不定期に箱根駅伝で輝き放った、ドラマを生んだそんな歴代の選手たちを紹介する記事の第4弾は双子ランナー・設楽兄弟に焦点を当てて紹介していきたいと思う。
箱根駅伝の歴史を振り返ると近年だけでも双子ランナーが意外にも多い。その中でも近年の双子ランナーのパイオニアと言っていてもいいこの2人を紹介したい。
●設楽兄弟とは?
1991年12月18日生まれ、埼玉出身の兄・啓太、弟・悠太の双子ランナー。
武蔵生越高校時代から注目を浴びていて、兄弟そろって鳴り物入りで東洋大学に進学。1年生の時から箱根駅伝を含む出雲、全日本の3大駅伝に出場し、輝かしい成績を残している。
特に弟の悠太は前マラソン日本男子の記録保持者ということもあり注目され、記憶に新しい。
●兄・啓太「栄光と挫折、そして兆し」
東洋大学時代、2011年の第87回箱根駅伝では1年生ながら箱根駅伝でエース区間の2区を走った。その後3年連続で同区間を走った。山の神ことOBの柏原竜二が卒業して以降、5区の山登りをするランナーが定まらなかった。4年の時に5区を主将として走り区間賞を獲得した。
兄・啓太はライターの印象はどんな状況でも安定して好成績を出せるタイプのように感じた。
そんな啓太は2014年4月大学卒業後にコニカミノルタへ入社。最初のうちは期待通りの走りをしていたが、徐々にケガなどもあり、結果を出せなくなってしまう。2017年3月にコニカミノルタを退社。そして同年9月に日立物流に入社し、新しい環境で再起をかけることになる。すぐに復調とはならなかったものの、今月3日に行われた東日本実業団対抗駅伝では区間賞を獲得し、本格的に復活しそうな気配が出てきた。大学時代のように輝きを取り戻すのも近いかもしれない。
【日立物流陸上部HP】
https://www.hitachi-transportsystem.com/jp/profile/running/member/post-1.html
●弟・悠太「我が道を行く」
東洋大学時代から啓太同様に活躍を見せてきた悠太は爆発力があり、ここぞという時に抜群のタイムと成績を出せる印象があった。箱根ではスピードランナーが集う3区、2年の時はかつて繋ぎの区間と呼ばれていた7区では2位にダメ押しを与える当時の区間新記録を達成。この結果から7区の重要性が取り上げられているようになり、強い選手をエントリーすることが増えたようにも思える。
2014年4月大学卒業後はHondaに入社。その後は爆発力に加えて安定感が増してきたように感じた。そして大学時代と逆転して啓太より評価されるようになった。
現在は大迫傑に塗り替えられたものの、2018年に16年ぶりにとなるマラソン男子の日本記録を更新する。その後も2019年の東京五輪マラソン代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」でスタート直後から飛び出し、一時は集団を2分離す快走を見せたが、終盤に失速。結果はでなかったものの自身のスタイルを貫き通している。悠太は常に世界との戦いを見据えての挑戦を行っている。それがどんな重要な試合でも確実に勝つのではなく、タイムに徹してなお勝という心の強さは大きな武器に感じる。
【Honda HP】
https://www.honda.co.jp/sports/track/player.html#player
●2021年の元日に直接対決?
最初の日本一を決めるとも言われる「ニューイヤー駅伝」で設楽兄弟の双子対決が見られるかもしれない。啓太が調子を上げていることもあり、4区のエース区間で並走となったら、かなり面白い展開になる。
ここ最近は悠太に注目が行きがちだったが、今シーズンは啓太にも是非注目してもらいたいと思う。
今から2021年元日が楽しみだ。
(Written by ユーサク)