飛行する鳥の中でも最大級!「コンドル」ってどんな鳥?なんで頭部に毛が無いの?
コンドルは空を飛べる鳥の中でも最大級の大きさを誇る鳥とされ、古くからアンデス地方では神に近い存在として崇められてきました。
そんなコンドルは頭の毛がないのも特徴であり、鳥の中ではかなりユニークな見た目をしているのも特徴です。
そこで、ここではそんなコンドルはどういう鳥で、そもそもなぜ頭の毛がないのかについてなど詳しく解説していきます。
その他、インカ帝国との関係などもご紹介するので、ぜひ読み進めてみてくださいね!
コンドルとは
コンドルはタカ目コンドル科コンドル属に分類される動物で、主にアンデス地方にいるコンドルなどの鳥類を指します。
ここでは、まずコンドルがどういう動物なのか解説します。
飛行する鳥の中で最大級の体格
コンドルの特徴はその体格の大きさにあります。
コンドルは鳥の中で最大級の体格を持っているとされ、その体格は全長で約1.3mほど、翼を広げると約3.2mにもなるそうです。
人間の身長が1.6m~1.8mほどと考えると、非常に大きな鳥だということがわかるのではないでしょうか?
コンドルは体重も約7.7kg~15kgほどあり、飛べる鳥の中では最重量級です。
実物を見てその大きさに驚く人も少なくありません。
生息域
コンドルの生息域は南米大陸のアンデス山脈が中心です。
主にアルゼンチンやエクアドル、コロンビア、チリ、ペルー、ボリビアなどのアンデス地方に分布しています。
体格が大きいことで空を飛ぶ際には風の助けが必要となることなどから、コンドルはアンデス地方など常に強風が吹いている地域で生活していることが多いと考えられています。
なお、巨体ではあるものの風さえあればその気流に乗ることで、羽ばたくことなく自由に空を飛ぶこともできるそうです。
事実、獲物を求めて約250km~500kmほど移動することもあるのだとか!
コンドルは超長寿
コンドルはその他にも特徴があって、超長寿というのも特徴です。
その平均寿命は約50年~70年とされ、人間並みの寿命を誇ります。
ペットとして飼われるセキセイインコなどの鳥類の寿命は約5年~7年ほどなので、それに比べると約10倍長生きする鳥類と言えますね。
頭部に毛が無いのは食性のため
コンドルの特徴といえば、頭に毛がないのもその1つですよね。
ここでは、そんなコンドルの頭に毛がない理由についてご紹介します。
コンドルの食性
コンドルの頭に毛がないのは、その独特な食性が原因となっています。
コンドルは屍肉を食べる腐肉食性の動物であり、主に動物の死体に頭を突っ込んで食べるのが特徴です。
そうなるとどうしても頭が不衛生になりますよね。
毛に死体から出る体液や血液が染み込むとより不衛生になるため、それを防ぐために頭の毛がないとされています。
コンドルの頭部に毛が無い理由
コンドルが食べる動物の死骸は腐敗していたりしてかなり不衛生となっているため、汚れが付着してしまわないように頭の毛がありません。
また、万が一汚れたとしても直射日光が当たることで殺菌効果を得られるようになっており、太陽光の熱で雑菌を退治できるようになっているのです。
そのため、コンドルは頭に毛がありません。
南米で信仰されるコンドル
南米ではコンドルはとても神聖な動物とされており、特にインカ帝国などでは神の使いとして崇められていたとされています。
ここからは南米の文化とコンドルの関係について紹介します。
ナスカの地上絵の代表
南米にある世界七不思議の1つ、ペルーが誇るナスカの地上絵は世界遺産に登録されているのですが、その中にコンドルの地上絵もあります。
ナスカの地上絵には当時暮らしていた人たちにとって重要な動物が描かれているとされ、現地には約135mにも及ぶ巨大なコンドルが地上絵が描かれているそうです。
それほどコンドルは神聖視されていた動物だということがわかります。
インカ帝国最後の皇帝とコンドルの間にある伝説
コンドルはインカ帝国最後の皇帝とも深い関係があるとされています。
かつてインカ帝国が繁栄したペルーは、15世紀にスペインに征服され植民地となります。
当時スペイン植民地当局の先住民に対する抑圧と収奪は非常に激しく、それに対する反乱も各地で頻発していました。
そんな中、立ち上がったのが「コンドルカンキ」という人物でした。
ペルー副王領ティンタ群の集落長であったコンドルカンキは、自らをインカ帝国最後の皇帝「トゥパク=アマル」の末裔であると自称し、自らを「トゥパク=アマル2世」と名乗り決起します。
1780年11月4日、コンドルカンキは自らトゥパク=アマル2世を名乗り、ティンタ郡の代官を誘拐し、これまでの悪行を告発し処刑、国内の代官は全て同じ罪を犯していると訴え、反乱を宣言しました。
反乱軍は結果的に5か月後に強大な力に鎮圧されてしまうものの、コンドルカンキの反乱が呼び水となった反乱はアンデス各地に広がり、今日の南米各国の独立に少なからず影響を与えたとされています。
そのことでコンドルカンキという名前は、ペルーにおける民族主義の象徴となり、永く人々の記憶に残ることとなったという伝説があるのだとか。
また、コンドルカンキの言葉“Campesino, el patrón ya no comerá más de tu pobreza”(農民よ、地主は二度とあなたの貧しさを食いものにはしない)は今でもペルーの政治で引用されることもあるそうです。
マチュ・ピチュとコンドルの関係
コンドルはペルーの世界遺産、マチュ・ピチュとも関係があるそうです。
マチュ・ピチュ遺跡内にはインカ帝国のシンボルであるコンドルの神殿があります。
また、遺跡の対面にあるワイナ・ピチュ山の山頂から見下ろすとコンドルの形に見えることから、古代都市自体がコンドルをモチーフにしていたのではないかという説もあります。
事実、山頂からの眺めは翼を広げるコンドルをひっくり返したように見えるそうです。
そのことからマチュ・ピチュは、コンドルというテーマを決めてから都市計画を進めていったのではないかと考えられているのだとか。
まとめ
コンドルは非常に大きな鳥かつ超長寿な鳥で、頭に毛のない鳥です。
そんな個性の塊のような鳥は、南米で神聖視されて重宝されています。
事実、かの有名な世界遺産であるナスカの地上絵やマチュ・ピチュとも関係があるとされ、現地では神に近い存在ともされる動物です。
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