「前向きな感想が本当に嬉しい」 ファンレターが決め手で売れない漫画家が2巻を出す実話マンガから勇気を貰える

33歳で彼氏ナシ、中堅漫画家の美空輝子が編集者やアシスタントたちに振り回されつつ正面から漫画に向き合うというストーリーに心揺さぶられる熊田龍泉先生(@ryuu1000)の『それでもペンは止まらない』(ヒーローズコミックス)。2020年1月15日に第2巻が刊行決定となった事に関して、読者からのファンレターが後押しになったというエピソードのマンガが公開されています。

※参考記事 グイグイ来るイケメン男子高校生に33歳女性漫画家は…… 『それでもペンは止まらない』スピンオフの輝子先生がカッコいいけどチョロインかも?
https://otajo.jp/89320 [リンク]

「実は皆様にお伝えしていない事がありました」として、『それペン』の2巻以降の単行本が未定で、最悪出ないことも考えられたといい、「確かにイチャイチャでニヤニヤしたり、鬼をカッコよく倒すような漫画が流行っている現代…。売れない漫画家(無駄に美人)がひたすら泥臭く漫画と向き合うだけの話が支持されるわけないわよね」となる輝子先生。「ははは、別にいーよ。単行本が下手に出て売れなかったら終わっちゃうしー」と言いつつ、「私は今日も、自分が面白いと思ったものを描くだけ」と言い聞かせるようにつぶやきます。

しかし。その後に編集から「『それでもペンは止まらない』、2巻発売する事になりました」と伝えられて、「え!?何で…!?」となった輝子先生。それに対しての答えはファンレター。編集部に送られてきた一通の手紙には、自分も夢に向かって頑張っていること、でもうまくいかない時もあること、そんな時いつもこの漫画に背中を押されている事……そんな想いが熱く書かれてあったといい、「編集部としてもこれは出さないといけないと思いまして。2巻…、頑張りましょう」という言葉に「こんなことがあるんだ…」と噛みしめるのでした。

2020年8月12日に刊行された単行本1巻が重版出来となった『それペン』。熊田先生は「重版はほんの一部の作家さんだけができるもの。自分には一生ないと思っていたので信じられない気持ちでした。フォロワーさんのおかげだと思っています」と感謝の言葉を寄せて、「ネットでの感想も、手紙などでの感想も、もちろん全部嬉しいです。やっぱり漫画を読んで、仕事や夢、勉強や恋など“頑張ってるけど上手くいってないことがある”という方からの前向きな感想が本当に嬉しいです」といいます。

人気アンケートや打ち切りといった様々なプレッシャーの中、漫画家を続ける原動力について尋ねると、「自分は本当に不器用な人間です。そんな自分が人に喜んでもらえるのが漫画です。原動力というか……これしか出来ないんです」と答えてくれた熊田先生。そんな姿勢は輝子先生にも重なるところがあり、勇気を得られる理由になっているように感じられます。

2巻刊行に向けて、お返し企画などを進めているという熊田先生。「今も何かお返し出来ないかと動いております。その際は受け取ってくださいね」とのことなので、ファンならずとも注目です。

『それでもペンは止まらない』第一話(ヒーローズ)
https://viewer.heros-web.com/episode/10834108156766711886 [リンク]

※画像はTwitterより
https://twitter.com/ryuu1000 [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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