スマートスピーカーが殺人事件解決の重要証拠に。Amazon Echoが法廷で証言?!

access_time create folderデジタル・IT

米国では殺人事件などの証拠としてAmazon EchoやGoogle Homeのようなスマートスピーカーの記録音声データを法廷に提出する事例が増加しています。2020年8月にアマゾンが発表した情報によると、警察からの利用者データの提出要求は2020年の上半期だけで3,000件以上にのぼったそうです。これらのサービスの利用規約には既にデータ開示の可能性が明記されており、これからもっと警察にとってスマートスピーカーの音声やウェアラブル機器のデータが重要となる動きが加速していくと思われます。

 

Amazon Echoのデータを警察が初めて要求した事件とは?

米国の警察が初めてAmazon Echoのデータを要求したのは、アーカンソー州ベントンヴィルで2016年に起きた、ある男性の死亡事件でした。

当初はデータ提出を拒否したアマゾンも最終的には提出したそうで、この事件の被疑者は不起訴とはなりましたが、以来スマートスピーカー等の音声データが事件の解決に大きな影響を与えるようになっています。

 

殺人事件の被疑者の嘘を暴くことも

警察は、取り調べ中の容疑者の供述の真偽を裏付ける手段としてウェアラブル機器のデータを利用しています。

フロリダで起きた事件では、夫が妻を殺した後、妻になりすましてFacebookのメッセージを送ったことが暴かれました。妻のApple Watchの心拍数が突然減少した後、妻のスマートホンでFacebookのメッセージ送信が行われていましたが、ちょうどそのタイミングの夫のスマートホンのアクティヴィティのタイムスタンプが、彼が妻のスマートホンを拾ったことを示していることがわかりました。

 

被疑者の容疑を晴らすことも

2019年7月にマイアミから20マイル離れたハランデールビーチで起きた殺人事件では、無罪を主張している被疑者の弁護士が「Amazon Echo」に録音された音声を証拠として提出しました。

通常、警察や検察がスマートスピーカー等のデータを利用する場合、容疑者に不利な証拠として用いられることが一般的ですが、弁護士はインタビューにて「これは誰かの容疑を晴らして無実だと示すためにアマゾンのAlexaの録音が使われる最初のケースになりうると考えています。」と答えています。

 

約2000件!2020年上半期にアマゾンが警察に提出したデータ

2020年8月にアマゾンが発表した内容によると、警察からのデータ要求は上半期で3,000件以上もあり、アマゾンはそのうち約2,000件に応じたといいます。本要求は2016年の同時期と比較すると72パーセントも、2019年と比べても24パーセント増えています。

一方グーグルも、スマートスピーカーの録音データに関する警察からの開示要求が2018年の1年間で増加したと公表しています。その後のグーグル全体の透明性レポートでも、グーグルの利用者に関するデータへの警察からの開示要求は増加しているのがわかります。

アマゾンとグーグルのサービス利用規約には、「当該企業は政府から要求された場合、利用者のデータを開示する可能性がある」という条項があります。両社は命令自体が禁止していない限り、緊急な要求を優先して利用者にデータの開示要求を伝えるとしています。例えば、国土安全保障省などの団体は優先され、離婚事件や民事事件の優先順位は低くなることが予想されます。

 

今後も利用は増加する予測だが…

警察はスマートスピーカーのアクティヴィティのログの情報に関して益々詳しくなってきています。グーグルやアマゾンのスマートスピーカーは、利用者にプロファイルをつくらせているため、データ内の利用者の声を認識することができ、警察は容疑者の特定に役立てることができます。

ただし、スマートホーム機器の情報開示問題は取り扱いも含め様々なリスクを含んでおり、これからも注目を集める大きな問題が生じることが予想されます。

Copyright © 2020 iedge All Rights Reserved.


関連記事リンク(外部サイト)

大画面の感動を自宅で!照明一体型プロジェクター「Popin Aladdin」に迫る
ガチで【手ぶらで買い物】できる!今買うなら絶対チェックすべき電子マネー対応のスマートウォッチとは?
手軽に我が家が映画館に!モバイルプロジェクター5選を比較

  1. HOME
  2. デジタル・IT
  3. スマートスピーカーが殺人事件解決の重要証拠に。Amazon Echoが法廷で証言?!
access_time create folderデジタル・IT
local_offer
iedge

iedge

最新IOTテクノロジーを用いた防犯セキュリティーシステムや家電設備を搭載したスマートホーム(スマートハウス)情報をお届け。まだ日本では未発表のアプリやデバイス/ガジェットも全公開します。

ウェブサイト: https://www.iedge.tech/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。