在日韓国・朝鮮人が嫌われる理由
今回はuncorrelatedさんのブログ『ニュースの社会科学的な裏側』からご寄稿いただきました。
在日韓国・朝鮮人が嫌われる理由
「差別はネットの娯楽なのか」と言うシリーズ*1で、ライターの李信恵氏が在日韓国・朝鮮人としての思いをつつっている。三回目が李氏の主張を要約していると思うのだが、シリーズを通じて (1)国籍(在日韓国・朝鮮人)による差別を批判、 (2)日本国籍を取得することを拒否、 (3)母国への帰国は不可能と主張する内容となっている。しかし、批判している差別がよく理解できない。
*1:
「差別はネットの娯楽なのか(1)――チャンネル桜「在日は日本のゲスト」」 2012年11月13日 『ガジェット通信』
https://getnews.jp/archives/272567
「差別はネットの娯楽なのか(2)――外国人女性タレント・フィフィ「在日外国人の生活保護受給はおかしい」「なぜ愛する母国に帰らないのか?」」 2012年11月14日 『ガジェット通信』
https://getnews.jp/archives/272646
「差別はネットの娯楽なのか(3)――元2ちゃんねる管理人ひろゆき「帰化すればいいんじゃないですかね」」 2012年11月18日 『ガジェット通信』
https://getnews.jp/archives/273744
1. ネトウヨの示す嫌悪感は差別なのか?
「差別はネットの娯楽なのか」と言うタイトルで、「帰化してもなお続く差別」と見出しがあるので、精神的なモノのようだ(もっとも大きな問題になるであろう就職差別は年々と無くなって来ており、1993年の時点でも改善が見られていた(金(1995)*2)。
*2:「在日韓国人の学歴と職業」 『THE HAN WORLD』
http://www.han.org/a/nenpou16.html
現時点では、公的機関への法的な制約を除外すれば、ほぼ無くなっていると思われる。)。
また「帰化する理由がない」と言っているので、政治に参加する権利が無い事は問題では無いようだ。つまり、在日韓国・朝鮮人への嫌悪感に関して不満を述べている。これは差別と言えるのであろうか。
2. 帰化すればルーツを喪失すると言う主張は理解し難い
李信恵氏は帰化も帰国も拒否するわけだが、すると何のために韓国国籍を維持しているのかは、日本人には分かりづらい。米国や南米の日系人は帰化しているし、華人もコミュニティーや文化を守りつつも帰化はしている。また、帰化してもルーツを忘れる必要は無い。
3. 在日韓国・朝鮮人は、日本に移住することを選択した人々
ルーツと言えば、在日韓国・朝鮮人は、戦前からの流入者か、戦争末期の渡航者か、済州島四・三事件や朝鮮戦争の混乱でやってきた人々で、帰還事業で帰らなかった人々だ*3。韓国政府が帰国を拒否した事もあるのだが、積極的に日本に留まる事を選択した人々でもある。
*3:「在日・強制連行の神話 (文春新書) [新書]」 鄭 大均(著) 『amazon』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4166603841/
4. 誇示するルーツが反日国家であると言う問題
在日韓国・朝鮮人の大半は、日本社会で生きていくしかない。しかし、日本国籍の取得を拒否し続けているし、著名人の中に母国や自民族への強い自尊心を見せる人々も多い*4。それが日本の友好国であれば気にする人も少ないと思うが、テロ国家の北朝鮮や反日感情の強い韓国だから、周囲からの不信感を呼ぶ事になる。
*4:「北朝鮮の金正日の死を悼めるか?金明秀の北朝鮮擁護を考える」 2011年12月20日 『ニュースの社会科学的な裏側』
http://www.anlyznews.com/2011/12/blog-post_20.html
5. 被差別意識を訴えるほど、在日韓国・朝鮮人への嫌悪感は増す
ネトウヨの在日韓国・朝鮮人への嫌悪感は、結局は母国に執着する在日韓国・朝鮮人の態度から出てきているように思える。在日韓国・朝鮮人が日本に流入したときには、朝鮮半島に今のような政治体制も民族的自意識も無かったはずだし、懐古するべきルーツがそこにあるようにも思えないのだが。ともかく、李信恵氏が被差別意識を訴え母国を誇るほど、在日韓国・朝鮮人への嫌悪感も増して行くのであろう。(もちろん、韓国や北朝鮮ではそうではなくても、言論の自由は日本にはあるので、問題は無い。)
執筆: この記事はuncorrelatedさんのブログ『ニュースの社会科学的な裏側』からご寄稿いただきました。
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