「魚介類」と「魚貝類」はどちらが正しい?違いはあるのか?
海の食材を意味する言葉として、「魚介類」という言い方がありますが、中には「魚貝類」と表記されていることもありますよね。
この違いはどこにあるのでしょうか?今回は「魚介類」と「魚貝類」のどちらが正しいのか解説したいと思います。
「魚カイ類」の漢字はどっち?
「魚カイ類」を表記する際、「魚介類」や「魚貝類」と表記することができます。これに関して正解も不正解もなく、どちらも間違いとは言い切れないものとなっています。
事実、パソコンで「ぎょかいるい」と入力して変換すると、優先されて表示されるのは『魚介類』の方です。
スマートフォンで「ぎょかいるい」と入力した際も、ほとんどの場合は『魚介類』で変換されます。
つまり、一般的な表現として使うなら「魚介類」の方が正しいと言えるでしょう。その一方で言葉のニュアンスとしては「魚貝類」でも間違いとは言えません。
ただ、どちらも間違いではないものの、漢字に含まれる海の生き物や漢字そのものの読みなどによって違いもあるので注意しましょう。
元々は魚介
もともと2つの「ぎょかいるい」のうち、「魚貝」の方は近代になってから出てきた表現だそうです。
「魚介」の方は江戸時代の記録からも使用例があり、もともと使われていたのは魚介の方だけだったようです。
しかし字だけ見た場合、「魚貝」という文字はそのまま魚や貝のことだと分かりますが、「魚介」の介の字は一体何を指しているのでしょうか?
介の意味は?
「介」という字は、もともと鎧を着用した人間の象形文字が由来となっています。
水の中で鎧を着ているといえば甲殻類がピンときますよね?そうです、魚介の「介」の字はエビやカニの甲殻類を指しているのです。
さらに貝類やウニなどに関しても硬い鎧を着ているような見た目をしているため、魚介は水中に棲む魚やエビ、カニ、貝、ウニなど水中の生き物全般を意味する言葉となっているのです。
魚貝の誕生は不明
「魚介」という言葉が誕生した背景は分かりましたが、「魚貝」という字はどのように生まれた言葉なのでしょうか?
実は「魚貝」という漢字表記の由来は詳細不明です!
有力な説としては、「魚介」の「ギョカイ」という音を聞いた際に、その漢字を知らなかった人が「カイ=貝」と勘違いし、”魚貝”と表記したのが始まりではないかという説が語られています。
魚貝類は「ぎょばいるい」?
「魚貝類」という表記を一般的には「ぎょかいるい」と読みますが、これは”重箱読み”と言い、音読みと訓読みの合わさった読み方になっています。
重箱読みが間違いというわけではないですが、”音読み×音読み”で読む方が一般的です。
それに倣って、「魚貝類」を音読み×音読みで読むと、「ぎょばいるい」と読むことになります。
聞き慣れない言葉ですが、この「ぎょばい」という単語も実際に使われている単語で、芥川龍之介も『澄江堂雑記』というエッセイ集の中で「魚貝」を「ぎょばい」と読ませています。
結局どっちを使えばよい?
正直なところ、どちらを使っても間違いではありません。ただ、使い分けるとすれば「貝」の有無で分けると良いかもしれません。
貝類を含む場合で、「貝」を強調するために「魚貝」を使い、それ以外の場合は「魚介」を使うのが無難ですね。
どちらの漢字も水産物に対しての表現ですが、海藻類に関しては基本的に含まれないのでそこだけ注意が必要かもしれませんね。
まとめ
「魚介類」も「魚貝類」も間違いではありません。ただ、使い分けとしては、貝類がないものに対して「魚貝類」の表記はあまり好もしくないかもしれません。
また、読み方に限って言えば「魚介類(ぎょかいるい)」は正しいですが、「魚貝類(ぎょかいるい)」だと重箱読みとなるので、「ぎょばいるい」と読むこともあります。
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