【奈良 橿原・飛鳥の旅】 定番「古墳」も外せない! 高松塚・キトラ・石舞台の見どころ
奈良県中部にある明日香村は、約1400年前の飛鳥時代に都があった場所。今もその歴史的な遺産が、村の各地に点在している。特に、古墳や遺跡などでは、現在も発掘調査が行われている。
明日香にある最も有名な古墳の1つが「高松塚古墳」だ。極彩色壁画が発見されて一躍有名になった古墳であり、その古墳は国の特別史跡、壁画は国宝に指定されている。
高松塚古墳の周りは遊歩道になっている。古墳は外から見ると、とても小さい。ここから、当時の色鮮やかな壁画という世紀の発見があったかと思うと、感慨深いものがある。
古墳のそばに、高松塚壁画館がある。壁画を検出した当時の現状模写、再現模造模写、一部復元模写をはじめ、墳丘の築造状態、棺を納めていた石槨(せっかく)の原寸模型、副葬品の太刀飾金具や海獣葡萄鏡などのレプリカを展示する。
高松塚古墳、そして壁画について詳しく知りたいのであれば、この壁画館は必ず立ち寄りたい場所だ。
スペースはそれほど広くはないものの、展示物は貴重なものも多い。極彩色壁画が発見された当時そのまま、まるで本物の壁画を見ているような感覚で見学できる。
次に、高松塚古墳に続いて日本で2番目に発見された大陸風の壁画古墳で知られる「キトラ古墳」へ。この古墳についてよく知るなら「四神の館」をぜひ訪れたい。
キトラ古墳は、7世紀末から8世紀初めに築かれ、石室内部に、天文図や方角をつかさどる4つの神(朱雀・玄武・青龍・白虎)をはじめ、動物の頭と人間の体を持った十二支などが壁画に描かれている。天文図は東アジア最古、その壁画はもちろん国宝であり、古墳も国の特別史跡となっている。
展示室は、入場無料。古代飛鳥の人々の暮らしを立体で見るジオラマ、四神と天文図を詳しく知ることができるタッチパネル、キトラ古墳の発見・調査・研究・修理・墓道の埋め戻しまでのドキュメンタリーなど見どころも多い。
キトラという名称の起源は、石室の中をのぞくと亀と虎が見えたから「亀虎古墳」と呼ばれた、古墳南側の地名“北浦”が訛った、古墳の場所から四神(北は玄武=亀、西は白虎=虎)に由来するなどの諸説がある。埋葬者も、天武天皇の皇子である高市皇子、高官だった百済王昌成らの説があって、装飾品から身分の高い人物であったと考えられる。
原寸大の石室はそばまで行くことができ、四神が描かれている様子が見られる。この石室も意外なほど小さいものの、当時の鮮やかに描かれたであろう様子が、レプリカからでも垣間見られるようだった。
展示室には、さまざまな古墳の形を紹介するコーナーも。当初は“世界最大の古墳”で知られる大阪・堺にある仁徳天皇陵で有名な、巨大な「前方後円墳」だったのが、徐々に小さくなって「方墳」「円墳」などとなり、末期には天皇陵も「八角墳」が主流となった。
古墳時代の歴史を今一度知るのにも、この体験館は訪れる価値が大いにある。
そして、明日香村を代表する古墳といえば、やはり「石舞台古墳」は外せない。
石舞台古墳は、7世紀初頭の権力者だった蘇我馬子の墓と伝えられる、日本最大の方墳。現在は、墳丘の盛り土がなくなり、巨大な石を積み重ねて作られた両袖式の横穴式石室が露呈している。天井石の上面が広くて平ら、まるで舞台のように見えることから“石舞台”と昔から呼ばれてきた。
使用された石の数は30個以上。総重量は約2300トンにも及ぶ。近くで見るほどその大きさと迫力を実感できる。
石室だった部分に入ることもできる。天井がとても高い。造られた当時の土木運搬技術の高さもうかがい知れる。
日本旅行では、橿原・飛鳥をはじめとした奈良にあるフォトジェニックスポットや古墳をテーマとした旅行ツアーを実施。古墳シンガーであるまりこふんさんと古墳を巡るツアー、絶景プロデューサー詩歩さんとフォトジェニックスポットを撮影するツアーの2つがあり、参加者を募集している(2020年12月・1月催行予定)
■【橿原市×日本旅行】おすすめツアー紹介サイト
https://kashiharatour-20202021nta.com/
■橿原市観光協会
http://www.kashihara-kanko.or.jp/
(Written by A. Shikama)
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