「ヒガンバナ」のイメージが一新!カラフルな「リコリス」の育て方
秋に真っ赤な花を咲かせるヒガンバナの仲間「リコリス」。欧米でも人気のリコリスは育てやすく、数年は植えっぱなしができる、ガーデニングビギナーにもおすすめの球根植物です。ぜひ基本的な育て方をマスターして。
ビギナーでも簡単!数年植えっぱなしにできる「リコリス」の育て方
ヒガンバナの仲間の「リコリス」は、艶やかな赤はもちろんのこと、白、ピンク、オレンジなどさまざまなカラーが楽しめます。栽培適地に植えれば、育てる手間は最小限のリコリスを育ててみませんか?
リコリスってどんな植物?
リコリス(ヒガンバナ科)は、夏植え秋咲きの球根植物。日本では真っ赤なヒガンバナがメジャーですが、ヒガンバナは墓地のイメージがあること、有毒な植物であることから、かつてはガーデンで観賞されることがない植物でした。
しかし、現在ガーデン植物として流通しているリコリスは色鮮やか! オレンジ、ピンク、黄色、紫、白など多彩なうえ、光沢を持つ華やかな品種もあって、花色選びの楽しさも満喫できます。
リコリスの最大の特徴は、初夏になると葉がすべて枯れてしまう性質です。「葉見ず花見ず」といわれるとおりで、花と葉の出現時期は別。葉があるときは花がなく、花がない時期に葉が茂ります。
葉の出るタイミングによって、花後の秋~冬に葉の出るタイプと、春~夏のタイプの2種に大別されます。
花期は品種によって異なり、早咲きでは7月中旬から咲きはじめます。花持ちは1週間ほどですが、大株に育てると次々に花茎が伸びて花を咲かせ、見ごたえ十分です。
リコリスを植える場所&時期
リコリスは、日本では田んぼのあぜ道に自生することが示すように、日当たりが良く、風通しも抜群の場所を好む植物です。
明るい半日陰でも育ちますが、できるだけ日当たりを確保できると、株がしっかり育ちます。過湿は苦手なため、地植えするときはジメジメした場所を避けてください。水はけがいまひとつの場合には、土を寄せ高畝にして植える、かさ上げ花壇に植えつけると安心です。
また数年植えっぱなしにしたほうがよく育つので、根が深くのびるよう、腐葉土やたい肥をすき込んでしっかり耕しておきましょう。鉢植えにするのなら、市販の園芸用土で十分です。
リコリスの球根の植え付けは、7月~8月上旬が最適です。地植えする場合には、球根の2倍の深さに植穴を掘り植えつけます。株間は30㎝くらい離しておくと、隣の株の葉と重りすぎずにのびのびと育ちます。
鉢植えならば、球根の大きさに合わせ、6号鉢(直径18㎝)で1~3球を目安にして。
リコリスの水やりと肥料
リコリスは、多湿状態が続くと球根が腐ってしまうことも。どちらかというと乾燥気味に育てることを心がけて、過度な水やりは控えましょう。
地植えのリコリスは、原則として水やり不要です。ただし、極端に乾燥すると球根がダメージを受けるので、よほど雨が降らず、乾燥した日が続くときには水やりをしてください。
鉢植えの場合は、鉢土の表面が白く乾いてから水やりをします、水やりをする際は、鉢底から水が滴るくらいまたっぷりと与えますが、受け皿を使っている場合は要注意。必ず受け皿にたまった水は捨てておかないと、過湿になって球根を傷めてしまいます。
リコリスは球根にしっかりと栄養を蓄えているので、多肥にする必要ありません。地植え・鉢植えに関わらず、球根の植え付け時に元肥を規定量施します。
ただし、鉢植えに市販の培養土を使うなら、肥料が事前に混ぜ込んであることが多いので、その場合は元肥は不要です。植え付け後は、定期的な追肥はしなくても問題ありません。植えっぱなしにするときには、冬に牛ふんたい肥や化成肥料などを適量与えると、株の生育の助けになります。
リコリスの増やし方
リコリスは、数年植えっぱなしにしたほうがよく育ちますが、球根が増えて窮屈そうな場合には掘り上げてください。
掘り上げの適期は6~8月。葉が黄色くしおれたころに掘り上げて、球根についている子球を採集します。
子球をしっかり増やすためには、花が終わった後も葉を大切に育てることです。花が終わったら花がらを摘み取り、葉の発生を待ちます。葉は光合成をおこなって球根を育てるので、花がないからと葉を刈り取るのは厳禁です。
おわりに
艶やかな存在感のリコリスは、秋の庭の主役になること間違いなし! ビギナーでも簡単に育てられるので、ぜひ庭やベランダで楽しんで。
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