yonawo、 1stフルアルバム『明日は当然来ないでしょ』リリースワンマン@TSUTATA O-EAST―オフィシャルライヴレポート

yonawo、 1stフルアルバム『明日は当然来ないでしょ』リリースワンマン@TSUTATA O-EAST―オフィシャルライヴレポート

12月23日(水)、yonawoが『yonawo 1st full album「明日は当然来ないでしょ」release one man live tour』のファイナルとなる東京公演を、TSUTATA O-EASTで開催した。

11月11日に1stフルアルバム『明日は当然来ないでしょ』を発表し、さらなる注目が集まる中、今回がバンドにとって初となる全国ワンマンツアー。この日は生配信も行われ、多くのファンが彼らのライヴを目撃した。

アルバムでもオープニングを飾っていた「独白」をSEに、最初は斉藤雄哉、田中慧、野元喬文の3人が姿を現し、少し遅れて荒谷翔大がキーボードの前に座ると、一曲目は彼らの認知度を高めた人気曲「矜羯羅がる」。ステージにはペルシャ柄の絨毯が敷き詰められ、メンバーはそれぞれジャケットを羽織り、スタイリッシュな雰囲気の中、続く「トキメキ」の艶やかなエレピの音色と、荒谷の色気のあるボーカルによって、一気にyonawoの世界へと引き込まれる。

簡単な挨拶を済ませると、「rendez-vous」では同期を流し、田中はシンセベースをプレイ。斉藤はセミアコからエレキに持ち替えて、ときおり強烈な歪みを聴かせる。ロマンティックな曲調の「麗らか」から「close to me」の流れはアルバム同様シームレスに繋がっていて、「close to me」では野元がパッドと生ドラムを行き来しながらプレイ。電子楽器を織り交ぜた自由度の高い演奏は、彼らの世代にとってはもはやスタンダードで、曲調によってさまざまな楽器を使い分けるセンスも十分だ。

「26時」からはEP『LOBSTER』の収録曲を続け、ジャジーな展開を含んだ「しあわせ」や、荒谷のフェイクが心地いい「ミルクチョコ」など、シンプルなアレンジだからこそ、バンドのベーシックな側面が伝わってくる。「good job」ではイントロとアウトロにボサノバ風のパートが付け加えられ、こうしたライブならではの遊び心のあるアレンジも楽しい。

楽曲のスタイリッシュな印象に対して、MCは変に作り込むことなく、あくまで自然体なのも彼らの大きな魅力。荒谷と田中が「2020年の最初のライブもこの会場だった」と話したり、普段のスタジオと変わらないような、メンバー同士のフランクな会話のやりとりが微笑ましく、多少のぎこちなさも含めて、会場全体の親密なムードを作り上げている。

斉藤がサンプラーを使って印象的なコーラスを再現した「Mademoiselle」に続いては、アルバムの中で唯一田中が作曲に携わった「cart pool」。タイトル通り、ベースのループを軸に構成され、シンバルが打ち鳴らされる後半はかなりサイケデリックだ。音源ではフェイドアウトで終わっていたが、ライブでは途中で次の「ijo」に切り替わり、この曲もドラムのパターンが特徴的。やはり、ループの気持ちよさもこのバンドの重要な要素である。

「次のツアーではマスクをしないで、お客さんの顔が見えるライブができたらいいね」と話して、「告白」では斉藤がキーボードを弾き、荒谷がハンドマイクで歌い上げると、本編ラストは12月の歌である「蒲公英」。コーラスのループがメランコリックな雰囲気を作り上げる中、徐々に曲が盛り上がっていくと、後半ではミラーボールのようなまばゆい光に照らされる中でエモーショナルな演奏が展開され、この日のハイライトとなった。

アンコールではまず荒谷が一人で登場し、四畳半フォーク的な雰囲気の「202」をギターの弾き語りで披露。その後にメンバーもステージに戻ると、彼らの地元の歌である「天神」が演奏され、何ともアットホームな空気が生まれる。4人は最後まで自然体で、荒谷の「ツアーの締め括り、本当に感謝しかないです」という言葉にも、実感がこもっている。

この日最後に披露されたのは、曲名からして印象的な「生き別れ」。アルバムでは弾き語りだったが、ライブではバンドバージョンで演奏され、斉藤がギターソロを弾き倒し、野元がアグレッシヴにドラムを叩く一方で、田中がクールにベースをプレイする。荒谷がオーディエンスに背を向けて、メンバーを見つめながら演奏する姿からは、彼らがこうやってともに音を育んできたことが伝わってくるかのようで、実にいい光景だった。2021年のさらなる飛躍を確信させる、充実のツアーファイナルだったと言えよう。

文:金子厚武
写真:Toyohiro Matsushima

ライヴ情報
yonawo 1st full album「明日は当然来ないでしょ」release one man live
2020年12月23日(水) 東京 TSUTAYA O-EAST
18:30開場 19:30開演
視聴券 2,500円
ツアーチケット購入者限定視聴券 1,000円
ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999

■視聴券
https://w.pia.jp/t/yonawo/
アーカイブ期間 12月31日(木)まで

視聴券販売期間 11月11日(水)0:00〜12月31日(木)21:00
※ただしコンビニ決済の場合は12月30日(水)18:00まで
詳細はこちら https://yonawo.com/live/live-791/

【プロフィール】
荒谷翔大(Vo)、田中慧(Ba)、斉藤雄哉(Gt)、野元喬文(Dr)による福岡で結成された新世代ネオ・ソウル・バンド。2018年に自主制作した2枚のEP「ijo」、「SHRIMP」はCDパッケージが入荷即完売。地元のカレッジチャートにもランクインし、早耳リスナーの間で謎の新アーティストとして話題に。2019年11月にAtlantic Japanよりメジャーデビュー。
配信限定シングル「ミルクチョコ」「Mademoiselle」を11月&12月に2ヵ月連続でリリース。2020年4月15日(水)に初の全国流通盤となる6曲入りのミニアルバム「LOBSTER」をリリース。4月24日(金)に配信限定シングル「good job」、5月1日(金)には過去のデモ曲をまとめた配信限定アルバム「desk」、6月12日(金)にParaviオリジナルドラマ「love⇄distance」主題歌オープニング曲「トキメキ」を配信限定でリリース。8月14日(金)には、史上初となる福岡FM3局で同時パワープレイを獲得した「天神」の配信がスタート。
そして、11月11日(水)には、待望のファーストフルアルバム「明日は当然来ないでしょ」をリリース。

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