「一匹狼」はどこから生まれた言葉?英語でロンリーウルフとは言わない?

「一匹狼」はどこから生まれた言葉?英語でロンリーウルフとは言わない?

孤独を愛する人や孤高を目指す人を指して、「一匹狼」と表現することがしばしばあります。

そもそもこの「一匹狼」という言葉はどこから生まれたのでしょうか?

ここでは一匹狼という言葉について調べてみました。どのような由来で人にも使われるようになったのかも解説します。

一匹狼とは?

一匹狼とは、もともと単独行動する狼のことを指す言葉です。人間のことを指す場合は、孤独な人や孤高の人を意味する言葉となります。

この言葉は単純に”単独の狼”を指す言葉だったのですが、それが転じて単独の人にも使われるようになったそうです。

なぜ狼なのか?

孤独や孤高な生き物はたくさんいるのに、なぜ「狼」という言葉が使われているのでしょうか?

狼は群れる生き物

一匹狼という言葉は、本来群れで行動するはずの狼が単独で行動していることに由来しています。

狼はペアと呼ばれる夫婦や、パックと呼ばれる群れを作って集団生活します。狩りをするにも仲間と協力したりすることが多く、単独で生きていくのは簡単ではありません。

しかし、そんな集団生活を行う狼だからこそ、そこから離れたものを「一匹狼」と呼ぶわけです。

実際の狼にも一匹狼が存在

一匹狼は現代では人間に使われることが多いですが、実際の狼にも一匹狼は存在します。

もともとペアの狼は生涯を共にすることが多いですが、そこから生まれた子どもの狼はいずれ大人になると、パックを離れて生活するようになります。

同い年の兄弟や姉妹が同時期に群れを離れる場合は、しばらく一緒に行動することもあるそうですが、原則としては一匹狼になることが多いです。

つまり、どの狼もその生涯で一度は一匹狼になることがあるということですね。

成長した一匹狼は放浪の末、他の一匹狼と新たなペアとなります。そこでまた新しいパックを作り、子どもを産んで育てるというのが本来の狼のライフサイクルです。

中には他のパックに乱入して同性の狼の命を奪い、そのパックごと乗っ取るという一匹狼も存在します。

そのこともあって狼の群れは一匹狼を警戒し、縄張りに入ると攻撃することもあるそうです。

事実、一匹狼の死因は他のパックに襲われることが原因となることが多いのだとか。

もちろん、それぞれのパック同士や一匹狼同士は一定間隔を開けて生活することで争いを避けるようにしていますが、一匹狼は常に危険と隣り合わせで生きているのです。

比喩で人にも充てられた

単独行動をする一匹狼の姿が転じて、孤独を愛したり、孤高を目指したりする人を指す言葉として「一匹狼」という言葉が使われるようになりました。

類義語として「はぐれガラス」や「はぐれザル」など動物を模したものもありますが、「一匹狼」がよく使われています。

一匹狼は集団行動ではなく単独行動をする人を指すのが主で、単に孤立しているというよりは、自分から好んで1人になっている人を意味することが多いですね。

ひとりぼっちと言えばネガティブな意味になるのですが、一匹狼はどちらかと言うとポジティブな表現となります。

英語でロンリーウルフという?

一匹狼は、英語でどう表現すれば良いのでしょうか?

“孤独”と”狼”だからロンリーウルフ?と、勘違いしている人もいるかもしれません。しかし、実は他の英語表現があるんですよ。

ロンリーウルフは曲名

一匹狼を、Lonely wolf(ロンリーウルフ)とはあまり言いません。ロンリーウルフだと沢田研二さんが1979年にリリースした曲名になってしまいます。

日本では楽曲やテレビなどで「ロンリーウルフ」という単語が使われたことで、一匹狼の英語表現がロンリーウルフであるという認識が広がったようです。

一般にはLone wolf(ローンウルフ)

英語圏の人たちが一匹狼を表す際には、「Lone wolf(ローンウルフ)」と呼ぶことが多いです。

例外として「Maverick(マベリック)」と表現することも稀にあります。

これはもともと「焼印の押されていない仔牛」を意味する言葉なのですが、それが転じて「一匹狼」としての意味で使われるようになったそうです。

一匹狼はモテる?

一匹狼の人がモテるかどうかは人それぞれですが、やはり自分の力だけで生きているというアウトローな雰囲気があってクールな印象は受けますよね。

そのような人に惹かれる人も少なくはないかもしれませんね!

カッコイイイメージ

一匹狼の人は誰に対しても右往左往しないので、芯を持っていると思われることが多いです。

誰かの意見で自分をコロコロと曲げる人はあまり頼りになりませんよね。そのことから、一匹狼は自立心があると思われることが多いです。

逆に一匹狼の人は自分の時間を優先することが多いため、誰かに邪魔されることを嫌います。

他人からは冷たい人だと思われることも多いですが、自分を磨いている人もいます。そういう点では、まさに孤独というより孤高に近いですね。

その他、几帳面でプライドが高かったり、コミュニケーションが苦手だったりする特徴も持っているため、モテるかどうかは人によってかなり違ってきそうです。

まとめ

「一匹狼」は、日本語表現の中でもかっこいい印象のある言葉ですね。

この言葉は集団行動をする狼が単独行動するところに由来しており、人間でも同じように1人でいることを好む人を指すことが多いです。

自分の周りや自分自身が一匹狼という方は、ぜひともその由来については覚えておきましょう。


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