幻の洋梨と呼ばれるルレクチェ!食べごろや切り方は?
ルレクチェとは新潟特産の洋梨の一種です。洋梨というとラフランスが真っ先に思い浮かぶ方が多いと思います。しかし、ルレクチェもラフランスに負けず劣らず美味しい洋梨です。ルレクチェについて、食べごろや切り方などをご紹介します。
ルレクチェってどんな洋梨?食べごろや切り方をご紹介!
ルレクチェは、新潟県の特産品として贈答用で目にすることはあっても、一般に市場に出回る数が少ないため知らない方の方が多い洋梨です。そのため食べごろや切り方がわからなくて、本当の味を楽しめなかったり、食べる前に腐ってしまったりすることもありえます。
ルレクチェがどのような洋梨でどう食べたらよいのか、知っておいて損はありません。追熟のさせ方から食べごろの見極め方、切り方までご紹介します。
ルレクチェとはどんな洋梨?
ルレクチェはフランス原産の洋梨の1品種で、1908年に新潟県白根で生産が始まりました。新潟県で栽培されるようになった理由は、夏が短くて冬は寒く、さらに風が強い気候条件がフランスと似ていたためです。
ルレクチェは洋梨の中でも最も栽培が難しい品種といわれていて、「幻の洋梨」と呼ばれています。生産国のフランスですらほとんど栽培されていないため、生産量が少なくとても希少価値の高い洋梨です。
10月下旬~11月にかけて収穫期を迎え、収穫から約1か月の追熟期間を経て出荷されます。食べごろになるのは収穫から約40日後で、旬は11月下旬~12月と非常に短い期間しか楽しめない洋梨です。
ルレクチェの特徴
完熟したルレクチェの果肉は、きめ細かくてざらついた感じもなく、なめらかな舌触りをしています。桃のような食感とも例えられ、酸味が少なく糖度は16度以上と、かなり濃厚な甘みのあるジューシーな洋梨です。
洋梨の定番品種であるラフランスとは見た目も違い、表皮に黒い斑点がありません。まだグリーンのうちに収穫された実は、追熟の過程で完熟バナナを思わせるブライトイエローに変化します。
ルレクチェは外見が美しいだけでなく、芳醇で甘く濃厚な香りもすることから、「西洋梨の貴婦人」と呼ばれている品種です。
ルレクチェの追熟方法
洋梨の特徴として収穫直後は美味しくないため、必ず追熟することが必要です。追熟する過程でデンプンは分解されて糖分に変わり、不溶性のペクチンは水溶性に変わります。こうしてルレクチェならではのとろける食感と甘みが生まれるのです。
買ってきたばかりの頃は、ある程度追熟がすんでいるとはいえ完全ではありません。では追熟が終わるまではどのように管理したらよいのでしょうか?
ビニールがかかっていたら取らない
ルレクチェはビニールでできた包装袋に入って売られています。この包装袋には目にはみえない小さい穴が開いていて、水分の蒸発を防ぎながらも中のルレクチェが呼吸できるようになっている優れものです。中のルレクチェを守ってくれるので、取らないまま追熟しましょう。
温度管理が大切
ルレクチェは冷蔵庫での保存は避けて追熟します。すぐに食べたい場合には、気温が20℃ほどの場所で保存するとよいでしょう。一方であとから食べる分は、気温が10℃以下の涼しい場所に置くことで、食べごろを調整することができます。
いくつもいっぺんに完熟してしまって食べきれないときは、ラップやビニール袋で包んでから冷蔵庫に入れて保存しましょう。完熟後はできるだけ早めに食べきってください。
ルレクチェの食べごろの見極め方
ルレクチェの食べごろの見極め方は、包装されているビニール袋にも書かれています。チェックポイントは、色・香り・硬さ・軸・首の5か所です。それぞれどうなったら食べごろなのかをご紹介します。
色
通常売られているものは、全体的に薄い黄色になっていますが、まだところどころ緑がかっていたり、黄色の濃さも不十分なものが多くみられます。完熟するにしたがって、全体的に黄色が濃くなっていき、完熟バナナのようなブライトイエローになったら熟しきった証拠です。
少し茶色がかった濃い色の斑点のような模様がでてくるくらいがちょうどといえます。
香り
包装袋がかかったままでも、甘くて芳醇な香りが漂ってくるようになります。わざわざ鼻を近づけなくてもわかるほど、強く甘い香りです。袋ごと手に取って香りを確認するだけで、完熟したことがわかります。
柔らかさ
ルレクチェはお尻の部分から柔らかくなりはじめます。そのためお尻の部分を少し力を入れて押してみてください。押された部分がへこんだり、つぶれるような感触があれば追熟が進んでいます。
つづいて中央部分の硬さもチェックしましょう。一番最後に柔らかくなる中央部分も柔らかければ、追熟は終わっています。ルレクチェはとても柔らかくなる洋梨なので、桃のようなトロトロとした食感を楽しんでください。
ただしこの確認方法は、あまりやり過ぎるとルレクチェが傷んでしまう原因にもなる方法です。色や香りなどほかでチェックを入れてから、最後に試すようにしましょう。
軸と首の部分
一番追熟度合いがわかりやすい部分が軸と首の部分です。追熟が完了したルレクチェは、軸と首の部分が茶色っぽく変色して、シワがいくつも寄っています。軸が茶色く変色して、しなびて付け根もシワだらけなら確実に食べ頃です。
ルレクチェの切り方
ルレクチェが完熟したら、待ちに待った実食です。切り方は簡単で、ほかの洋梨と同じ切り方で食べます。
切り方の手順は、最初に首の部分を少々落としてください。後は4~8等分のくし切りにして、りんごの切り方と同様に芯を取り除きます。最後に皮をむけば後は食べるだけです。
芯の取り方は他にもあります。ルレクチェは柔らかい洋梨なので、計量スプーンの小さじを使って芯だけをくり抜いて取り除いてください。後は先ほどの切り方と同様に、くし切りにして筋を取り除き、皮をむいて完成です。
また、洋梨は皮が薄いため、そのまま食べても大丈夫という方もいます。実際そのまま食べても問題はありませんが、食味は若干落ちてしまうので好みで切り方を分けるとよいでしょう。
食べる前に冷やしておく
ルレクチェを食べるときには、先に2時間ほど冷蔵庫で冷やしてからいただくのがおすすめです。切り方も特にコツはいらないので、そのとろける食感を楽しんでください。
おわりに
ルレクチェは出回っている数が少ないため、通常手に入るのは頂き物かお取り寄せかのどちらかになります。完熟度合いさえちゃんと見極められれば、とろける食感がたまらない美味しいフルーツです。切り方も簡単なので、ぜひ一度その味を楽しんでみてください!
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