単なる「健康法」ではない 欧米で注目バイオハックの本質

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単なる「健康法」ではない 欧米で注目バイオハックの本質

体調にはアップダウンがあるのがつきもの。それをできるだけ少なくして、いい状態を続けられるようにしたら、仕事もプライベートも充実するはずだ。もし、体力の衰えを感じて「歳かな」と思っていたり、長引く疲れに悩んでいるのなら、今の生活習慣を見直してみるべきかもしれない。

『バイオハック 肉体・精神・頭脳のパフォーマンスを最適化する技術45』(SBクリエイティブ刊)は、シリコンバレーやニューヨーク、ロンドンといった欧米都市で、エグゼクティブやハリウッド俳優など、健康に意識の高い人々の間で注目されているライフスタイルを伝える一冊。食生活から睡眠習慣にいたるまで、健康を保ち、パフォーマンスを最大に高めるライフスタイルを解説している。

今回はこれまで2000万円以上かけて、世界中の健康法を試してきたという著者の井口晃さんにインタビュー。バイオハックの本質とその実践についてお話をうかがった。

■単なる「健康法」ではない バイオハックの本質

――今は新型コロナウイルスの影響で、リモートで仕事をする方は増えています。私も家から一歩も出ない日があったり、1日誰とも会話をしない日があったりするのですが、こういう状況で心身の健康を保つためにおすすめのバイオハックがありましたら教えていただきたいです。

井口:少しでも家の中で体を動かすということでしょうね。座ったままでいるのは「新しい喫煙」と言われるくらい依存性があって、健康に良くないという話もあるくらいなので、一時間に一回は立ち上がってストレッチをするとかちょっと歩いたりするということは意識した方がいいと思います。

あとは、人とつながることです。一日中一人で家にいるとどうしても鬱々としてくるものなので、友達や両親に電話をするなど、誰かとつながりを持つことを大切にしていただきたいと思います。

――本書では45のバイオハックの技術が解説されていますが、どのように使えばいいのでしょうか。すべて実践するのは難しそうです。

井口:自分の健康を考えるうえでのガイドとして使っていただければ嬉しいです。先ほど食生活の改善のお話をしましたが、ファスティング(断食)なども始めやすいと思います。断食といっても、丸一日とか何日も食べずに過ごさなければいけないわけではなくて、この本では「断続的断食」と言っているのですが、いつも3食とっていたものを、朝ごはんを抜いて2食にしてみるとか、あるいは朝はお茶やコーヒーだけにするのでも内臓を休める時間を作ることができて、体のデトックスになります。

食生活を見直すうえでは、その日に食べたものを写真に撮って記録しておくというのもいいと思います。振り返ってみて野菜が足りないと思ったら多めに摂るなどですね。そうやって、できそうなところから始めてみて、慣れてきて興味を持てるようになってきたら、生体検査や遅延型アレルギー検査など、他のこともやってみていただくのがいいと思います。

――いろいろな健康法の情報が溢れている現在ですが、自分に合うか合わないかを見極めたり、その健康法が正しいものなのかを判断するには、ある程度リテラシーが必要です。井口さんは健康についての情報収集はどのように行っていますか?

井口:私の場合は、同じようにバイオハックに興味がある友達がいるので、そういう人に聞いたり、彼らがやっているブログやYouTubeやPodcastから情報を得ることが多いですし、自分で論文サイトを調べたりもしています。

あとは、最近思うのはやはり本の情報が確実なのかなと。インターネットの情報って、誰でも発信できるものなので、医師なり研究者なり、健康に詳しい人が書いた本を参考にする方が確かだと思っています。

――「バイオハックの原則」のところの「メリットとデメリットを天秤にかける」というのはすごく大事なことだと思いました。本書で書かれているバイオハックも含めて、健康法には大なり小なりデメリットもあると考えた方がいいのでしょうか?

井口:程度によりますがそうだとは思います。たとえば緑茶に含まれるカフェインは体に良くないんじゃないかという人がいますが、それ以上に健康への好影響もあるものだと言われていますよね。カフェインの利尿作用で水分が出やすくなってしまうかもしれないけれど、それ以上にメリットがあると思うので私は飲んでいます。

「迷ったらやらない」「とりあえずやってみる」など、人それぞれ方針はあると思いますが、いずれにしても、デメリットとメリットを両方見て、秤にかけて選択していくべきです。ただ、今回の本で取り上げているバイオハックの中で、明確にデメリットがあるものはないので、まずは一週間でも十日間でも試験的に実践してみていただきたいですね。

――今回の本で紹介されているバイオハックは、単なる健康法ではなく、健康のためのいい日常習慣といえるものも多いですね。

井口:健康は一生のことです。そのための習慣づくりという意味では、バイオハックは一生ものです。単純なダイエットや健康法ではなくて、ライフスタイルを健康なものに変えていくということなので。

だから、まずは一つか二つ、やれそうなものを試してみて、よければもっとたくさん実践してみたり、合わないと思ったらやめて別のものを試したり、そういう風にこの本を使っていただきたいです。一ヶ月に一つ良い習慣をつけていけば、一年で十二個いい習慣ができるわけで、それは後々の人生にきっといい影響を与えてくれるはずです。

健康に過ごせれば病院にかかることが減って、そうなれば医療費も減ります。私はバイオハックはものすごく費用対効果のいい投資だと思っています。

――最後に、本書を通して井口さんが伝えたいことをお聞きしたいです。

井口:今回の本では、これまで私自身が20年以上かけて、2000万円以上のお金を注ぎ込んで試してみて、効果があると感じられたバイオハックだけを紹介しています。健康について何かしないと、と考えている人や悩んでいる人、人生を充実させたい人はぜひ実践してみていただきたいです。

(新刊JP編集部)

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