慣用句「金字塔を打ち立てる」に出てくる「金字塔」ってなに?意味や由来を解説!
「金字塔を打ち立てる」という慣用句や、「ミュージカル映画の金字塔」といった映画の煽り文句などで、「金字塔」という言葉を度々見かけると思います。
そもそも「金字塔」とは、どのような意味があるのでしょうか?
ここではそんな「金字塔」の意味や由来についてご紹介します。この言葉には誰もが知っているあの世界遺産が関係しているそうですよ!
金字塔(きんじとう)とは
まずは、「金字塔(きんじとう)」の意味を見てみましょう!
金字塔の2つの意味
金字塔には大きく2つの意味があります。
・1つ目は、エジプトにあるピラミッド。
・2つ目は、後世まで語られるほど永く残る優秀かつ不滅の業績のことです。
金字塔は、誰が見ても揺らぐことがないという意味から、慣用句として用いる場合は『金字塔を打ち立てる』となります。
また、この2つ目の意味から、歴史的な偉業や功績によって生まれた作品や記録という意味で使われることもあります。
金字塔の語源
金字塔という漢字表記の由来は、「金」という漢字の姿にあります。エジプトのピラミッドの四角錐を正面から見ると、漢字の「金」に見えるからだそうです。
確かにそういわれると、ひとやねと玉の底辺でピラミッドの形に見えますし、中にある玉の残りの部分は階段状の巨石に見えてきますね。
ピラミッドが歴史的に見ても非常に高度な知識と技術で作られている建造物だったため、その意味が転じて「優秀かつ不滅の業績」などの意味で使われるようになったそうです。
ちなみに、金字塔は中国語の辞書にも掲載されていることから、ピラミッドの漢訳は中国で考えられ日本に伝わったのではないかと考えられています。
金字塔の使い方や類義語
ピラミッドの別名にあたる「金字塔」は、どのように使う言葉なのでしょうか。また、どのような類義語があるのでしょうか。
金字塔の使い方
金字塔は慣用句の一部として用いられる場合と、金字塔単独で用いる場合があります。それぞれどのような使い方ができるのか、以下で見てみましょう。
彼女は5年連続優勝という金字塔を打ち立てた
金字塔は、主に「金字塔を打ち立てる」という慣用句で用います。
前述のように、後世まで語られるほど永く残り、優秀かつ不滅の業績という意味があります。
この例文ですと、彼女の5年連続優勝がいかに凄いことかというのを強調するために使われています。
「スター・ウォーズ」はSF映画の金字塔である
ある分野において代名詞や代表格となっている作品に対して、金字塔という言葉がよく使われています。特に数多の同じジャンルの作品がある場合には、最高傑作という意味でも使われることが多いですね。
ムンクの「叫び」は近現代美術の金字塔だ
世界で圧倒的な知名度や認知度を誇る作品などに対しても、金字塔という言葉が使われます。
10年に一度の金字塔的存在となる逸材が現れた
作品だけではなく、人間そのものを指して金字塔と呼ぶこともあります。その場合は、”金字塔的存在”という言葉にしたり、少し変形させて使われていることが多いです。
金字塔の類義語
金字塔には類義語もあるので、併せて確認しておきましょう!
偉業
偉業とは、優秀な仕事や立派な事業という意味を持つ言葉です。誰からも忘れられることのない称賛されるべき結果を出した際などに使われますね。
功績
功績は、優秀な成果や完璧な手柄という意味を持つ言葉です。万人が認めるような結果を残した際に使われ、自画自賛というよりも他者が褒める時に用いることが多いです。
遺産
少しニュアンスは違いますが、遺産という言葉には亡くなった人たちが遺した財産という意味もあり、金字塔という意味に似ています。
ただ、金字塔が良い状況で使われる言葉なのに対し、遺産は「人類の負の遺産」などのように悪い意味でも使われることがあります。
類義語でありながらも、少し違う立ち位置の言葉ですね。
金字塔、ピラミッドに関する豆知識
金字塔の由来にもなっているピラミッドには、様々な謎が残されています。その中でも、意外と広く知られていない豆知識をここでご紹介します。
世界最大のピラミッドがあるのは、エジプトではない
世界最大のピラミッドは、エジプトの「ギザの大ピラミッド」だと思っている人も多いですが、実は南米のメキシコにあります。
チョルーラの大ピラミッドと呼ばれる、「トラチウアルテペトル」こそが世界最大です。
その大きさは、底辺がなんと400mもあります。
ギザの大ピラミッドのひとつ「クフ王のピラミッド」の底辺が230mなので、その大きさたるや!
ただし、全容が見えているエジプトのピラミッドに対して、メキシコのピラミッドは土台のように地中に埋まっている部分が大きいため、世界最大と言われても見た目が全く違います。
しかも、16世紀に訪れたスペイン人によりこのピラミッドは一部破壊。その上にキリスト教会が建てられたため、一見ピラミッドには見えない、丘の上に立つ教会のようになっています。
ピラミッドがエジプトより多い国、スーダン
ピラミッドといえばエジプトを思い浮かべる人が多いと思いますが、実はエジプトよりも多くのピラミッドを持つ国があります。
それが北東アフリカに位置する、スーダンです。
エジプトには3,000年かけて建造されたピラミッドが120基ほどあるのですが、スーダンには200基以上あるとされています。これは数だけだとかなり多いですよね。
ただし、大きさはエジプトのものに比べると小規模になっています。
エジプトのピラミッドは「ギザの大ピラミッド」なら120mという大規模な物になりますが、スーダンのピラミッドは大きくても30mです。
まとめ
「金字塔を打ち立てる」という慣用句の「金字塔」とは、エジプトのピラミッドのことであり、不朽の業績を意味します。
その由来はピラミッドを正面から見た姿が、漢字の「金」の字に見えるからだそうです。
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