いつも思うんだけど、こういうのを「女性」とか「既婚女性」とか「男性」とか、無理やりなラベルで括って性差対立煽るのやめましょうよ

いつも思うんだけど、こういうのを「女性」とか「既婚女性」とか「男性」とか、無理やりなラベルで括って性差対立煽るのやめましょうよ

今回はしんざきさんのブログ『不倒城』からご寄稿いただきました。

いつも思うんだけど、こういうのを「女性」とか「既婚女性」とか「男性」とか、無理やりなラベルで括って性差対立煽るのやめましょうよ

タイトルである程度完結しているのですが。

「「趣味が心の支えになってる人がいる」ということを理解できない人」 『togetter』
http://togetter.com/li/417628

そういえば、友人が受験疲れで鬱になった時もアニメグッズを母親に全部捨てられたときだったなあ。そういうそういう趣味が精神的な支えになってる、ってことを理解できない共感能力の低い人はそこそこいるよね。なぜか女性が多いけど。

ちなみに、先ほどの母親、お子さんがブランドバッグを全部捨てて回ったらどうしますか?というと「殴るだけじゃすまない」と言っていたのだが、その、こう、自分がやっている「趣味の品を捨てる」という行為がその「ブランドバッグを捨てて回る行為と同じ」って理解してないのがまたなんとも。

だからさー、そんなの人によりますって。「一般的に、こういう人は女性/既婚女性に多い」なんてこと、統計の話なしじゃ言えないでしょうに。

確かにそういう、「趣味が心の支えになっていることを理解出来ない→そういったものを捨ててしまう」人はいるのでしょう。「捨てる = 家庭内の荷物の整理、掃除」という家事は、家庭内に主婦がいる場合、主婦が担当していることが(おそらく)多いでしょう。そこから考えると、「趣味の物品を捨てる」ということの主体が既婚女性である、という例は確かに多いのかも知れません。統計なしの単なる推測ですが。

けれど、この話の根本的な問題は「趣味に対する共感の欠如、無理解」及び「自分の趣味と相手の趣味が等価である、ということの無理解」ですよね? それが女性に偏っている、なんてこと、ただ観測範囲内の一例をもって言える訳がないじゃないですか。

観測範囲内の話だけでいいのであれば、私だって「女性の趣味に共感出来ない男性は多い」って話出来ちゃいますよ。私自身、「ブランドバッグ集め」とか「ブランド服収集」といった趣味には、残念ながらさっぱり共感出来ませんし。同様の人はまとめサイト界隈、あるいはまさにこのTogetterの中にも観測出来ます。娘の趣味に無理解な父親、なんて話も山ほど観測出来ますし。一方、うちの奥様は私の趣味にすげー理解があるので心底助かってますが。

ヨタ話というなら、こういう「観測範囲内の限られた例だけで、女性・男性といった大きな括りを語ること」こそ、ヨタ話と呼ばれるべきなのではないでしょうか。

当該Togetterのコメント欄などをみていると、同様の限られた例をもとに、大きなラべリングの話に展開させているコメントが結構多いように思えます。

これが平和な茶飲み話なら別段ヨタ話でも問題ないと思うんですが、性差対立を煽る話とか、世代対立を煽る話が、同じヨタ話を起点に昔から行われているように思いまして、長い目でみればあんまりよくない影響があるように感じましたので、僭越ながら指摘させて頂きました。個人的には、大きな括り同士の対立を煽る話には、同じ構造の(つまり、限られた観測範囲の話を使って、大きな括りの議論にして対立を煽る、という)議論展開が多いように思います。

念のためですが、私は「女性には「趣味が心の支えになってる人がいる」ということを理解できない人が多い」という話を否定しているわけではありません。統計なしで大きなラべリングの話をしちゃったら、それは結局ヨタ話でしょう、と言っています。その点、何卒よろしくお願いします。

ちなみに、

女性が共感能力が高い、とかいうヨタ話を聞くと、ぜってー嘘だ、とか思っちゃうんよねえ。

そりゃまあ、仮に統計無しの無理やり一般化ラべリングだったら、ぜってー嘘かどうかはともかくヨタ話と断じていいと思いますが。この話の元ネタは、サイモン・バロン・コーエンの著作みたいですね。

「『共感する女脳、システム化する男脳』 サイモン・バロン・コーエン NHK出版」 2011年12月21日 『お気らく活字生活 』
http://okirakukatuji.blog129.fc2.com/?mode=m&no=251

原著に当たれていないのでなんですが、統計的な裏付けがとれている話のように読めます。もっとも、ここで語られているような「共感能力」というニュアンスとは違う話だとは思いますが。

今日言いたいことは以上です。

執筆: この記事はしんざきさんのブログ『不倒城』からご寄稿いただきました。

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