ルイス・ハミルトンがF1歴代単独最多の通算92勝目をマーク 未だシューマッハーが優位に立つとされるポイントとは?
25日に行われたF1第12戦ポルトガルGPでメルセデスのルイス・ハミルトン(35)がポールポジションから優勝。通算92勝目とし、最多勝記録で並んでいたミハエル・シューマッハー(ドイツ)を抜いて単独最多となった。最多勝記録が更新されるのはシューマッハーが最後に優勝した2006年の中国GP以来、14年ぶりだ。
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F1では単独最多の通算92勝目をマークしたハミルトン(メルセデス提供)
シューマッハーは308戦にエントリーして91勝。勝率は2割9分5厘だ。対してハミルトンはポルトガルGP終了時点で262戦して92勝。勝率は3割5分1厘と高率を誇っている。ちなみに音速の貴公子と呼ばれたアイルトン・セナは162戦にエントリーして41勝で、勝率2割5分3厘と2人よりも率は低い。
シューマッハーとハミルトンのどちらの実力が高いのか。最多勝記録がクローズアップされてから常に議論されている。現行のパワーユニットが導入されてからはメルセデス1強の時代が続いており、ハミルトンの勝ちが増えて当然という意見もある一方で、レッドブルがルノーとのコンビで4連覇をしていた時代にこつこつと勝利を重ねていたことを評価する声もあり、見解はさまざまだ。
2人は16歳も年齢が離れているものの、現役時代に一緒にF1レースを戦ったことがある。シューマッハーが引退を撤回してメルセデスから現役に返り咲いた2010~12年だ。ハミルトンはその間にマクラーレンに在籍して10勝。シューマッハーの方は12年ヨーロッパGP(独ニュルブルクリンク)の3位が最高位だった。
F1にタイヤメーカーとして参戦したブリヂストンで開発責任者を務めた浜島裕英氏は2人のことをよく知っているが、「比較するのは非常に難しい。マイケル(シューマッハー)もタイヤの使い方が秀でているといわれるが、ハミルトンも負けていない。特にフロントタイヤの使い方は本当にうまい」と指摘した。
シューマッハーとハミルトンをタイヤ開発で支えた浜島裕英氏。現在は日本のナカジマレーシングの所属(鶴田真也撮影)
それでもある点ではシューマッハーが優位に立つことがあるという。
「人を呼び込む力、引き寄せる力はマイケルの方が上かな?」。シューマッハーは1994、95年とベネトンでシリーズ連覇。その時にチームを支えたのが当時テクニカルディレクターのロス・ブラウン(現F1運営会社マネジングディレクター)とチーフデザイナーのロリー・バーンだ。
2人はシューマッハーがフェラーリに移った後も苦楽を共にした。ブラウンは一緒に新天地に引き抜かれ、デザイナー引退を表明していたバーンもシューマッハーに説得されて跳ね馬の一員となった。ちなみに2010年にメルセデスからF1に復帰した際にチーム代表を務めていたのがブラウン。シューマッハーの周りには血の結束のようなものがある。
一方のハミルトンは勝利した後は公式インタビューなどで必ずチームスタッフの仕事ぶりをたたえるものの、他のドライバーとは不必要に交わることなく、常に孤独な闘いをしているように映る。F1を引退したら、そのまま2度とパドックに戻ってこないような気さえする。
強いドライバーが強いチームに仕立て上げるのはF1では自然の流れ。もちろん、優勝請負人として高額の契約で加入するケースもあるだろうが、フェラーリにせよ、メルセデスにせよ、そのチームが黄金時代に導かれるのは強いドライバーがいてこそだと思う。
ハミルトンの次の世代でトップを張れるのはやはりマックス・フェルスタッペンではないか。うまく行けば、来季はレッドブル・ホンダがチャンピオンを取れるかもしれない。が、ホンダはその年でF1から撤退する決定を下しており、1年限りの栄華では黄金時代とは呼べない。そこがつくづく残念なところだ。
[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]
トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)
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