ハクビシンは漢字や英語でどう書くの?いつから日本にいるの?
近所でタヌキのような動物を見かけたことはありませんか?それってもしかすると・・・タヌキじゃなくて「ハクビシン」という動物かも!?
ハクビシンもまた住宅街でしばしば見られる動物ですが、名前がなんだか少し変わった響きですよね?
漢字で書くことはできる名前なのでしょうか?今回はそんなハクビシンの名前の由来や英語での名称、さらに生態についてもご紹介していきますね。
ハクビシンとは
ハクビシンという名前は知っているけれども、具体的にどんな動物か知らない人も多いのではないでしょうか。
まずは、ハクビシンの見た目や生態などについて紹介しますね。
生息地
ハクビシンはアジア全般に分布しており、その中でも特に多いのは中国大陸の南部です。
日本では、本州の東半分と四国を中心に広く生息しています。また、北海道でも数は少ないですが、生息が確認されているそうです。
大きさと外見
ハクビシンの大きさは51cm~76cmほど。
尾っぽが長いのが特徴で、40cm~60cmと体長とほぼ同じくらいです。一見すると、猫に近い感じですね。
また、柔らかくて長い体毛で全身が覆われており、体の大きさでオスとメスに大きな違いはありません。
色は明褐色もしくは暗褐色です。ただし個体変異が大きいですね。
そしてまた、足跡はタヌキに似ているともいわれていますが、タヌキとの見分け方は指の本数です。
ハクビシンの足の指は前後ともに5本で、タヌキは4本。足跡の指の数をチェックすれば、どっちかハッキリできます。
生態
ハクビシンは木登りが得意なので、街中に出てくると住宅の屋根裏などに入り込むことも可能です。電線を伝って移動もできるんですよ。
しかし、昼間に見かけることは少ないでしょう。
なぜならハクビシンは、夜行性だから。昼間は住処に潜んでいることが多いようです。
そしてハクビシンは雑食性の動物で、主に植物を食べます。特に果物を好むそうですよ。
また、母子で生活していることが多く、複数の家族が共同体をつくることもあります。中には10〜20頭程度の群れを構築することもあるのだとか。
ハクビシンを漢字と英語で何と書く?
ハクビシンは、カタカナで表記されることが多いですよね。でも実は漢字表記もあるのです!英語での表記も併せてご紹介しますね。
漢字表記
ハクビシンを漢字で、「白鼻芯」と書きます。
ハクビシンの頭部は黒の体毛で覆われていますが、頭部の中央と鼻筋に合わせては白のラインが入っています。
この特徴をそのまま漢字で「白鼻芯」と表現し、名付けられました。
英語表記
ハクビシンを英語で表記する場合は、「Masked palm civet」です。
これを直訳すると、「仮面をつけた・ヤシ・ジャコウネコ」。
「civet」はジャコウネコのことで、ハクビシンは生物学上、ジャコウネコ科に属するのでその名がつきました。ジャコウネコは糞から作られた高級のコーヒー豆が有名ですよね。
そして「Masked」が「仮面をつけた」という意味で、顔の斑紋をこのように表現したといわれています。「Palm」はヤシのことで、ハクビシンはヤシの樹液を好物としているから、このような名がついたようです。
日本にはいつからいるの?
ハクビシンが日本にも生息していることは、すでに紹介した通りですね。ところで、いつ頃から日本に住み着くようになったのでしょうか?
いつからいるか、実はよく分かっていない
実はこのハクビシン、在来種なのか外来種なのか、まだハッキリとしたことが分かっていない生き物なのです。
国は外来生物法に基づき、明治以降に移入した動植物に対して特定外来生物に指定できます。しかしハクビシンは対象外。
環境省によると「移入時期がハッキリしない」からなんだとか。それくらい分からないのです。
しかし、ハクビシンがいつ頃から日本にいたのかはいくつか説があり、その中でも有力なのは2つです。
ひとつは、「少数が江戸時代にはすでに日本で生息していた説で、もうひとつは「明治時代になって中国から毛皮用として持ち込まれた説」です。
ちなみに確実な記録で最も古いのが1943年、当時の静岡県浜名郡で狩猟された記録のようです。
江戸時代は有名な妖怪だった?
日本各地に伝説がありますが、その中のひとつに「雷獣」があります。
これは妖怪の一種で、落雷とともに現れるとされていました。特に江戸時代の随筆などでしばしば見られます。
実はこの雷獣、正体はハクビシンではないか!?という説があります。それは雷獣とハクビシンの特徴が非常に似通っていたからです。
雷獣は大きさが2尺(約60cm)で、イタチや猫に似ており、耳は小さく、長い尾と鋭い爪を持っていたとされます。
さらに木をひっかくという行動をとったり、木に登るともいわれています。これらの姿や行動は確かにハクビシンに共通していますよね。
先ほど紹介した江戸時代にすでに少数生息していたといわれる根拠のひとつにもなっていますよ。
厄介者なハクビシン
ハクビシンが現在問題になっているのは、住宅街などに野生化したものが進出しているということです。中には住宅に住み着いてしまうこともあるようです。
知らないうちに屋根裏をめちゃくちゃに!
民家など、現代家屋の屋根裏にある断熱材は、ハクビシンにとっては快適なベッドになります。
そのため、ハクビシンは断熱材を引きちぎり、家主の知らないうちにボロボロになってしまいます。
屋根裏に住み着くと、住民に分かりやすい多大な被害も・・・。
まず夜中に屋根裏を動き回るので騒音で睡眠障害を起こす可能性があります。さらに糞尿を屋根裏ですることもあります。
ハクビシンは同じところで用を足すので長年放置していると、天井板が腐ることもあるようです。ハクビシンの糞尿は臭いのでそれで住み着いていることに気付くケースもあるのだとか。
雑菌やダニも保有しているので厄介
多くの動物がそうであるように、ハクビシンもまた雑菌を保有しています。
この雑菌に感染することで、病気など健康被害をもたらす可能性もあります。さらにハクビシンが住み着くことで、ダニやノミが繁殖するかもしれません。
天井裏から落ちてきて、住人が刺されるなどの被害もあり、駆除の対象になっています。
まとめ
ハクビシンという名前は、顔の真ん中つまり鼻筋に白いラインが入っていることに由来し、漢字では「白鼻芯」と表記します。
そして、英語では「Masked palm civet」と書きます。
顔の模様から「mask」、そしてヤシの樹液を好むことからヤシを意味する「palm」、ジャコウネコの仲間であることから「civet」というのが名前の由来となっています。
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