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この本がスゴい!2012

この本がスゴい!2012

今回はDainさんのブログ『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』からご寄稿いただきました。

この本がスゴい!2012

人生は短く、読む本は多い。せめてスゴい本と出会えるよう、それを読んでる「あなた」を探す―――このブログの究極目的だ。ともすると似た本ばかり淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしてくれる「あなた」は、とても貴重な存在だ。

ネットで呟いたり、オフ会で発表したり、集団でブックハントに勤しんだり。バーチャル・リアルを問わず、そんな「あなた」同士の交流の場で、加速度的にスゴい本に会ってきた。中でもここ一年で読んできたものから、選りすぐりを並べてみた。

実は、ここは既読本のご紹介の場なので、氷山一角だ。だから、一番アツいfacebook「スゴ本オフ」*1を覗いてみてほしい。読まずに死ねるか級がざくざくあるデ。

*1:「スゴ本オフ」 『facebook』(閲覧にはfacebookアカウントが必要です。)
http://www.facebook.com/groups/book.talk.cafe/

昨年までの探索結果は、以下の通り。

「この本がスゴい!2011」 2011年11月30日 『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2011/11/2011-6ce1.html

「この本がスゴい!2010」 2010年12月1日 『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2010/12/2010-8d0b.html

「この本がスゴい!2009」 2009年12月2日 『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2009/12/2009-2aa0.html

「この本がスゴい!2008」 2008年11月30日 『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2008/11/2008-5e16.html

「この本がスゴい!2007」 2007年12月24日 『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2007/12/2007_9b86.html

「この本がスゴい!2006」 2006年12月24日 『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2006/12/2006_2e84.html

「この本がスゴい!2005」 2005年12月21日 『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2005/12/2005_911f.html

「この本がスゴい!2004」 2004年12月21日 『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2004/12/2004.html

以下は今年の収獲だ。感謝を込めて。

【フィクション】

■ 『笹まくら』 丸谷 才一 (新潮文庫)

「打ちのめされるようなすごい本「笹まくら」」 2012年8月14日 『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2012/08/post-a344.html

「笹まくら (新潮文庫) [文庫]」 丸谷 才一(著) 『Amazon』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101169012/

故・米原万里が、唯一、「打ちのめされるような凄い本」として掲げた一冊。ジョイス『ユリシーズ』を自家薬籠にした著者が、意識の流れを徹底的に追う構造と緻密さを、たった400ページで完成させている。

過去が襲ってくるという感覚をトレースできる。昔の失敗や、封印していたトラウマが、いきなり、何の前触れもなく、気がついたら頭いっぱいを占めている、あの感覚だ。あッという間も、逃れようもなく組み敷かれ、後悔の念とともに呆然と眺めているしかできない。

きっかけは、ちっぽけだ。些細な出来事だったり、たあいのない会話の言葉尻だったり。だが、ひとたび過去が鎌首をもたげると、蛙のごとく動けない。そして自分は、ひたすら言い訳をする(己が壊れないために)。嫌な過去を思い出しそうだが、大丈夫。読者のトラウマにひっかからない、徴兵忌避した男の話だから。戦争中、全国を転々と逃げ回った過去が、二十年後のしがないリーマン生活に、フラッシュバックのように差し込まれてくる。

この差し込まれ具合がスゴい。戦中と戦後の跳躍が、一行空きなどの隔てなく、シームレスにつながる。戦後の日常生活からいきなり戦中の逃亡生活に変わっている。「意識の流れ」手法を巧みに使っており、行きつ戻りつがスリリングな読書になる。わたしの生活とも人生ともまるで違うにもかかわらず、うっかりすると「もっていかれる」読書になる。文筆家が読んだら、確実に打ちのめされる読書になる。

■ 『新編 バベルの図書館』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス編 (国書刊行会)

「「バベルの図書館」はスゴ本」 2012年10月25日 『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2012/10/post-24e6.html

「新編バベルの図書館 第1巻 [単行本]」 ホルヘ・ルイス・ボルヘス(監修) 『Amazon』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4336055270/

ボルヘスが編んだ傑作短篇集、どいつもこいつも、すばらしい。本書はボルヘスの短篇『バベルの図書館』からタイトルを拝借している。ボルヘスが描いた方は、架空の図書館だ。六角形の閲覧室が上下に際限なく続き、古今東西過去未来、世の全ての本が収められているという。ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』に出てくる文書館がイメージの助けとなるだろう。

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