副業禁止規定って何のためにあるの?
今回は電脳くらげさんのブログ『脱社畜ブログ』からご寄稿いただきました。
副業禁止規定って何のためにあるの?
就業規則に、副業禁止規定なるものが存在している会社がある。今日はこの規程について、少し書きたいと思う。
僕の知り合いで、学生時代にせっせとiPhoneアプリを作ったり、Webサービスを作ったりして収入をそれなりに確保していた人がいた。そんな彼も、卒業が近づいたので就職活動をすることになり、頭がよい人だったので、サクッとある企業から内定をもらった。問題が起こったのはここからである。
彼は正直な人だったので、自分の副業のことを一切会社に隠さず、入社後もそれを続けて良いか、正直に内定先の会社の人事に相談した。人事の答えは「No」であった。その会社の就業規則には副業禁止規定があって、業務に集中してもらうためにも、うちに勤める以上は他に収入があっては困る、という説明を受けたそうだ。僕はこの話を聞いた時、理不尽なことをいう会社が日本にはまだまだ多いなぁ、と感じずにはいられなかった。
会社が、副業禁止規定を正当化する際に挙げる理由は2つある。1つは、従業員が副業にのめり込んだ結果、本業が疎かになってしまうことを避けるためであるというもの。もう1つは、本業で知り得た業務上の秘密やノウハウが、副業によって流出することを防ぐためであるというものだ。
副業にのめり込むと、本業に影響が出てしまうというのは一見もっともらしい主張に聞こえる。でもこれは、副業の内容によりけりというのが実際のところではないだろうか。土日に朝から晩までコンビニでアルバイトをしたらそれは確かに本業に影響が出ると言われても仕方がないと思うが、休日に趣味でiPhoneアプリを作って、そのアプリにアフィリエイト広告を貼ってほったらかしにして稼いでも、これが本業に影響が出るとは到底思えない。
2つめの、本業で知り得た秘密の漏洩を防ぐということに関しては、そもそも問題になるケースは限定的だ。本業で保険の外交員をやっている人が、趣味でゲームを作ってAppStoreで売ったとしても、これで業務上の秘密が流出することは考えられないだろう。副業を十把一絡げに捉えて禁止するのは、情報流出を防ぐという観点ではあまりうまいやり方とは思えない。もっと他にやることがあるはずだ。
そもそも、今はもう終身雇用も崩壊しているし、会社が従業員の人生を保証してくれるようなことはありえないと思って間違いない。収入源を複数確保しようと考えるのは、リスクヘッジの方法としては極めてまっとうである。これを禁ずるというのは、どうも理不尽な気がしてならない。
会社によっては、副業の種類によっては融通が利くところもあるようだが、収入が他にあるというだけで杓子定規的に「副業だ、禁止行為だ!」という判断してくる会社も未だに多いと聞く。どうも、生きづらい世の中だと思わずにはいられない。
執筆: この記事は電脳くらげさんのブログ『脱社畜ブログ』からご寄稿いただきました。
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