水菜ってどんな野菜?切り方にコツはあるの?
水菜というと鍋やサラダなどに使われる馴染みのある野菜ですが、どんな野菜でどんな栄養を持つのかなどは、意外と知られていないのではないでしょうか?本記事では水菜がどんな野菜なのか、切り方などの扱い方とともにご紹介します。
鍋にサラダに!水菜の下ごしらえと切り方は?
水菜は加熱して食べることが多い野菜かもしれません。しかし、サラダ用の細い品種なども売られているように、生でもおいしく食べられる野菜です。
そんな水菜は栄養価も高い健康野菜ということをご存じでしょうか?水菜に関しての基本的な知識や栄養価のほか、食べ方にあわせた下ごしらえや切り方についてもご紹介します。
水菜ってどんな野菜?
水菜は別名「京菜」と呼ばれるように、京都が原産の野菜といわれています。そのため関西圏では欠かせない野菜の1つです。
水菜はさまざまな呼び名があり、葉の形が木の柊に似ていることから柊菜(ひいらぎな)と呼ぶ地域や、細長い茎が多数伸びて葉がしげることから千筋菜(せんすじな)とも呼ばれます。
さらに水菜は品種の多い野菜でもあり、サラダ用に細く柔らかくなるよう小株栽培されたサラダ水菜をはじめ、関東で主流となっている広茎京菜(ひろくききょうな)や茎が紫色に色づく赤水菜、葉の全体が紫色になる紫水菜など、見た目も多種多様な品種がある野菜です。
路地物の水菜の旬は冬~春になりますが、水耕栽培されるなど1年中出まわる野菜となっているため、使いやすい野菜といえます。切り方も簡単で、生の場合はサラダや香味野菜代わりに添えたり、加熱する場合は鍋や汁物、煮物など幅広く使える野菜です。
水菜の栄養は?
水菜は見た感じはあまり栄養がなさそうと思われがちな野菜といわれます。しかし水菜はれっきとした緑黄色野菜であり、豊富な栄養を含んでいるのです。
カロリーも100gあたり23kcalと低く、食感がしっかりしているため満腹感も感じやすいダイエットにおすすめの野菜といえます。健康にも欠かせない栄養素の中から、水菜に豊富な栄養をみてみましょう。
β‐カロテン
水菜は100gあたり、1,300μg(マイクログラム)のβ-カロテンを含んでいます。β-カロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換されて使われるだけでなく、活性酸素の除去や抑制に活躍するだけでなく、肌や髪の健康を維持する効果もあるとされる栄養素です。
ビタミンC
水菜は100gあたり、55mgのビタミンCを含んでいます。これはレモンの約半分に当たる量です。ビタミンCは別名アスコルビン酸とも呼ばれ、肌や傷の回復などに必要なコラーゲンの生成に欠かせません。
またビタミンEとの相互作用で活性酸素を除去する働きがあるため、老化予防などにも効果が期待できます。
葉酸
水菜は100gあたり、140μgの葉酸を含んでいます。女性は1日あたり240μgの葉酸を摂るよう推奨されていますが、妊娠を希望する女性はさらに400μg、妊娠中は240μgの葉酸を、加えて摂るのがよいでしょう。
妊娠中の葉酸の不足は、胎児の神経組織が十分に発達するのを妨げてしまうとされ、神経障害の原因の1つになるといわれています。また、成人でも葉酸が不足すると、赤血球が異常をきたし、悪性の貧血になる可能性があるとされているため、十分に摂る必要のある栄養素です。
カルシウム
水菜は100gあたり、210mgのカルシウムを含んでいます。カルシウムといえばいわずと知れた骨や歯の材料となる、人体に欠かせないミネラルです。神経の高ぶりを押さえて、精神を落ち着ける効果もあるといわれています。
カルシウムの吸収率や利用効率は、ビタミンDをあわせて摂ることも大切です。また、運動で骨に適度な負荷をかけるのも忘れてはいけません。カルシウムの特性を知って、摂取するだけでなく効率よく活用しましょう。
鉄
水菜は100gあたり、2.1mgの鉄を含んでいます。鉄は多くが赤血球に含まれ、全身に酸素を送るのに欠かせないミネラルです。特に女性は月経があるため鉄の消費量が男性よりも多く、摂取量が少ないと貧血の原因になります。毎食意識して摂りたい栄養素です。
水菜を生で食べるときの下ごしらえと切り方
水菜にはあえて小株に育てたサラダ水菜や、水耕栽培で育てた柔らかいものがあります。生で食べるのであればこれらの水菜がおすすめです。水溶性の栄養が流れ出てしまわないように、水に浸ける時間は短いほど望ましいといえます。
しかし生のまま食べるため、汚れはしっかり落としておくようにしたいものです。水を張ったボウルの中で汚れを洗い流し、流水で仕上げ洗いをするとよいでしょう。水菜を洗い終わったら根元を1~2cm切り落とし、根元だけをもう1度流水で洗い流して残った汚れを落とします。
洗い終わった水菜の切り方は、食べやすい長さにざく切りにしたり、手で折るようにちぎるのもおすすめです。切り方としてはざく切りの方が手間はかかりませんが、手で折るようにちぎる方が食感はよくなるといいます。仕上げにかるく塩もみしても、食感に変化を出せるのでおすすめです。
サラダにするときには、脂溶性ビタミンの吸収をよくするためにオリーブオイルやごま油をかけたり、カルシウムの吸収をよくするためにビタミンDを豊富に含む魚やキノコ類とあわせると、より水菜のよさを活かすことができます。
水菜を加熱して食べるときの下ごしらえと切り方
水菜の中でも路地物の水菜は、茎が太めで繊維も太い、歯ごたえのあるものが多いです。そのため生食よりも加熱して食べる方が食べやすくなります。路地物が出まわるのは冬場の旬の時期でもあるため、鍋などの料理がおすすめです。
路地物の水菜は根元の奥まで土が入り込んでいます。そのため水を張ったボウルに入れて、数回にわたって水を交換しながら丁寧に洗い流し、最後は流水で仕上げ洗いをするとよいでしょう。
洗い終わったら水菜の根元を1~2cm切り落としてから、再度流水で根元の部分だけ洗い流します。根元の奥に隠れて残っている土を、全て洗い流せば下ごしらえは完了です。
水菜のシャキシャキとした歯ごたえを活かすには、切り方も大切になります。長く切り過ぎてしまえば噛み切りにくく、短すぎれば物足りなく感じることもあり、切り方が仕上がりの食感に直結するといえるでしょう。
水菜の切り方は、繊維質が豊富な軸の太い水菜の場合は3~4cmほどの短めに切ると食べやすく、サラダ水菜のように軸が細くて繊維も柔らかいものは6~7cmと長めに切るのがおすすめです。端から軸の太さにあわせて切り分けても食感を活かせます。
加熱して食べるときには汁物がおすすめです。特に汁ごと食べる味噌汁やスープなどがよいでしょう。動物性のたんぱく質を一緒に摂ることで鉄の吸収率がよくなるといわれていることから、卵を使ったかきたま汁などにして食べるのがおすすめです。
おわりに
水菜は栄養豊富な緑黄色野菜であり、生食でも加熱しても楽しめる野菜です。切り方で食感が変わり、食べあわせで栄養の吸収率や健康効果も変わる奥深さもあります。水菜を食べるときにはぜひ切り方や食べ方を工夫して、上手に食卓に取り入れてください!
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