に廊下が付いていてゆったりとした贅沢な作り。10畳の和室の奥にはカフェテーブルもあり、窓の外を眺めながら一息つける。
浴衣は草津ホテルのロゴ入り。巾着袋に入ったフェイスタオルは、持ち帰ることができる。化粧水、乳液、クレンジング、ヘアブラシ、かみそりなどのアメニティは、露天風呂のある大浴場に用意されている。
夕食は、2020年9月に完成したばかりの食事処「奥庭」でいただく。天井高7mの広々とした開放的なスペースで、板前が腕を振るう四季の味を楽しむことができる。各テーブルの間隔も十分に広くとられている。
この日の鍋物は上州牛のすき焼き。やわらかく口の中でほどける上州牛を堪能できた。
視覚も味覚も満たされたのは、別皿の「あわび陶板焼き」。ドーム型のふたをして、あわびがポンと音を立てるまで陶板で焼き、バターをのせていただく。群馬県産のコシヒカリやはるな産卵のプリンなど、群馬県のグルメも堪能できた。
食後は一休みしてからお風呂へ。こちらも2020年9月に新しくなったばかりの施設で、露天風呂は男湯、女湯にそれぞれ二つずつ用意されている。一つは西の河原源泉のあたりの軟らかい湯、もう一つは万代源泉のピリッと刺激のある湯で、肌に感じる感触の違いを楽しめる。
感覚には個人差があるが、万台源泉のピリッと刺激のある湯でも痛いと感じることは全くなく、心地よく浸かることができた。また、湯から上がった後、肌が驚くほどすべすべとしていたことも印象的だった。
朝食も食事処「奥庭」でいただく。お鍋仕立てのお味噌汁、鮭、卵焼き、小付などたっぷりのメニューで、朝からエネルギーチャージできた。
酢味噌をつけていただく自家製こんにゃくは滋味深く、お代わりしたいほどだった(メニューは変わる可能性があります)。
食後は館内のカフェスペースへ。宿泊客は自由に利用でき、6時~20時の間はコーヒーが無料で提供されている。暖炉が燃える温かな空間で、コーヒーを飲みながらゆったりと過ごすことができる。
カフェスペースの奥には足湯があり、おしゃべりをしながら温まるのもまた楽しい。
草津ホテルを出て、坂を下るとすぐの場所に片岡鶴太郎美術館があり、通常の入館料が600円のところ草津ホテルの宿泊者は300円で入館できる。館内には、片岡鶴太郎の書画や陶器などの作品が多数展示されている。
片岡鶴太郎美術館に併設された売店は、美術館の入場チケットがなくても立ち寄ることができる。ポストカードや色紙、クリアファイルなど片岡鶴太郎氏の作品のグッズがあり、ここでしか買えない限定グッズも販売されている。
売店にはカフェスペースもあり、ドリンクやケーキのほかに上州牛サンド、ホットサンドなどの軽食も食べられる。周辺を散策して一休みするときにぴったりだ。
魅力あふれる、冬の草津だった。
■草津ホテル
http://www.kusatsuhotel.com/
■湯Love草津(草津温泉観光協会サイト)
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