アジア太平洋地域におけるM&Aデジタル化最新情報~新しい技術と既存システムの統合が課題~

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M&AのSaaSプラットフォームであるDatasiteはアジア太平洋地域のM&Aの現状や今後の見通しを調査し「The New State of M&A:An APAC Perspective」として発表しました。

レポートによると、アジア太平洋地域全体のM&Aプロセスのデジタル化が、ほかの地域と比較すると遅れていることが判明しました。また、将来M&Aを実施するための新しいデジタルプロセスの導入に関して少しネガティブにとらえているようです。人工知能のような新しい技術がデューディリジェンスの実行にかかる時間を短縮することも信じていないことがわかりました。

さらに、アジア太平洋地域のM&A担当者の55%は、自社のM&Aに関する2025年までのデジタル・技術の成熟度・洗練度レベルは、中レベル程度だろうと回答。そのうち日本のM&A担当者の50%も2025年までのデジタル・技術の成熟度・洗練度レベルは中レベルまでしか上がらないだろうと予測し、アジア太平洋地域の担当者と同様の見解でした。

アジア太平洋地域のM&A担当者は、2025年までに新技術の導入でデューディリジェンスにかかる期間は現在の3~6ヶ月から1~3ヶ月まで短縮できると予想しており、日本の担当者の60%もデューディリジェンスの期間は2025年までに1~3ヶ月まで短縮されると予想しています。一方で、欧州および中東・アフリカ地域のM&A担当者は2025年までに1ヶ月未満に短縮されると予想しており、アジア太平洋地域との間で約2ヶ月の差がみられました

デジタル化を阻む「壁」

アジア太平洋地域のM&A担当者はM&Aプロセスのデジタル化や新しいシステムを導入の障壁として、新しい技術と既存システム・ツールとの統合を例に挙げています。その他、データセキュリティおよびプライバシーの問題、財務的制約、専門知識の欠如、および企業文化なども課題になっているようです。

グラフ1
それでも、新技術がM&Aのプロセス全体の標準化をさせ、取引の解析能力やセキュリティを強化できると予想しています。また、バーチャルデータルームの一部としての書類やプロセスの標準化やAIおよび機械学習技術が、デューディリジェンスを最も改善、強化および加速できると考えています。

ESG要素がさらに重要に

M&Aのデューディリジェンスにおける検討事項としての環境、社会およびガバナンス(ESG)に関する基準もまた、アジア太平洋地域のM&A担当者にとってますます重要となっているようです。

グラフ2

実際に、アジア太平洋地域の担当者は他の2つの地域と比べ、ESGが重要であり、M&Aにおける非常に重要な検討事項であるという答えが多く見られました。調査に回答したアジア太平洋地域のM&A担当者のうち、82%は今後5年間でESG要素がM&Aのデューディリジェンスにおいて非常に重要な検討事項となると回答しており、2020年現在の27%からかなり上昇しています。
この調査について

「The New State of M&A:An APAC Perspective」では北米・中南米や欧州・中東・アフリカ(EMEA)、アジア太平洋(APAC)の企業やプライベートエクイティ企業、投資銀行、法律・専門サービス企業の2200人以上の担当者が回答してします。そのうちアジア太平洋の回答者は全体の約30%にあたる669人。

参考:「The New State of M&A:An APAC Perspective」レポート
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