「どんぶり勘定」とは言うけれど、ここでいうどんぶりはかつ丼や親子丼といった丼ぶりとは関係ありません!

「どんぶり勘定」とは言うけれど、ここでいうどんぶりはかつ丼や親子丼といった丼ぶりとは関係ありません!

「どんぶり勘定」は、特に細かく計算せずにお金の出し入れをすることを意味します。
また、お金に無頓着な人のことを揶揄して指す表現でもあります。

この「どんぶり勘定」に使われている「どんぶり」は、かつ丼や親子丼といった食事の事ではありません。
その昔に職人などが使う前掛けに付いていた小物が入るスペースのことを指しています。

そこで、ここではどんぶり勘定という言葉の意味はもちろん、その語源や由来となった物事についても併せてご紹介します。

どんぶり勘定とは

 

まずは「どんぶり勘定」という言葉の意味と類義語について解説します。

どんぶり勘定の意味

どんぶり勘定とは、細かく計算しないで、大まかにお金の出し入れをすることです。

簡単にいえば大雑把に勘定をしてしまうことを指します。
お金にルーズな人やお金にアバウトな人を指して、「あの人はどんぶり勘定な人だな」と揶揄する際に用いられることが多いです。

どんぶり勘定の類義語は「目算」や「放漫財政」

どんぶり勘定の類義語としては「目算」や「放漫財政」などがあります。

目算とは細かい計算はせずに大づかみに検討をつけることを指しており、いわゆる目分量で計算することを指している言葉です。
別名では目子勘定と呼ばれます。
ただ、目算には予期した計画や目論見という意味もあるので使う際には注意が必要です。

放漫財政とは雑で甘い予算管理をしている状況を指す言葉です。
細かい終始を計算せずお金を無造作に使うことを意味しています。
この言葉もどんぶり勘定と似た意味を持ち、適当に計算して済ませてしまうこと全般を指す言葉です。
ただし放漫財政の場合、用いる対象は個人よりも、企業や国家などになります。

どんぶり勘定の語源

 

では「どんぶり勘定」という言葉はどのようにして生まれたのでしょうか?

どんぶりは前掛けに付いた小物入れのこと

どんぶり勘定の「どんぶり」とは、職人などが使っていた前掛けにつけられていた小物入れの「どんぶり」のことです。

そのどんぶりから無造作にお金を出し入れして使ったことが語源とされています。
この適当に計算していた様子から、どんぶり勘定という言葉が生まれたとされています。

転じて帳簿などを付けずに適当に計算している人を指す言葉としても定着して、現代でもそのままの意味で使われているわけです。

「丼勘定」と書いてもOK!

どんぶり勘定は通常「どんぶり勘定」のようにひらがな表記をするのですが、漢字表記で「丼勘定」と書いても問題はありません。
ただ、普段私たちが目にしている料理用の器の丼とは別物から来ているので、そこは注意してくださいね!

「丼」には本来別の意味で使われていた?!

 

そもそも「丼」という言葉自体が、現在のような意味とは別の意味で用いられていた言葉だとされています。

「丼」という字の成り立ち

丼とは現代では食べ物を盛り付ける茶碗よりも厚手で、より大きくて深い陶製の鉢のことを指す言葉となっています。
食器そのものを丼と呼ぶこともあれば、料理そのものを丼と呼ぶこともありますね。

ところが、丼の最初の意味は「井戸」のことだったのだとか。
そして、「井」という字は「丼」の派生として生まれたとされています。

「丼」という漢字には、井戸に物を投げ入れた時のものの音という意味もあり、これが漢字の成り立ちでもあります。
水の周りを囲った「井」の中に、石などをあらわす「﹅」を投げ込むと『ドボン』と音がしますよね。
これが、漢字の成り立ちと共に「どん」という読みの由来ともなっているとされます。

そしてそれが転じて、石を投げ込まれた「井戸」自体を指すようになり、さらに「﹅」を略した「井」が井戸の事を意味するようになりました。

まとめ

どんぶり勘定というのは、あまり細かな計算などはせずに適当に計算して勘定をしてしまうことを指している言葉です。

職人などが使っていた前掛けに付けられた小物入れが関係しているとされているとされています。
その小物入れがどんぶりと呼ばれていました。
そこから適当に無造作にお金を出し入れしていたことで「どんぶり勘定」という言葉が生まれました。


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