いつもをあらわす「しょっちゅう」、この言葉の由来はお釈迦様のことばから?
日常生活の中で頻繁に使われる言葉のひとつ「しょっちゅう」。
くだけた言葉なので意外かもしれませんが、実は仏教のお釈迦様に由来があるんだそうです。
そこで、ここではしょっちゅうの意味を解説しながら、どのような類語があるのかについても触れつつ、詳しい語源について見ていきますよ。
しょっちゅうとは
「しょっちゅう」は何気なく使っている言葉ですが、まずはしょっちゅうが持つ言葉の意味を確認しておきましょう!
しょっちゅうの意味
しょっちゅうは「物事が絶えず繰り返されること」を意味します。
上記の説明では継続的に、ずっと続くように思えますが、正確には断続的かつ定期的に発生することをニュアンスとして含む言葉です。
特に短い間隔で繰り返されることを表現する言葉です。
感覚としては「いつも」と「しばしば」「度々」の中間くらいの頻度で起こることを指す際に用います。
例えば「いつも雨が降っている」だと毎日のように降るニュアンスとなります。
そして「しばしば雨が降る」だと、たまに降るニュアンスとなります。
両者と比べると「しょっちゅう」はどうでしょうか。
「しょっちゅう雨が降る」となると、毎日ではないけれど頻繁に雨が降ることを指す意味合いとなりますよね。
しょっちゅうの語源
この「しょっちゅう」という言葉がは仏教のお釈迦様の言葉から生まれたのだとされています。
弟子などに説法をする際の心得として伝えたことが始まりなのです。
お釈迦様の言葉「初中終」を由来とする説
お釈迦様は弟子たちに教えを説く際、「初めも善く、中ほども善く、終わりも善く、道理と表現とを兼ねそなえた法を説きなさい」という注意を与えました。
これは「初めから終わりまで正しくわかりやすい説法を説くように」という意味で、今後どのように仏教の教えを広めていくべきかの指針を示した時のことばの一節とされています。
そして、冒頭の「初めも善く、中ほども善く、終わりも善く」の三つが、「初中終(しょちゅうしゅう)」という言葉として縮めて用いられるようになりました。
それが後に、「しょっちゅう」へと転じて現代の日本語としても定着したとされています。
お釈迦様が弟子に、教えを広める際は「終始分かりやすい説明をするように!」という注意から生まれた言葉だったんですね。
段階をあらわす「初中後」がはじまりとする説
もうひとつ「しょっちゅう」の由来とされる言葉があります。
それは。段階を表現する際に使われる「初中後(しょちゅうご)」という言葉です。
これは物事を「初め」「中ごろ」「終わり」の3段階に分けたもので、主に中世の芸道や文芸論などで「初心者から達人の域に達するまで」という意味で用いられていた言葉です。
そこから「初中(しょちゅう)」だけで使われるようになり、「しょっちゅう」が使われるようになったともいわれています。
しょっちゅうの気を付けるべき点
現代語としても定着している「しょっちゅう」ですが、使い方には注意が必要です。
特に口語であるのはもちろん、その他の意味を持つ類義語と似ていることもあって、正しい使い方を熟知しておかなくてはなりません。
しょっちゅうは口語
「しょっちゅう」は、口語表現とされ、文語として使われるとこばでは無いとされます。
由来はお釈迦様のことばとも、芸道などに励む人のことを指していた、ともいわれ、どちらかというとお堅い起源のある言葉ですが、残念ながら文語ではないので手紙やビジネス文書などで使わないよう気を付けましょう。
「常に」「のべつ」との違い
しょっちゅうと「常に」や「のべつ」は、類義語のようにも見えます。
しかし。厳密には違いもあるので注意が必要です。
「常に」との違い
「常に」は、ずっと物事が起こり続けることを意味する言葉です。
必ずというニュアンスが含まれます。
物事が頻繁に起こることを指すしょっちゅうとはニュアンスが違ってきます。
「このバスは、時刻表よりもしょっちゅう遅れて来る」は、時間通りに来ることもあるけれども遅れてくることも多いというニュアンスです。
もしかしたら時間通りにやってくることの方が少ないかもしれません。
対して「このバスは時刻表より常に遅れて来る」の場合、バスが時間通りに来ることはありません。
毎回毎日時刻表よりも後の時間にやって来ます。
「のべつ」との違い
「のべつ」は、休みなしに続くことを意味する言葉です。
のべつ単体ではイメージがわかないかもしれませんが、「のべつなくまくしたてる」といった使われ方なら分かるという人もいるのではないでしょうか。
この「のべつなくまくしたてる」の場合、口をはさむ間もなくずっと勢いよく話している状態を指します。
「今日はしょっちゅうあくびをしているね」という場合、後ろから時折あくびの声が聞こえていたなどの状況になります。
「今日はのべつあくびをしているね」だと、あくびを一度して口を閉じたと思ったら、またあくびをするために更に大きな口を開いたというのを続けているという事になります。
まとめ
普段の会話でも頻繁に使われる「しょっちゅう」はいつも起こることを指し、物事が断続的かつ定期的に起こることを指す言葉です。
その頻度としては「いつも」「常に」よりも少なく、「しばしば」「度々」より多いと覚えておくとわかりやすいかもしれません。
この言葉はお釈迦様が仏教の教えを広めるにあたって弟子たちに与えた注意事項が由来になっているとも、芸事などの達成度合いを示す言葉が由来になっているともいわれています。
なお、しょっちゅうは文語ではなく口語となるので、会話などで使う場合は良いですが、文章などに用いる場合は注意が必要です。
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